2月末にPI開幕、がWSBKです

いよいよMotoGPプレシーズンテストも始まる目前! ようやっとレースのないシーズンオフが終わる終わる……ってソワソワしているレースファンも多いかと思いますが、GPの開幕は3月8~10日、くー!待ちきれない!って方もちょっと待って! 例年通り、MotoGPより先にワールドスーパーバイクが開幕しますよ!

いつもの「2月末ごろにPI(フィリップアイランド)開幕」のイメージどおり、2024年シーズンも2/23~25に、オーストラリア・フィリップアイランドサーキットでワールドスーパーバイクが開幕します。
下記スケジュールを見てもわかるとおり、WSBKは年間12戦。開幕が2月末で、そこから約1カ月空いて第2戦、その半月後に第3戦があって、そこから1カ月半のインターバルがあっての第4戦。それからだいたい半月に1レースなかんじで、このあたりがツメツメで年間22戦が組まれているMotoGPとは大きく違うところですね。シーズン序盤にインターバルがあるスケジュールは、バイクを作るうえですごく助かる、はず。シーズン序盤に時間がない中でバタバタしちゃって本来の力を発揮できない、っていうケースが少なくなるでしょうからね。

画像1: 2月末にPI開幕、がWSBKです
画像: V2チャンピオン、アルバロ・バウティスタは首を負傷中でちょっと元気なし 開幕、間に合う??

V2チャンピオン、アルバロ・バウティスタは首を負傷中でちょっと元気なし 開幕、間に合う??

ちなみに下がMotoGPの暫定スケジュール。開幕は3月末で、アルゼンチンGPがキャンセルになりましたから、4月に2レース、5月に2レース、8~10月の3か月はひと月に3レースあります。これはシンドそうですねぇ。
ヨーロッパ圏内での3連戦ならまだしも、第15戦イタリアから1週間空いてインド→インドネシア→日本が3週連続、それから1週空いてオーストラリア→タイ→マレーシアも3週連続と、終盤の連戦っぷりがスゴい! 移動→ピット設営→マシン準備→予選・スプリント・決勝→撤収→移動、というサイクルがこんなに短時間で何回も続くとね、心も体も疲れちゃう。

画像2: 2月末にPI開幕、がWSBKです

ライダーシャッフルがあった2024年シーズン

画像: チャンピオンチームはWSBKとWSSP600のチャンピオンライダーが強力タッグ!

チャンピオンチームはWSBKとWSSP600のチャンピオンライダーが強力タッグ!

画像: ライダーシャッフルがあった2024年シーズン

それはそうと、きょうはWSBKのお話です。
24年シーズンは近年になくライダー移籍があったことで、また新しく、新鮮な気持ちで見られそうなWSBKです。残念ながらWSBKクラスに日本人ライダーはいないけれど、注目したいライダー、たくさんです。

画像: ゼッケン29はアンドレア・イアンノーネ 3年のブランクからの復活はなかなか前例がないチャレンジ!

ゼッケン29はアンドレア・イアンノーネ 3年のブランクからの復活はなかなか前例がないチャレンジ!

まず、チャンピオンチームの「ARUBA.IT DUCATI」は、22~23年V2チャンピオン、アルバロ・バウティスタは変わらず、チームメイトがマイケル・ルーベン・リナルディからニッコロ・ブレガに代わります。ブレガは23年のワールドスーパースポーツクラスのチャンピオン。24年のドゥカティファクトリーチームは、ダブルチャンピオンという強烈な布陣です。ブレガ、プレシーズンテストでもばんばんトップタイム出してますねぇ!
ドゥカティ陣営はトップチーム以外の層が厚いもの特徴で、元MotoGPライダーのダニーロ・ペトルッチや、禁止薬物使用で20年から3シーズンの失格ペナルティを受けていたアンドレア・イアンノーネも復帰! さらにMoto2からチームごとスイッチしてきたサム・ロウズもパニガーレV4Rを走らせます。ロウズは双子のアレックスがカワサキファクトリームで走っていますから、同じ選手権を双子が同時に走るという、珍しいパターンですね。

画像: なんか仲いいぞ(笑) 左がトプラック、右がマイケル 注目度ナンバー1チームかも

なんか仲いいぞ(笑) 左がトプラック、右がマイケル 注目度ナンバー1チームかも

画像: デッカいウィングのBMW M1000RR トプラック、早くも乗りこなしてます

デッカいウィングのBMW M1000RR トプラック、早くも乗りこなしてます

22~23年、2年連続ランキング2位に終わった21年チャンピオンのトプラック・ラズガットリオグルは、ヤマハファクトリーチームからBMWファクトリーへ移籍! チームメイトは日本でもファンの多いマイケル・vd・マークです。
BMWはさらに、スコット・レディングとギャレット・ガーロフのペアによるセカンドチームも持っていて、さらにテストチームにシルバン・ギュントーリとブラッドリ・スミスを構え、いよいよチャンピオン争いに絡んできそうな気配ですね。

