文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸、赤松 孝
現代に生まれ変わったCB・Z・刀のライポジ・実用性をチェック
▶ホンダ「CB1000Fコンセプト」編
シート高:NA
ライダーの身長・体重:176cm・62kg

ハンドル幅はかなり広く、長めのハンドルライザーを介して高さも稼いでいる。上体が起き、膝の曲がりも少ない1980年代のビッグバイク的なリラックスしたポジションに設定されている。足つき性はこのクラスのネイキッドとして標準的だ。

スーパーバイク風のワイドハンドル
CB1000Fコンセプトの取り回しはクラスの中でも良い部類だと言える。
ワイドなバーハンドルが高めにセットされており、上半身の起きた、リラックスしたライディングポジションなのに加え、4気筒車の割に車体がコンパクトでスリムなので、足つき性も上々。
オーナーが扱いに手を焼くようなことはまずなさそうだ。

往年のスーパーバイクを彷彿させるワイドなバーハンドルはブラック仕上げ。ハンドルも高く、手前にセットされている。

ダウンドラフト吸気ながら、タンク下部は絞られており、シートの前端も巧みに角が落とされていて、足つき性向上も図られている。

詳細は不明だが、シフトロッドの上部付近にカプラーとケーブルがあり、クイックシフターが採用されている可能性はありそうだ。

かつてのAMAスーパーバイクレーサーを思わせる段付き形状のシート。フロントシート上面のワディングはCB750Fを想起させるデザイン。
▶カワサキ「Z900RS」編
シート高:800mm
ライダーの身長・体重:176cm・62kg

ハンドルは少し広めで高さもあり、上体はほぼ直立に起きる。下半身のまとまりがよくてホールドしやすいため、ハンドルに手を添えるだけで気楽に操れるライポジだ。スポーツライディングなら、昔のスーパーバイクレーサーのように両肘を開いた操作がやりやすい。

リラックスしたNKらしいポジション
典型的なクラシックスタイルのネイキッドであるZ900RSのライディングポジションはこのカテゴリーのベンチマーク的な位置づけ。
ストリートからツーリングまでリラックスして楽しめる。シート高は800mmと標準的で足つき性に関しても不満はない。車体がコンパクトなので、車重は215kgだが、取り回しにも困らないだろう。

メッキ仕上げのハンドルバーは比較的ワイドなタイプではあるが、CBと見比べると絞り込みの量は少なく、高さも十分。

クイックシフターは装備されておらず、オプションで用意して欲しいところ。ステップには肉厚のラバーが貼られ振動対策は十分。

タックロール風のワディングが入るシートは肉厚で座り心地のいいもの。シート前端部も絶妙に絞り込まれている。

シート下には配線や補機類がびっしりで収納スペースはわずかだが、ETC2.0車載器は標準装備されており、ツーリング時に便利。
▶スズキ「KATANA」編
シート高:825mm
ライダーの身長・体重:176cm・62kg

シートと車体がスリムなので、このクラスのスポーツバイクとしては足つき性はいい部類。車体の軽さから取り回しもしやすい。ただシートは硬めで締まった座り心地。タンク容量も少ないのでロングランは得意ではなさそう。

上半身の起きた扱いやすい姿勢
スタイリングはユニークだが、KATANAのポジションも上半身が起きた、リラックスした姿勢。車重はZ900RSと同じ215kgなのだが、シート高は若干高い825mm。
ただ前端部の絞り込みが大きいので、不便を感じることはないだろう。ハンドルもワイドなので押し歩きなどもしやすい。唯一の気がかりは12リットルタンクの航続距離か。

ハンドルバーはワイドタイプだが、セット位置がCBやZに対してやや低く、自然ではあるが上半身は弱前傾となる。

アップ、ダウン対応のクイックシフターを装備。スポーツランだけでなくツーリングにも重宝する。ステップはラバーなしのアルミ製。

スパッと切り落としたかのような、大胆で短いテールカウルなので、タンデムシートの座面は小さめ。ソロ使用なら不満はない。

シートカウルの短さゆえ、シートを開けても隙間はなく、バッテリーや配線類でいっぱい。ETC車載器の置き場所にも困りそうだ。
文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸、赤松 孝