文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸
新型投入と戦略的市場開拓について事業担当責任者へインタビュー
最初のモデルから123年、急激な進化を遂げて世界を席巻
東京モーターサイクルショー2024では、今年日本国内に導入の新型3機種「ブリット350」「ショットガン650」「ヒマラヤ450」の大々的なアピールを成功させたロイヤルエンフィールド。輸入車に詳しい人であれば、同メーカーの認知度や評価が、以前とは大きく違うと感じているのではないだろうか。
今回、ロイヤルエンフィールドのグローバル事業責任者であるヤドビンダー・シン・グレリア氏、そして、アジア太平洋地域の事業責任者のアヌージ・ドゥア氏に、話を伺った。
「最初のモーターサイクルを誕生させた1901年から、様々な進化を遂げてきました。R&Dもそうですし、製品自体の進化もそうです。ユーザーや販売店からの声を吸い上げ、特に質や仕上げのレベルはこの10年で格段に改善されています。そんななか、2023年は我々にとって重要な年でありました。販売台数が83万台を超え、そのうち10万台が海外へ輸出されました。販売網は広がり、現在60カ国で販売をしています。そして、全体の1/3、3000店がインド以外の販売店なのです。日本の皆さんにも知ってもらいたいのはロイヤルエンフィールドはミッドサイズセグメント(250〜750cc)で世界で一番バイクを販売しているメーカーであるということです」(ヤドビンダー氏)。
ロイヤルエンフィールドといえば、350〜650ccエンジンに絞ったラインアップで、中でも350ccのモデルは認知度も高い。ブリット350などは90年以上の歴史があり同メーカーの顔とも言えるモデルだ。
「近年、INT、コンチネンタルGT、スーパーメテオと650ccモデルの人気が高まってきていますが、ハンター350のような新しいスタイルのモデルも人気が出てきました。ただ、やはり、最も売れているのはクラシック350です。ロイヤルエンフィールドが生み出すオートバイのイメージがユーザーに定着しているためだと思います」(ヤドビンダー氏)。
日本市場での認知度も高まってきているなか、日本のユーザーをどのように捉えているのだろうか。
「ロイヤルエンフィールドジャパンをスタートさせたのが約3年前なので、日本ではまだ歴史は浅いメーカーですが販売台数は順調に伸びています。ただし、販売台数を伸ばすことが最重要課題だとは思っていません。日本のユーザーは目的地に急いで到達したいという人よりも、途中の景色を楽しんだり、ライフスタイルと共にバイクを楽しみたいというライダーが多いと感じます。それが、ロイヤルエンフィールドが大切にしているセルフエクスプレッション(自己表現)にとてもマッチしているので、ユーザーからの声を大切にしたいと思っています」(アヌージ氏)
「日本のライダーはヘリテイジやレガシーに対してとてもリスペクトを持っているのを感じますし、それらは我々ロイヤルエンフィールドの強みでもあります。さらに、他の国のショーと比較して氏も東京モーターサイクルショーには若いライダーがとてもたくさんいましたので、今以上に我々のバイクが受け入れられ、レベルアップできる土壌が日本にはあると思っています」(アヌージ氏)
文:オートバイ編集部/写真:南 孝幸