思い立ったら即出発! が125ccネイキッドの強み
他人がやってるのを見て楽しそうだったから真似してみたくなった……というだけの理由ではじめた125ccバイクので下道ツーリング。私(北岡)の思い込みに反して、思った以上の楽しさと発見が連続して、これまで考えていたのとは別角度で125ccの魅力を感じています。
先に訪れた「房総半島随一のビュースポット」もなかなかどうして絶景でした。編集部に帰ったら「知ってるか? 千葉ってこんなとこあるんだぜ!」と他のスタッフに自慢する予定です。
でもまだGSX-S125との日帰り千葉ツーリングには、他の驚きが待っていました。
これは私だけじゃないと思うんですが、ツーリングの際に『有名すぎる観光スポット』を避けるタイプのライダーっているでしょう? 私はそれです。混んでるのが嫌なのよねぇ……
ですが今回は125ccだし、そんなに遠くまでいけないので名前だけは何となく知っていたスポットに行ってみることに。

亀岩の洞窟、という場所です。
先に立ち寄った九十九谷展望公園から距離16kmという近さだったこともあり「ま、ちょっと行ってみるか」くらいの気持ちで。
でもこの時にふと「これ良いな」と思ったのが、GSX-S125の機動力というか、再び走り出す時の気持ちのイージーさでした。

サイドスタンドを払ってエンジンを掛けて、駐車場から出る時も小回りクルクル、Uターン楽々。
例えば足つき性に不安のある重量車だと、それらは気を遣うポイントなのですがGSX-S125にそのストレスは皆無です。アップハンドルのネイキッドっていうのがさらに良い。上半身が起きたライディングポジションで視界も広いし、『さ、次いくかっ!』といった軽い気持ちで、不安要素なくツーリングを楽しめます。
いわゆる『軽量コンパクト』が威力を発揮するのは、別にスポーティな走りのシーンだけじゃないってことです。

で、辿り着いた「濃溝の滝・亀石の洞窟」を目指して整備された遊歩道をテクテクと。
実際、そこまで期待はしていなかったのですが……

…………秘境か?
この景色に出会うまでに苦難の道のりを超えてきたわけじゃありません。普通に走って、普通に遊歩道を5分くらい歩いて。だけど待ち構えていたのは秘境同然の光景でした。お手軽すぎる秘境……
けれど十分に「すごーい!?」と思えるスポットなのは事実です。千葉ツーリング、どうやら奥が深いらしい。

だけど、125cc下道ツーリングの場合は「帰路」のことも考えて動かなければいけません。『遅くなっちゃったけど高速道路で一気に……』はできないですから。それに、なんかけっこう満足した(笑)
帰宅方面に進路を変えて北上を開始。朝から一般道を走り続けているのですが、この時点でも特に疲れを感じさせないのがGSX-S125のスゴいところ。体力的に余裕があるので「もうちょっと遊んでいこうかな……」なんて考えもよぎりましたが。
そうして北上を開始したところ……

普通に道路沿いに洞窟でてきた(笑)
ここは永昌寺トンネルという名前の素掘りトンネルで、こちらも名前だけは知ってしました。でもこんなに普通に道路脇(県道172号線)沿いにあったなんて……この道路、以前に付近の「月崎トンネル」を目指した時に通ったことがあるはずなのに気づきませんでした。
これも先を急がず、のんびり走れる125ccツーリングならではの発見……でしょうか?
GSX-S125はどこまでいっても「高いスポーツ性能」に軸足を置いていて、リアサスペンションも硬めのセッティングだから、そこまでツーリング向きじゃないと思っていたんですが、考えを改める必要がありそうです。反省。

そして最後は高滝湖へ!
仮に市街地を抜けてからの木更津を起点として考えると、ここまでの走行距離はざっと90kmくらい。朝に出発した会社のある港区新橋からでも165km。距離としてはぜんぜん大したことありません。
だけど……なんだかすごく充実してた!

新しく発見したスポットを巡れたことも大きいですが、それ以上にバイクツーリングの醍醐味である「移動中も楽しい!」をずっと感じさせ続けてくれたGSX-S125がスゴいと思います。
絶景ロードとかワインディングとかじゃないのに、バイクで走ることの充実感が常に感じられる。大型バイクだったら「我慢の移動」になるようなシーンでも、GSX-S125は終始、乗り手を楽しませてくれるんです。

知らんかった……あるいは忘れていました。125ccバイクでのツーリングって、250cc以上のバイクでのツーリングとは「別の楽しみかたができるもの」だったなんて。
そして、その相棒がGSX-S125だと「普通のなんてことない道」でも走りを楽しめるなんて!?
これ、わりといいかもしれないです……

私(北岡)の生活環境においては【前編】で行ったとおり、125ccで高速道路に乗れないことがネックであることに変わりはありません。だから「すぐにでも欲しい!」とか「買うぜ!」とはならないです。
だけど、見方は変わった。125ccスポーツネイキッドのGSX-S125。贅沢が許されるなら増車したくなる1台です。
走りの性能も含めて、大型バイク乗りのセカンドバイクとしてもかなりおすすめできる。

それと同時に「GSX-S125が人生はじめての1台」という人にも良いパートナーになってくれるという確信があります。
なんというべきか……バイクで走ることだけじゃなく、ツーリングを楽しむ考え方の基本を教えてくれると思うんですね。
GSX-S125はスポーツバイクだけど、ここからスタートしたら『良い旅人』が育ちそう!
(下に続きます)
GSX-S125はレジャーバイクじゃない、フルサイズの本格125ccMTスポーツです。だからこそライダーを育ててくれる。
バイクには長く乗ってきているけど、まだまだ知らない楽しさがあるということ、今回は身に染みました。バイクの楽しさは排気量や馬力だけじゃない。それを改めてGSX-S125に教えられた気分です。
やっぱいいねぇ……バイクって!
いつだって新鮮で、飽きずに一生続けられる。こんな素敵な趣味、他にそうそう無いのでは!?