文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:赤松 孝、南 孝幸
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カワサキ「ヴェルシス1100SE」インプレ(宮崎敬一郎)

Kawasaki
VERSYS 1100 SE
総排気量:1098cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:820mm
車両重量:260kg
発売日:2025年4月12日(土)
税込価格:209万円
※カラーは「メタリックグラファイトグレー×メタリックディアブロブラック」
オールマイティさが魅力のビッグアドベンチャー
オンロード型アドベンチャーツアラーのヴェルシスが生まれ変わった。排気量を50ccほど増し、ネーミングもヴェルシス1100になった。パワーは15PSアップの135PSを発揮、従来モデルに対して明らかに強力で、ニンジャ1100に近いダイレクトなダッシュを実現している。
実はこのエンジン、新開発ではあるのだが、新型ニンジャ1100SXと共通で、ミッションのギア比まで全く同じ。これはクルージング時のストレス低減を重視して進化したニンジャと目指す方向性が合致したためだ。ヴェルシスも減速比のロング化によってエンジン回転を抑え、クルージングにゆとりを持たせながら、瞬発力まで増強したのだ。

※試乗車はオプションパーツ装着車
この新エンジン、低回転域からトルキーで良く粘り、6000回転以上になるとさらに強力なトルクと吹けになる。4速あたりまでだと、瞬発力はずっとリニア。しかもパワーモードを「フル」にしていてもその応答は全回転域で紳士的。従順で扱いやすい。
衝撃、姿勢変化に即時応答可変する、スカイフック機能を備えた電制サス・KECSはこれまで通りショーワのEERAがベース。3種類のプリフィクスモードがあるが、どのモードも好みで調整できる幅が大きく、守備範囲の広い走りをこなせるのが魅力だ。
ライディングモードの「スポーツ」に設定されるKECSの「ハード」は乗り心地こそ硬めだが、ハイペースで乗り越える大きな衝撃をいい接地性を維持しながら乗り越える。しなやかで快適な「ロード」の「ノーマル」も良路ならスポーツランまでこなすし、柔らか過ぎて不安なら設定を変えることも可能。好みの仕様ができたら「ユーザー」に登録すればいい。かなりフワフワな「レイン」の「ソフト」も意外に踏ん張ってくれる。
新型のヴェルシス1100は、路面や乗り方に対する広い間口が魅力。ストレスなく、どこまでも楽しめるモデルだ。