軽く取り回しやすくというセオリーを踏襲する

開店から31年、2輪用大型用・洋品店として。また充実のピットを備えたカスタムショップとして。他にないふたつの顔という側面を遺憾なく発揮し、多くの車両を手がけてきたしゃぼん玉。’80〜’90年代車両はカスタム&整備の中軸にあって、ゼファー1100/750はそのど真ん中だ。

多くのチューニングや弱点対策を行い、いきおい、多くのゼファーオーナーが長く同店と付き合ってきた。そんな車両の例から、今ゼファーがどんな状態にあるのか。そしてしゃぼん玉は何を勧め、どう動いていくかを先に聞くと、この車両の概要も見えてくる。

「それぞれの車両に担当スタッフが付いていて、彼らが全体像と現況をしっかり把握しています」と同店マネージャーの滝川さん。サーキットを走れるポテンシャルを作り込み、それをストリートにも生かす(単純な速さと言うより、しっかりコントロールできて楽しめることが主体)「しゃぼん玉ストリートスペシャル」という柱をカスタムのテーマに掲げ、各車両に合わせた提案を多く行っているということだ。

「このイエローボールのゼファー1100はまさにその路線に沿っています。もちろん公道でも使う車両ですので、そこにも配慮した構成としています。ロードゴーイングレーサーのイメージですね」(車両担当:中村さん)

画像1: 軽く取り回しやすくというセオリーを踏襲する

エンジンはφ75mmピストンでの1107cc化やカム変更、ミッション各ギヤのクリアランス調整と、しっかりした手が入る。車体系も前後17インチ鍛造ホイールを履いてステムをショートオフセット、スイングアームをGストライカーとし、ブレーキ系もゲイルスピードマスターやしゃぼん玉でオーダー可能なプラスμ特注ディスクにと強化していた。

鈴鹿サーキットも走るのでそれに向いたレーシーな性能や軽さを作り込みながら、前述のように各部でも、トータルでもコントロール性を高めるというパッケージ。

ここまでを早い段階で作った上で、今回はさらにシングルシート化し、アンダーカウルを追加している。低めに設定したハンドルバーはしゃぼん玉オリジナルのタッキーバーで、これにも理由がある。

画像2: 軽く取り回しやすくというセオリーを踏襲する

「サーキット仕様でならセパレートハンドルという選択もできますが、この車両はツーリングもよくするということで、どちらもこなせるポジションになるこのバーを選んでいます。当店でも20年以上、ゼファーやZRXでお勧めしています。この車両のように大きく手を入れた車両へのマッチングがいいようです。

カスタムパーツは皆さんも知っておられるようにメリット、デメリットがあります。それでオーナーさんの乗り方や目指すことに合わせるようにメリットを採った上で、全体がバランスするようにチューニング=調律します。オーナーと長い付き合いで走り方が分かる車両なら、よりそれが分かりますので、次への提案や、変更後の再調律も行ってまたお付き合いが続くという具合です。このバーハンドルはその一例でしょうか」

換装パーツの特徴を把握して、それが目的に合うかどうかも考えながら車両を構築してくれる。また一方で各部の劣化タイミング、それが来たときに新しいパーツも含めてのアドバイスもできるから、それも強みになってくる。この車両が説明だけでなく、見た目からも軽快なイメージになっているのはその反映というわけだ。

▶▶▶ヘリテイジ&レジェンズが取材した最新のカスタム・バイクはこちら!

Detailed Description 詳細説明

画像1: Detailed Description 詳細説明

フォークオフセットを純正40mmから5mm減らして純正のフロント18インチを17インチ化した際に適したトレール量を確保する、「しゃぼん玉ショートオフセットステムKIT」のTYPE2フラットタイプに「タッキーバー」を組み合わせて、低めかつ扱いやすいポジションを構築。エンジン回転計は純正ケース内にSTACK ST700SRを組み込んでいる。

画像2: Detailed Description 詳細説明

油圧式のクラッチはマスターシリンダーをゲイルスピード・エラボレートVRCに換装。フロントブレーキマスターもゲイルスピードVRCだ。

画像3: Detailed Description 詳細説明

ホイール換装等の本体構築は早くから行われ、今回ダブルシートからシングルシート化しテールカウルも変更した。カウルのサイドにLEDウインカーを備えている。

画像4: Detailed Description 詳細説明

ステップはナイトロレーシングで、ハンドル/シートと合わせてライディングポジションを決める。クラッチレリーズはウイリーでドライブチェーンはEK・ThreeD、サイドスタンドはしゃぼん玉オリジナルだ。

画像5: Detailed Description 詳細説明

ツインプラグの空冷4気筒エンジンは純正から1.5mm大径のワイセコφ75mmピストンで1107cc化し、カムをヨシムラST-1に変更。弱点と言われるミッションは修正と細かい調整を行って再組み立てしている。オイルクーラーはアクティブ・ラウンドタイプを使う。

画像6: Detailed Description 詳細説明

キャブレターはFCRφ39mmで、トップキャップとドレンボルトは赤仕上げ。内圧コントロールバルブのT-REVも備え、レスポンスを高める。

画像7: Detailed Description 詳細説明

フロントフォークはハイパープロφ43 AH1、フロントブレーキはディスカスティ6ピストンキャリパーをしゃぼん玉製サポートでマウントしプラスμ特注ディスクを組み合わせる。

画像8: Detailed Description 詳細説明

リヤサスはGストライカー・スイングアームにオーリンズ・レジェンドツインの組み合わせ。前後ホイールはアルミ鍛造のマルケジーニM10RSで[3.00-18/4.50-17→]3.50-17/5.50-17サイズを選択。

画像9: Detailed Description 詳細説明

リヤブレーキはディスカスティ4ピストンキャリパー+プラスμ特注ディスク。キャリパーサポートに見えるのはShabonDama S.S.=しゃぼん玉ストリートスペシャルのロゴプレート。

取材協力:しゃぼん玉 本店

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

▶▶▶ヘリテイジ&レジェンズが取材した最新のカスタム・バイクはこちら!

This article is a sponsored article by
''.