D.ムニョスが自身初のポールポジション獲得
予選Q1には山中琉聖(Valresa GASGAS Aspar M3)、鳥羽海渡(SIC58 Squadra Corse)、古里太陽(Honda Team Asia)の3名がQ1から出走。Q1でトップタイムを記録したのはポイント獲得後勢いに乗る古里だった。フリー走行で転倒もあった鳥羽もQ1を4位で終えQ2に進出している。山中はラストアタックでタイムが伸びすQ1を11位で終えている。
Q2にはポールポジション争い常連の佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)も出走。セッション前半には5位につけ、鳥羽も6位でセッションを折り返す。
Q2後半で佐々木がさらにタイムを更新し暫定トップに立つ。しかし、ダビデ・ムニョス(BOE Motorsports)がレコードタイムを更新する1分41秒181を記録しトップに浮上。さらにジョエル・ケルソ(CFMOTO Racing PruestelGP)、リカルド・ロッシ(SIC58 Squadra Corse)も佐々木を上回り、予選が終了。ムニョス、ケルソ、ロッシの3名がフロントローを獲得した。ムニョスは自身初のポールポジション獲得となった。
佐々木は4位で予選を終了。鳥羽は7番手、古里はノータイムで18番手で予選を終えている。
J.マシアが今季初優勝!佐々木は連続表彰台獲得
決勝も天候は快晴、気温は28度、路面温度が38度というドライコンディションで行われた。全20周の決勝は、ポールポジションスタートのムニョスがホールショットを奪い、ケルソ、ロッシ、佐々木、マシアらが先頭集団として周回していく。
オープニングラップでランキングトップのオルガドがまさかの転倒。レースには復帰するも、厳しいレース展開となってしまった。ムニョスが先頭でレースを引っ張るも、ペースが上がらない。そんな中、マシア、佐々木、デニス・オンジュ(Red Bull KTM Ajo)といったランキング上位勢が先頭に出たことで、徐々に先頭集団の台数が減っていった。
そこにロングラップペナルティで出遅れていたイヴァン・オルトラ(Angeluss MTA Team)がファステストラップを連発し、先頭集団に加わる好走をみせる。オルトラのチームメイトのステファノ・ネパ(Angeluss MTA Team)も残り5周まで先頭を走るなど2台揃って優勝争いに絡んでいく。
残り3周になるとバトルはさらに激しくなる。そんな中、先頭集団での後方に位置していた佐々木は4位まで浮上。さらにファイナルラップには2位まで上がり、トップのマシアを追う。
後半セクションの高速コーナーで佐々木はマシアを捕らえトップに浮上。しかし最終シケインのブレーキングでインをついたマシアがトップでチェッカーフラッグを受け、今季初優勝を挙げた。佐々木は惜しくも2戦続けての2位表彰台獲得、好成績も優勝が目の前だっただけに悔しいレースとなった。3位には前戦優勝のオンジュが入っている。
今回のオランダGPでポイントリーダーのオルガドがノーポイントに終わったため、ランキング2番手のマシアとの差が16ポイント、ランキング3番手の佐々木とは26ポイント差まで縮まっている。
その他日本人ライダーは、鳥羽が11位、山中が15位でポイントを獲得、古里は17位でレースを終えている。
2023 Moto3 第8戦 決勝結果
次戦は伝統あるイギリス・シルバーストン・サーキット
サマーブレイク明けの後半戦初戦となる第9戦イギリスGPは、伝統のシルバーストン・サーキットで行われる。
アベレージスピードが速く全長が長いサーキットであるシルバーストンは、スリップストリームのの使い合いとなるため、毎年激しいバトルが繰り広げられる。
昨年はデニス・フォッジアとマシア、そしてオンジュが表彰台を獲得した。一方、今季ランキング上位にいるオルガド、佐々木、オルトラがリタイアしており、ノーポイントに終わっている。
チャンピオン争いが混戦となっているMoto3クラスにおいて、夏休み明けの1戦はとても重要となる。これまでオルガドが抜群の安定感を誇ってきたが、佐々木、オンジュ、オルトラといったライバル勢は流れを変えたいはずだ。
これまでの流れが続くのか、それとも変わるのか。1ヶ月後の第9戦に注目だ。
レポート:河村大志