2023年7月14日〜7月16日にイタリアのイモラ・サーキットでSBK(スーパーバイク世界選手権)2023年シーズンの第7戦が行われた。イタリア人ライダー、そしてドゥカティの母国戦であるイモララウンド。しかしレースを盛り上げたのは同じイタリアに本拠地を構えるPATA YAMAHA PROMETEON WORLDSBK、そして2021年のチャンピオンであるトプラク・ラズガットリオグルだった。

ヤマハワークスが善戦するもバウティスタがレース1を制す

画像: 好スタートを切ったロカテリとバサーニがレースをリードする。

好スタートを切ったロカテリとバサーニがレースをリードする。

第7戦の直前、7月13日に、FIMとドルナはドゥカティとカワサキのエンジン回転数の上限を調整すると発表した。

SBKではこれまでも、各チームのポテンシャルの均等化を図るべく、エンジン回転数の上限の制限が設けることでマシンの性能調整が行われてきた。

第6戦終了時点で、ドゥカティとアルバロ・バウティスタ(ARUBA.IT RACING)がシリーズを席巻。全18レース中16勝をマークしているため、第7戦を前にレブリミットの変更がもたらされた。ドゥカティのレブリミットは250rpm引き下げられている。

しかし迎えたレース1で速さを見せたのはやはりドゥカティとバウティスタのパッケージだった。

予選ではトプラク・ラズガットリオグル、アンドレア・ロカテリ(PATA YAMAHA PROMETEON WORLDSBK)とヤマハ勢がポールポジションと2番グリッドを独占。バウティスタは2列目4番グリッド、ジョナサン・レイ(KAWASAKI RACING TEAM WORLDSBK)は7番グリッドからのスタートとなった。

気温35度、路面温度58度と体力的に厳しいコンディションの中、19周で行われたレース1。スタートでは2番グリッドスタートのロカテリがホールショットを奪い、予選3番グリッドスタートのアクセル・バサーニが2番手に浮上しレースをリードする。

2周目のヴァリアンテ・アルタの進入でラズガットリオグルが2位に浮上すると、5周目の同じコーナーで僚友のロカテリをオーバーテイクしトップに浮上する。

3番手までポジションを上げたレイは8周目のターン13の立ち上がりで挙動を乱したバウティスタをオーバーテイクし2位に浮上。しかし同ラップの最終コーナーでバウティスタがレイを抜き返し2位を奪い返す。

レイとの2位争いを制したバウティスタはトップのラズガットリオグルに照準を合わせていく。しばしラズガットリオグルの背後で様子を見ていたバウティスタだったが、残り8周でトップに浮上。

トップに出てからは2位以下に3秒以上の差をつけたバウティスタがトップチェッカーを受け、今シーズン17勝目を挙げた。

2位にはポールスタートのラズガットリオグル、3位にはレイが入り、3メーカーが表彰台を分け合う格好となった。

画像: ドゥカティにとって母国戦であるイモララウンドでもバウティスタの強さは健在だった。

ドゥカティにとって母国戦であるイモララウンドでもバウティスタの強さは健在だった。

2023 スーパーバイク世界選手権 第7戦イモラ レース1結果

画像: 前戦ドニントン同様、レース1は3メーカーのエースが表彰台を分け合った。

前戦ドニントン同様、レース1は3メーカーのエースが表彰台を分け合った。

画像1: resources.worldsbk.com
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スーパーポールレースはラズガットリオグルがバウティスタとの一騎打ちを制し今季3勝目!

レース2の前に行われたスーパーポールレースは、気温32度、路面温度47度というコンディションの中、10周で行われた。

スタートでは、レース1同様、ロカテリがホールショットを奪い逃げにかかる。2位にはラズガットリオグル、以下バウティスタ、マイケル・リナルディ(ARUBA.IT RACING)、レイと続く。

7番グリッドスタートのレイはオープニングラップのヴァリアンテ・アルタでリナルディをパスし4位に浮上。その前ではラズガットリオグルとバウティスタによる2位争いが激しさを増していく。

レースの折り返し地点となる5周目、3位につけるバウティスタが動く。同ラップの最終コーナーでラズガットリオグルを攻略、続く6周目のタンブレロでトップのロカテリも立て続けにパスし一気にトップに立つ。 

このままバウティスタの独走になってしまうのかと思われたが、ロカテリを抜き2位に上がったラズガットリオグルがバウティスタを追い詰めていく。

そして残り2周で前に出ると、ファイナルラップではバウティスタの猛攻を防ぎきり、ラズガットリオグルが今季3勝目を挙げた。

画像: ファイナルラップではなく残り2周で前に出たラズガットリオグル。目論見通りバウティスタを押さえ込んだ。

ファイナルラップではなく残り2周で前に出たラズガットリオグル。目論見通りバウティスタを押さえ込んだ。

レース2は気温36度、路面温度59度と暑さの厳しいコンディションに。スーパーポールレース後、高温のためレース2は4周減算することが決定している。

15周で行われたレース2は波乱のスタートとなった。2番グリッドスタートのバウティスタがホールショットを決め、トップでターン1へ。しかし切り返しのターン2でまさかの転倒。フロントのグリップを失いスリップダウンしてしまったバウティスタは第2戦マンダリカのスーパーポールレース以来の転倒リタイアとなってしまった。

バウティスタの転倒によりヤマハワークスのワンツー体制に。3位にはレイがつけ、2位のロカテリに迫っていく。 

3周目、レイがロカテリがやり合う中、4位のアクセル・バッサーニ(MOTOCORSA RACING)がホームストレートで一気に2台をパスし2位に浮上。ペースの良いバッサーニはラズガットリオグルとの差を詰めていき、残り8周でトップに浮上する。

地元イタリアでの首位走行に沸くイモラだったが、ラズガットリオグルはタイヤマネジメントに入っており、無理することなくバッサーニとの差を詰めていく。

画像: 今季初の連勝を達成したラズガットリオグル。

今季初の連勝を達成したラズガットリオグル。

そして残り4周のリヴァッツァでバッサーニのインをついたラズガットリオグルがトップに再浮上。タイヤを温存していたラズガットリオグルはバッサーニとの差を拡げていき、余裕を持ってトップチェッカー。スーパーポールレースに続き優勝を果たしたラズガットリオグルは今季初の連勝達成となった。

2位には力強い走りを見せたバッサーニ、3位にはレイが入っている。未だランキングトップのバウティスタとランキング2位のラズガットリオグルとの差は大きいものの、両者のポイント差は70まで詰まっている。

次戦はチェコのモストで、7月28〜30日にかけて第8戦が行われる。

2023 スーパーバイク世界選手権 第7戦イモラ スーパーポールレース結果

画像: ケナン・ソフォーグルと写真におさまるスーパーポールレースのトップ3。

ケナン・ソフォーグルと写真におさまるスーパーポールレースのトップ3。

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2023 スーパーバイク世界選手権 第7戦イモラ レース2結果

画像: 今季レース2の表彰台の中央に初めてラズガットリオグルが立った。地元イタリアで2位に入ったバサーニはワークス入りに向けて良いアピールになった。

今季レース2の表彰台の中央に初めてラズガットリオグルが立った。地元イタリアで2位に入ったバサーニはワークス入りに向けて良いアピールになった。

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レポート:河村大志

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