ラズガットリオグルがハットトリックを達成しランキング首位に浮上
イギリスではめずらしく、日曜日も天候に恵まれたドニントン。午前中に行われたスーパーポール・レースでもラズガットリオグルが制し連勝、ブレガが2位に続き、3位には母国戦となるサム・ロウズが入った。
最終レース2は気温24度、路面温度39度のドライコンディションのなか、23周で行われた。ポールシッターのラズガットリオグルがまたしてもスタートを決め、ホールショットを奪う。サム・ロウズが2番手に上がり、ロカテッリ、バウティスタ、ブレガはまたしてもスタートに失敗し5番手に後退となった。
しかし、ブレガは早くもバウティスタとロカテッリを抜き3番手に浮上。ここまで期待するパフォーマンスが発揮できていなかったバウティスタもロカテッリをかわし、ドゥカティワークスの2台が揃ってポジションを上げていく。
4周目、スーパーポール・レースから勢いのあったサム・ロウズがターン1で転倒。母国凱旋レースで無念のリタイアに終わってしまった。これでブレガが2番手、バウティスタが3番手となる。
しかし、それ以降ドゥカティの2台はトップのラズガットリオグルの背中を捕らえることができず、周回数が減っていく。昨年のように大逃げすることはなかったが、ラズガットリオグルはブレガとバウティスタに隙を与えることなく、最初から最後まで首位の座を明け渡すことはなかった。

先頭のラズガットリオグルに迫ることができないブレガ。
ラズガットリオグルが余裕を持ってファイナルラップに入るなか、終盤にしてブレガとバウティスタとの差が一気に縮まってきた。後半セクションのブレーキングで一気に詰めたバウティスタは隙あらば仕掛けようとブレガの背後につく。
スタートからゴールまで大きな波乱もなく、ラズガットリオグルがトップでチェッカー。得意としているイギリスでハットトリックを決めた。最終コーナーでラインが交差するほど接近したブレガとバウティスタだったが順位は変わらず。ブレガが2位を死守し、バウティスタが3位に入った。
この結果、ラズガットリオグルがついにブレガをポイントで逆転しランキングトップに浮上。ラズガットリオグルにとってタイトル争いにおいて重要な勝利と言えるが、来季MotoGPへの参戦が決まった彼にとってこれがドニントンで走る最後のレースとなる。
12回もの勝利を挙げたトラックに最高の形でレースを締めくくれたことがラズガットリオグルにとって最も喜ばしいことだったのではないだろうか。
ランキングではラズガットリオグルとブレガの順位が入れ替わったが、その差はわずか4ポイント。ドゥカティとブレガのポテンシャルを考えるとまだまだ余談を許さない状況だ。

今季2度目のハットトリックを達成したラズガットリオグル。
次戦は7月25日から27日にかけて行われるハンガリーラウンド。初開催の舞台は新しいサーキットであるバラトンパークだ。誰も経験したことがない未知のサーキットで、混沌としたタイトル争いは一体どのような結果になるのだろうか。満を持して開催されるバラトンパークでのレースに注目だ。
2025 スーパーバイク世界選手権 第7戦 スーパーポール・レース 結果

スーパーポール・レースで3位に入ったサム・ロウズ。弟アレックスとともに地元を沸かせる走りを見せた。

2025 スーパーバイク世界選手権 第7戦 レース2 結果

ハットトリックというこれ以上ない形でドニントンに別れを告げたラズガットリオグル。

レポート:河村大志