マルク・マルケスが全セッショントップでアラゴンGPを完全制覇
決勝日も晴天となったモーターランド・アラゴン。各車前後ミディアムを履くなか、アコスタのみがフロントにハードタイヤを選択した。
気温26度、路面温度51度のドライコンディションのなか、23周の決勝がスタート。スプリントではスタートに失敗したマルク・マルケスだったが、決勝では好スタートを決めホールショットを奪う。また、週末を通して苦戦を強いられていたフランチェスコ・バニャイア(Ducati Lenovo Team)もスタートを決め3番手に浮上した。

決勝ではマルク・マルケスが先頭を譲ることなくレースを進めていく。
序盤に注目を集めたのはバニャイア、アコスタ、ブラッド・ビンダー(Red Bull KTM Factory Racing)、アルデゲル、モルビデリの5台による3番手争い。特にバニャイアとアコスタは抜きつ抜かれつのバトルを展開した。
コンマ3秒ほどの間隔で推移していたマルク・マルケスとアレックス・マルケスのトップ争いだったが、8周目に入るとマルク・マルケスがその差を一気に拡げにかかった。
9周目、ターン12でヨハン・ザルコ(CASTROL Honda LCR)が転倒。上位勢はマルク・マルケスが独走体制に入るなか、2番手のアレックス・マルケスにバニャイア、アコスタ、ビンダーが迫る。
これまでの苦戦から一転し、2台揃ってトップ5に入っていたKTMワークス。しかし、12周目のターン3でビンダーが痛恨のスリップダウンを喫してしまった。
終盤になるとスプリントと同じくモルビデリとアルデゲルの5番手争いが激化。時折接触しながらのバトルを展開する。

ベテランとルーキーの息を呑むバトル。
先頭のマルケス・マルケスは隙を与えることなくトップチェッカー。自身10年ぶりとなる全セッションをトップで終える完全制覇を達成した。2位にアレックス・マルケス、3位にはスプリントで苦戦していたバニャイアが入っている。
4位に唯一フロントにハードを選択したアコスタが入り、最後まで激しいバトルが展開された5番手争いはモルビデリがアルデゲルの猛攻を抑え込み5位でチェッカーを受けた。
次戦は6月20日から22日にかけて行われる第9戦イタリアGP。ロングストレートがあり、高速コーナーが連続するなどアベレージスピードが高く、ブレーキにも負担がかかるムジェロ・サーキットが戦いの舞台となる。
2025 MotoGP 第8戦アラゴンGP 決勝結果

10年ぶりの全セッション完全制覇を地元スペインで成し遂げたマルク・マルケス。

レポート:河村大志