文:大屋雄一/写真:柴田直行
ホンダ「XL750 トランザルプ」スタイリング解説

大径薄肉パイプとモナカ構造のピボット部を組み合わせたスチール製ダイヤモンドフレームを採用。

ホイール径はフロント21インチ、リア18インチで、ハンドル切れ角は左右各42度に設定。空力マネジメントを駆使して、優れた防風効果と軽快なハンドリングを高次元で両立している。
ホンダ「XL750 トランザルプ」各部装備・ディテール解説

スクリーンは高さ調整機構こそ備えないが防風効果は上々だ。純正アクセサリーでハイスクリーンやディフレクターなどもラインナップする。灯火類はオールLEDで、ウインカーにはオートキャンセル機構やエマージェンシーストップシグナルを盛り込んだ。

5.0インチTFTフルカラー液晶ディスプレイを採用するメーターまわり。4種類の画面表示と2種類の背景色が選択可能だ。ライディングモードはスポーツ/スタンダード/レイン/グラベル/ユーザーの5種類。スマホやヘッドセットとの連携機能も搭載する。

左側のハンドルスイッチは、上下左右に動かせるセレクトスイッチを中心に、ディスプレイの操作と設定に使用するファンクションスイッチ、ライディングモードを切り替えるモードスイッチなどで構成される。慣れてしまえば操作は簡単なものだ。

燃料タンク容量は16Lで、無鉛レギュラーが指定となっている。WMTCモードでの燃費は22.8km/Lなので、1回の給油でおよそ360km走れる計算になる。タンクから続くミドルカウルはレイヤー構造を採用し、カウル周囲の圧力バランスを制御している。

270度位相クランクやユニカムバルブトレイン、2軸1次バランサーなどを採用した754cc水冷並列2気筒エンジン。最高出力は91PSで、同排気量のNC750X(58PS)に対して57%もパワフルなスペックだ。純正アクセサリーに双方向クイックシフターもある。

マフラーはステンレス製。サイレンサーは上下に排気口が並ぶタイプで内部は2室構造を採る。リアブレーキはΦ256mmディスクとシングルピストンキャリパーの組み合わせで、選択式ABSモードによりリアのABSをキャンセルすることも可能となっている。

ショーワ製Φ43mm倒立式フロントフォークは、カートリッジタイプのSFF-CAを採用する。ストローク量は200mmで、プリロードのみ調整可能となっている。フロントブレーキはΦ310mmフローティングディスクと異径2ピストンキャリパーをダブルで装着。

アルミ製スイングアームは、押出材をスウェージング加工した左右のアームをCRF1100Lから流用したものだ。リアサスはプロリンク式で、ホイールトラベル量は190mmに設定。分離加圧式リアショックには7段階のプリロードアジャスターが設けられる。

初代トランザルプのXL600Vをオマージュしたブルーのシート表皮。純正アクセサリーで座面が約30mm低くなるローシートも別にラインアップするが、そちらは表皮がブラックとなる。グラブバーを兼ねた、機能的デザインリアキャリアの積載荷重は8.0kg。

シート下にETC2.0車載器が標準装備されている。USBタイプCソケットはシート下の後方にあり、定格15W(5V、3.0A)まで使用可能だ。ヘルメットホルダーは車載工具内のワイヤーと組み合わせる方式で、シートレールの左右にフックあり。
ホンダ「XL750 トランザルプ」主なスペック・燃費・製造国・価格
全長×全幅×全高 | 2325×840×1450mm |
ホイールベース | 1560mm |
最低地上高 | 210mm |
シート高 | 850mm |
車両重量 | 208kg |
エンジン形式 | 水冷4ストロークSOHC(ユニカム)4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 754cc |
ボア×ストローク | 87.0×63.5mm |
圧縮比 | 11.0 |
最高出力 | 67kW(91PS)/9500rpm |
最大トルク | 75N・m(7.6kgf・m)/7250rpm |
燃料タンク容量 | 16L |
変速機形式 | 6速リターン |
キャスター角 | 27゜00′ |
トレール量 | 111mm |
タイヤサイズ(前・後) | 90/90-21M/C 54H・150/70R18M/C 70H |
ブレーキ形式(前・後) | ダブルディスク・シングルディスク |
乗車定員 | 2人 |
燃料消費率 WMTCモード値 | 22.8km/L(クラス3-2)1名乗車時 |
製造国 | 日本 |
メーカー希望小売価格 | 126万5000円(消費税10%込) |
文:大屋雄一/写真:柴田直行