想像以上……新型『Vストローム800』のオンロード性能の話です。これはひょっとしたら『令和のリッターキラー』と言っていいレベルかもしれません!

とんでもねぇ!? Vストローム800の峠パワーが軽く引くレベル……

前回の【高速道路編】で感じた新型Vストローム800の違和感というか、体感よりもスピードが出てしまいがちになるフィーリング。それはどうやらワインディングにおいても適用されるようです。

それも、半端じゃないレベルで……

正直な話、想像をはるかに超えてきた。相当に走りのレベルが高いです。

高速道路を降りてからワインディングへ向かう途中にも『これはけっこう走れそうだな』と感じてはいましたけど、実際に峠区間へ入って“意識的に”スポーティさを引き出そうとしたら、化けた。

このバイク、峠でむちゃくちゃ強いかも!?

画像1: とんでもねぇ!? Vストローム800の峠パワーが軽く引くレベル……

ワインディングは高所だったし、冬なので路面温度もけっして高い訳ではありません。それに【変更点 編】でお伝えしたとおりの謎タイヤの装着。予測がつかない部分が多いので、最初は警戒しつつ走り始めたんです。

ブレーキの具合はどうかな? バンクさせた時の安定感は?ハンドリングは? イメージどおりの走行ラインをトレースできる?

画像2: とんでもねぇ!? Vストローム800の峠パワーが軽く引くレベル……

ひとつひとつ、自分の中のネガティブを潰していきます。

まずはハンドリング。これは思ったよりも軽快でした。当たり前だけどフロント21インチのVストローム800DEより軽く車体を振り回せる。いい感じ。

この軽い動きはタイヤのせいだけじゃなさそうだなぁ……と思って後でスペックを見たら、Vストローム800はフロントフォーク本体だけじゃなくキャスター角も違ってた。

画像3: とんでもねぇ!? Vストローム800の峠パワーが軽く引くレベル……

ちなみにキャスター角は26度。Vストローム800DEが28度だからスポーティに走らせようとした時に、軽快にバイクを寝かせていけると感じるのは当然です。

そしてですね、このキャスター角ですが、名車Vストローム650も同じく26度なんです。

ただ、Vストローム800はトレール量が124mmと長め(Vストローム650は110mm)なのでキャスター角が同じだからと言って『同じようなハンドリング』になる訳じゃないですが。

画像4: とんでもねぇ!? Vストローム800の峠パワーが軽く引くレベル……

それでも、そこはかとなく『Vストローム650に通じるもの』は感じます。だけど体感としてはVスト650よりも軽快。

まぁ、こういうのはタイヤの性格やらリア側のアライメント、新設計エンジンの前後長とか色んなものが複合的に絡み合ってくるのですが……Vストローム800DEの時にも感じたけど、本当にこのバイクのハンドリングは『謎』です。一回、車体設計の人を膝を突き合わせて話してみたい(笑)

画像5: とんでもねぇ!? Vストローム800の峠パワーが軽く引くレベル……

ちょっと小難しい話が挟まりましたが、次はバンクさせた時の安心感。

これに関して言うと『なにも考えずに走らせるだけ』ならVストローム650のほうが安心感は強いと思う。でも、ここ重要なのですがVストローム800は安心感のサジ加減が絶妙なんです。

Vストローム650のように鉄壁の安心感を感じる訳じゃないんですが、だからといって不安を感じることも無い。十分すぎるほどに前後タイヤの接地感があって、自信をもってコーナーへ飛び込んでいける。不足は感じません。

そして、外乱に対する収束の速さがとにかくスゴい……

画像6: とんでもねぇ!? Vストローム800の峠パワーが軽く引くレベル……

オンロード特性を引き上げるために採用されているSHOWA製フロントフォーク「SFF-BP」が良い仕事をするんです。

コーナー進入でブレーキを残しながら徐々に車体を寝かせ、曲げるポイントを狙いすましている時などに大きめギャップを踏むと、ライダーは瞬間的に「嫌な感覚」に囚われます。でもVストローム800は、その「嫌な感覚」を感じた半瞬後に『もう大丈夫。行っていいよ!』ってバイク側が返してくる。

復元力というべきか……峠ではかなり強い武器です。

画像7: とんでもねぇ!? Vストローム800の峠パワーが軽く引くレベル……

そして、ブレーキはコントロール性の塊みたいな印象。優秀なフロントフォークとの相互作用もあり、減速だけじゃなく、ブレーキリリースまでわずかに残す荷重コントロールまで普通にできる。サスがストロークしていることを感じたやすいのも好印象の一因だと思います。

ものすごく荒っぽくまとあめると『Vストローム650より軽快だけど、コーナリング中の安心感は必要にして十分以上』といったところ。

とまぁ、これだけの要素が揃えばですね……

画像8: とんでもねぇ!? Vストローム800の峠パワーが軽く引くレベル……

思いっきりいけるッ!

ネガティブ潰しの作業中にそこそこ温まったタイヤは接地感を一段増してきて、そりゃもう途中から笑っちゃうくらいにいけました。

ヤバいってコレ。笑いが止まらん。

画像9: とんでもねぇ!? Vストローム800の峠パワーが軽く引くレベル……

どんどんペースアップしたくなる。でも、それをしてもバイクが平気な顔でついてくる。

たぶん私(北岡)は、このVストローム800で今までで一番、新設計エンジンのパワーを堪能できたと感じています。ここ一発のスポーティさでは前後17インチホイールのGSX-8Sに敵わないかもしれませんが、走っていて純粋に楽しかった!

とはいえ、それはまだ「Vストローム800の本当の実力の半分くらい」のような気もします。でも自分的には満足。ていうかこれ、超上手い人が(トラクションコントロールOFFで)乗ったら、普通にコーナーの立ち上がりで前輪がリフトするんじゃないか?

画像10: とんでもねぇ!? Vストローム800の峠パワーが軽く引くレベル……

だってね、走りながら私が内心で思っていたのは『自分のバイク(隼)よりも上手に走れるかも……』ってことでしたし(笑)

仮に私が二人いて、愛車の隼(二代目)とVストローム800でワインディングを走っていたら、ひょっとしたら置き去りにされちゃうかも……なんて不吉な想像が頭をよぎったくらい。それほどにVストローム800は『スポーティさに安定感がある』んです。

かつてスズキには、私の中で『リッターキラー』として確立されていたGSX-S750という名車がありました。Vストローム800とGSX-S750は全然違うジャンルだし、走りの方向性も違うけれど、この2台にはすこしだけ同じ匂いを感じます。

(下に続きます)

このバイクにワインディングで遭遇したら警戒度は即MAX。油断は大敵。

じゃないと足元をすくわれかねない、恐るべき峠の伏兵。

エンジン最高出力82馬力。排気量は775cc。見た目は完全にアドベンチャーバイクだけど……

この走りは、本物だぞ?

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