画像: 緑色じゃないジョナサン・レイ イタリアのスナック菓子「PATA」のネームで走るのは、レイのホンダ時代以来ですね

緑色じゃないジョナサン・レイ イタリアのスナック菓子「PATA」のネームで走るのは、レイのホンダ時代以来ですね

画像: レイはYZF-R1のクロスプレーンクランクシャフトを「イイねぇ、イイ!」って高評価してますね

レイはYZF-R1のクロスプレーンクランクシャフトを「イイねぇ、イイ!」って高評価してますね

22~23年はランキング3位に終わった、スーパーバイクキング、ジョナサン・レイは、2015年から9シーズンを過ごしたカワサキファクトリーチームから、まさかまさかのヤマハへ移籍! この2月に37歳になるレイの、ライダー人生を賭けた最後の大勝負でしょう。チームメイトはアンドレア・ロカテリで、ヤマハもレミー・ガードナー&ドミニク・エガーターという強力なセカンドチームをラインアップしています。

画像: 「並列4気筒いいねぇ まだ慣れてる最中だけどイイ!」とバッサーニ

「並列4気筒いいねぇ まだ慣れてる最中だけどイイ!」とバッサーニ

レイに去られてしまったカワサキファクトリーチームは、アレックス・ロウズを軸に、アクセル・バッサーニが加入。バッサーニは23年にはドゥカティユーザーのトッププライベーターで、ペトルッチよりひとつランキングで上回って自己ベストの6位でシーズンを終えましたね。

画像: WSBK仕様のCBR1000RR-R お、ウィングがデカくなってる!

WSBK仕様のCBR1000RR-R お、ウィングがデカくなってる!

画像: 「バイクすごいイイ!でもちょっとタイム出ないから開幕までにさらにバイク仕上げます」とレクオーナ

「バイクすごいイイ!でもちょっとタイム出ないから開幕までにさらにバイク仕上げます」とレクオーナ

17年にワークス体制でWSBKにカムバックして8シーズン目を迎えるホンダファクトリーは、鈴鹿8耐優勝ライダーであるイケル・レクオーナとジャビ・ビエルヘのコンビで変わらず。トップチームでメンバーが継続となったのは、ホンダ勢のみだけれど、マニュファクチャラーランキングでは3年連続最下位だけに、そろそろ成績を出したい、トップ6圏内の、そして表彰台争いの常連になりたいところです。ホンダCBR1000RR-Rは24年シーズンへ向けて大きく手を入れられてる、ってハナシです。
すでに24年シーズンに向けてのプレシーズンテストが、スペイン・ヘレス→ポルトガル・ポルティマオと終わっていて、あとはオーストラリアで開幕直前のテストがあって本番突入です。

画像: 24年シーズンはBMWに注目!かな 世界耐久でもトップチームになってますからね!

24年シーズンはBMWに注目!かな 世界耐久でもトップチームになってますからね!

画像: ゼッケンはお父さんがWGP500クラスでワールドチャンピオンになった年! 注目してますガードナー

ゼッケンはお父さんがWGP500クラスでワールドチャンピオンになった年! 注目してますガードナー

ここまで目立った速さを見せているのは、ドゥカティファクトリー入りを果たしたブレガに、BMWにスイッチしたラズガットリオグル、YZF-R1に好印象を持ったレイもいいタイムを出していますね。もちろん、まだまだテストですから、タイムを鵜呑みにするわけにもいかないんですが、マシンをスイッチした上の3人は順調な滑り出し、ブレガがいつもタイムシートの上にいて、ポルティマオの最終日にはラズガットリオグルがコースレコードをマークしました。一歩ずつ、一歩ずつのレイが乗り替えてすぐに速いのも気になるし、そうそうヤマハのセカンドチームのはずのガードナーも速い! バウティスタは首を痛めていて、まだ本気じゃない感じ。

スーパーバイクのファンタスティック3であるバウティスタ×ラズガットリオグル×レイのトップ3は今年も強そうですが、そこに絡んでくるライダーがいそうです。それはブレガなのかガードナーなのか、はたまたファン・デル・マークなのか。

開幕は、もうすぐ!2・23スタートです!

文責/中村浩史 写真/WorldSBK DUCATI YAMAHA KAWASAKI HONDA 

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