威風堂々としたスタイルのヘビー級クルーザーは、長距離走行での快適性で測る時代ではなくなった。インディアンモーターサイクルは、サーキットで鍛えた最新エンジンと、それを搭載した新型車を発表した。
文:河野正士
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インディアン「チーフテン・パワープラス・リミテッド」インプレ(河野正士)

画像: Indian MOTORCYCLE CHIEFTAIN POWERPLUS LIMITED 総排気量:1834cc エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブV型2気筒 シート高:672mm 車両重量:382kg 税込価格:453万円~

Indian MOTORCYCLE
CHIEFTAIN POWERPLUS LIMITED

総排気量:1834cc
エンジン形式:水冷4ストSOHC4バルブV型2気筒
シート高:672mm
車両重量:382kg

税込価格:453万円~

テクノロジーによってVツインの世界を切り拓く

ヘビー級クルーザーモデルに搭載される大排気量Vツインエンジンが、サーキットで開発される時代になった。インディアン・モーターサイクル(以下インディアン)が発表した新型の、挟角60度V型2気筒水冷OHC4バルブエンジン/パワープラス112は、レースの最前線で開発されたのだ。

大型カウルとサイドケースを装着したヘビー級クルーザーモデル/バガー・モデルによって争われる人気のロードレース/キング・オブ・ザ・バガースがその現場。

パワープラス108エンジンからの変更点は、ボアを2mm拡大したことによる排気量アップに留まっているが、その結論に至るまでカム/シリンダーヘッド/クランク/コンロッドなど、ありとあらゆるエンジン内パーツを検証し、最高のパッケージを造り上げるために取捨選択を繰り返したという。

その新型エンジンは、インディアンのバガー・カテゴリーのフラッグシップモデルである「チャレンジャー」や、同プラットフォームを採用するツーリング・カテゴリーの「パースート」といったパワープラス・プラットフォームの2025年モデルに搭載される。

画像: 「チーフテン・パワープラス」「ロードマスター・パワープラス」が加わったことでパワープラス・プラットフォームを拡充した。

「チーフテン・パワープラス」「ロードマスター・パワープラス」が加わったことでパワープラス・プラットフォームを拡充した。

そして、そのパワープラス・プラットフォームファミリーに「チーフテン・パワープラス」と「ロードマスター・パワープラス」が加わった。

「チーフテン」と「ロードマスター」は、空冷Vツインのサンダーストローク116エンジンを搭載していたが、「チャレンジャー」と同じプラットフォーム/パワープラス112エンジンとアルミフレームを新たに採用。スマートラーンテクノロジーと名付けられた、6軸IMUから得たデータをもとに複数の電子制御デバイスを連動させるライダーアシスト機能も継承した。

フロントに大型カウルを装着するヘビー級のクルーザーモデルは、クラシックなスタイルに分類される。それはロケットカウルを装着するカフェレーサーがクラシカルなスタイルを印象づけるのと同義だ。

しかし「チーフテン・パワープラス」は、新たにパワープラス・プラットフォームを得たことで、クラシカルなスタイリングを維持しながら、モダンなパフォーマンスと装備を手に入れたことになる。

画像: インディアン「チーフテン・パワープラス・リミテッド」インプレ(河野正士)

今回は米国ラスベガス郊外で開催されたパワープラス112エンジンの発表会に参加し、「チーフテン・パワープラス」を約300km走らせたが、その過程でクルーザーとしての快適性を持っていることはもちろん、走る/曲がる/止まるという、操る楽しさに溢れたバイクであることを痛感した。

スポーツモデルとはまったく異なる、胸をすくような唯一無二の加速に加え、走行中に前後どちらのブレーキを操作しても最適なブレーキ配分を提供するエレクトリック・コンバインド・ブレーキシステムで減速時の車体姿勢もつくりやすい。

ハンドルを積極的に操作すれば、驚くほど素早く車体は向きを変えることができ、切り返しも軽い。純正アクセサリーやサードパーティのチューニングパーツ&カスタムパーツを奢って、そのポテンシャルをさらに高めるというクルーザーのカスタムが人気なのも頷ける。

画像: 『レイン』『スタンダード』『スポーツ』の3つのライディングモードを装備。4000回転付近からエンジンのビート感が高まり加速感が強まる。

『レイン』『スタンダード』『スポーツ』の3つのライディングモードを装備。4000回転付近からエンジンのビート感が高まり加速感が強まる。

インディアン「ロードマスター・パワープラス・リミテッド」

画像: Indian MOTORCYCLE ROADMASTER POWERPLUS LIMITED

Indian MOTORCYCLE
ROADMASTER POWERPLUS LIMITED

パワープラス112エンジンなど、チーフテン・パワープラスとプラットフォームを共有する「ロードマスター・パワープラス」。ハイスクリーンや大型リアケースなど、豪華な装備を標準装備する。

画像1: 【レビュー】インディアン「チーフテン・パワープラス・リミテッド」インプレ|レースシーンで鍛えた新型エンジンを搭載、さらにモダンになった最新バガー

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