1996年に初代ホーネット(250cc)が登場して以来、ホーネットの大きな魅力のひとつとして継承されてきたのがダイナミックなボディライン。アグレッシブな走りを予感させる、躍動的なスタイリングはホーネットシリーズのDNAとして最新モデルにも刻み込まれている。
文:太田安治、竹川由華、オートバイ編集部/写真:南 孝幸、関野 温/協力:ホンダモーターサイクルジャパン
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ホンダ「CB1000ホーネット」「CB1000ホーネットSP」インプレ(太田安治)

画像: Honda CB1000 HORNET SP 2025年モデル 総排気量:999cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:809mm 車両重量:212kg 発売日:2025年1月23日 税込価格:158万4000円

Honda
CB1000 HORNET SP
2025年モデル

総排気量:999cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:809mm
車両重量:212kg

発売日:2025年1月23日
税込価格:158万4000円

画像: Honda CB1000 HORNET 2025年モデル 総排気量:999cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:809mm 車両重量:211kg 発売日:2025年1月23日 税込価格:134万2000円

Honda
CB1000 HORNET
2025年モデル

総排気量:999cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:809mm
車両重量:211kg

発売日:2025年1月23日
税込価格:134万2000円

公道での楽しさ、扱いやすさを最優先した新型ホーネット

1000ccクラスのスポーツモデルは、サーキットでの戦闘力を優先したスーパースポーツ、長距離走行を快適にこなすツアラー、オフロード走行を視野に入れたアドベンチャー、市街地からワインディングロードまでを俊敏に駆け回れるネイキッドに大別される。

この中で日本の交通環境で最も使い勝手がいいのはネイキッドだというのが僕の考え。スーパースポーツの高回転パワーや鋭いコーナリング性能を公道で堪能することなどできないし、ツアラーやアドベンチャーの大きくて重い車体は相応のフィジカルが必要。

対してネイキッドはライダーのスキルや体格を問わず、街乗りからスポーツ走行、ツーリングまで、幅広い用途に応えてくれるからだ。

画像1: ホンダ「CB1000ホーネット」「CB1000ホーネットSP」インプレ(太田安治)

CB1000ホーネットのルーツは2001年に登場したCB900ホーネット。後継モデルのCBF1000、CB1000Rにはペットネームが付いていないが、スーパースポーツのCBR用エンジンをストリート向けにチューニングし、同じくストリートユーズに合わせた剛性/ディメンションの専用フレームに搭載する手法は同じ。

24年ぶりにホーネットの名を冠した新型CB1000も同様で、手慣れた造りというより、ストリートモデルとしての最適解を熟知した構成になっている。

まず驚いたのが取り回しの軽さ。車両重量が210kgそこそこに収まっているうえ、ハンドルの幅、高さ、さらにグリップ部分の絞り角/垂れ角の設定に不自然さが一切なく、倒立フォーク採用車では犠牲になりがちなハンドル切れ角もしっかり確保されている。809mmに抑えられたシート高と併せ、押し歩きもUターンも軽々と行える。これはパワーやハンドリングとは違う次元の重要要素だ。

画像2: ホンダ「CB1000ホーネット」「CB1000ホーネットSP」インプレ(太田安治)

完全なニューモデルだが熟成を感じさせる完成度

走り出してすぐに感じるのはスロットルレスポンスが実に素直なこと。FI(フューエルインジェクション)車は開け始めの反応が唐突だったり、逆に閉じてからのエンジンブレーキの効きが遅れたりという不自然さが現れがちだが、ホーネットはスロットル操作に忠実に反応して車体にギクシャクした動きが出ず、パーシャル(加速も減速しないスロットル開度)状態も保ちやすい。吸気系構造のノウハウとECUマッピングの緻密な制御を実感する文句なしの仕上がりだ。

最高出力はCBR1000RR(SC77)の192馬力に対して152馬力(SPは158馬力)に抑えられている。だが公道でその違いを感じることはなく、むしろ最大トルク発生回転数が2000回転も下がっていることで、低回転域でのスムーズさ、中回転域での豪快な加速が味わえる。

画像3: ホンダ「CB1000ホーネット」「CB1000ホーネットSP」インプレ(太田安治)

そして高回転域でスロットルをワイドに開けば、フロントホイールを軽々と浮かす勢いで猛然とダッシュする。ライディングモードを好みにセットすればサーキットライディングも存分に楽しめるだろう。

ハンドリングもエンジン同様、まるで癖がない。スーパースポーツ系は高い速度域や強力なタイヤグリップに対応するため高剛性のフレームを採用していて、公道の荷重域では硬くて重い感触になるが、ホーネットの鉄フレームは荷重が掛かると適度な「しなり」を発生し、寝かし込みの軽さ、意図したラインを素直にトレースする旋回性、ギャップ通過で弾かれる量の少なさを生んでいる。

加えて前後サスペンションとも加減速での過大なピッチングを抑えつつ、乗り心地を犠牲にしないスプリングレートとダンパー減衰力が与えられているから、長時間の連続走行でも快適で疲れない。

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市街地から峠道、高速道路まで走り回って感じたのは、スーパースポーツモデルにはない開放感と、ツアラーやアドベンチャーよりも濃厚な爽快感。そして走るシチュエーションを問わないオールラウンドさだ。

大型車は初めてというライダーでも不安なく扱え、スキルのあるベテランならパワーとハンドリング性能を存分に引き出せるキャラクターは、初代ホーネットからホンダのネイキッドスポーツに対する考え方が一貫していて、新たなテクノロジーを取り込みながら、熟成を重ねてきたからこその完成度と言えるのではないだろうか。

ワインディングでは『SP専用装備』が光る!

画像: CB1000 HORNET SP

CB1000 HORNET SP

峠道ではSPに装備されるクイックシフターやコントロール性に優れるブレンボ製キャリパーにより、流すようなペースでも退屈さを感じずリズミカルに走れる。6000回転あたりから可変排気バルブが作動して排気音が盛り上がるのもSPの魅力。

SPのみに装備される機能性と所有感を高める2大ブランド

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ブレンボのキャリパーはブレーキング初期の反応が柔らかくて微妙なコントロールがしやすく、その先の食い込み感も高い。リアのオーリンズTTX 36はスタンダードよりやや硬く感じるが、深くストロークした時の踏ん張りと伸び側のスムーズな動きはさすが。ただ、スタンダードのリアサスも想像以上に上質な動きで、フロントサスとのバランスもいい。公道走行においてまったく不満はない。

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スタンダードでも充分なのはわかるが……

画像: CB1000 HORNET

CB1000 HORNET

可変排気バルブの有無による違いなのか、低回転域ではスタンダードのほうが力強く感じた。価格はSPより約24万円安いが、ブレンボ、オーリンズという世界的ブランドのバリューとクイックシフターの標準装備を考えるとSPがお買い得に感じる。

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    CB1000 HORNET|パールグレアホワイト
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    CB1000 HORNET SP|マットバリスティックブラックメタリック
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    CB1000 HORNET|パールグレアホワイト
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    CB1000 HORNET SP|マットバリスティックブラックメタリック
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