2023年9月10日、MotoGP第12戦がイタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われた。ヨーロッパ連戦最後の1戦となる第12戦。チャンピオンシップリーダーのペドロ・アコスタ(Red Bull KTM Ajo )が直実にチャンピオンに向けて突き進む中、ランキング2位のトニー・アルボリーノ(ELF Marc VDS Racing Team)は苦戦が強いられている。アルボリーノにとって母国凱旋となる今大会。復調のきっかけにしたいところだが果たして。

C.ビエッティが母国でポールポジション獲得

画像: 今季着実に速さを取り戻しているビエッティ。Moto3時代から決まった時の速さは定評があり、決勝も優勝候補最有力となった。

今季着実に速さを取り戻しているビエッティ。Moto3時代から決まった時の速さは定評があり、決勝も優勝候補最有力となった。

日本勢では野左根と羽田がQ1に出走、またランキング2位のアルボリーノも初日にタイムを出すことができずQ1からの出走となった。セッション前半はボ・ベンスナイダー(Pertamina Mandalika SAG Team)が暫定のトップタイムをマーク。これがベンチマークになると思われたが、後半になってもベンスナイダーのタイムが更新されることはなく、セッションは終了。

ベンスナイダーがトップ、、2位にアルボリーノ、3位にマニュエル・ゴンサレス(Correos Prepago Yamaha VR46 MasterCamp)、4位にゾンタ・ファン・デン・グールベルク(Fieten Olie Racing GP)が入りQ2に進出。

日本勢は野左根が13位、羽田は16位に終わり、Q2進出とはいかなかった。

予選Q2ではソムキャット・チャントラ(IDEMITSU Honda Team Asia)やジェイク・ディクソン(Inde GASGAS Aspar Team)といった実力者の転倒が相次ぐ展開に。

転倒によって黄旗が掲示され、各ライダータイムを更新できない中、アコスタが暫定トップに浮上。しかし、好調のアコスタを上回ったのがセレスティーノ・ビエッティ(Fantic Racing)だった。

Q1を突破してきたマニュエル・ゴンザレス(Correos Prepago Yamaha VR46 MasterCamp)が1分36秒687をマークし暫定トップに。ただQ2に直接進出しているライダー達がすぐにタイムを縮め始め、暫定トップは1分36秒414を記録したビエッティは終盤にさらにタイムを更新し1分36秒201をマークし、ポールポジションを獲得した。2番手はアコスタ、3番手はゴンザレスが入っている。

Q2からの出走となった小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)はセッション序盤に記録した自己ベストを更新できず、セッション後半にかけてポジションダウン。Q2を13位で終え、決勝は中段グループからのスタートとなった。

画像: ランキングトップのアコスタが予選2位、ゴンザレスも3位に入り、今年は予選を中心に速さを示している。

ランキングトップのアコスタが予選2位、ゴンザレスも3位に入り、今年は予選を中心に速さを示している。

アコスタが完勝で今季5勝目!ライバルのアルボリーノは追い上げ4位でチェッカー

22周の決勝レースは、アコスタがスタートを決めトップでターン1へ侵入。ビエッティ(Fantic Racing)、アロン・カネット(Pons Wegow Los40)がアコスタを追う構図となり、早くも上位3台は後続を置き去りにしていく。

序盤からファステストラップを出し逃げにかかるアコスタ。ビエッティとカネットはアコスタを捕えるべくプッシュするも、8周目のターン14でカネットが転倒してしまう。これで優勝争いはアコスタとビエッティの一騎打ちとなった。

予選でポールポジションを獲得し、週末を通して速さを見せているビエッティはアコスタとの差を1秒以内まで詰めるも、そこから距離が縮まらない。しかし、ビエッティは中盤から後半にかけてアコスタに接近する。

しかし、このビエッティの接近でスイッチが入ったのかアコスタがさらにペースアップ。加えて、ビエッティのフロントタイヤは摩耗しており、ミスやコントロールを失いかける場面が多く見受けられ、アコスタとの差は一気に開いてしまった。

ライバルの追い上げが終わった後も、アコスタのラップは安定しており独走状態に。最終的にはビエッティに対し6秒もの大差をつけトップチェッカー。今季5勝目を挙げた。

アコスタを捕えることはできなかったが、ビエッティは2位表彰台を獲得、3位にはアロンソ・ロペス(+Ego SpeedUp)が入っている。9番グリッドからスタートしたランキング2位のアルボリーノは着実にポジションを上げ、4位でフィニッシュ。厳しいレースが続いていたが、母国イタリアで印象的な追い上げを見せてくれた。

日本勢は小椋が13位から大きく順位を上げ5位でフィニッシュ。羽田は19位、野左根は21位でゴールし、完走を果たしている。

次戦は初開催のインド、ブッダ・インターナショナル・サーキットが戦いの舞台となる。ヨーロッパラウンドは一旦終了し、グランプリはアジアへ移動。ここまではアコスタの強さが光っているが、アジアラウンドでもアコスタの好調は続くのか、はたまた流れが変わるのか。日本GPも含め、まだまだ見どころは満載だ。

画像: ハイペースかつ安定したラップを刻み、一切の隙を見せなかったアコスタが優勝。今季5勝目となった。

ハイペースかつ安定したラップを刻み、一切の隙を見せなかったアコスタが優勝。今季5勝目となった。

2023 Moto2 第12戦 決勝結果

画像: resources.motogp.com
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レポート:河村大志

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