2023年6月25日、MotoGP第8戦がオランダのTTサーキット・アッセンで行われた。歴史と伝統のダッチTTで新たなウィナーが誕生した。ジェイク・ディクソン(Inde GASGAS Aspar Team)がMoto2クラスで初優勝を挙げたのだ。感動的な瞬間となった第8戦だが、これまで苦戦を強いられてきた小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)も今季初の2位表彰台を獲得し、我々日本人にとっても嬉しい結果となった。

A.ロペスがポールポジション!小椋藍はフロントロー3番グリッド獲得

画像: ラストアタックでポールポジションを獲得したロペス。

ラストアタックでポールポジションを獲得したロペス。

予選Q1には羽田太河(Pertamina Mandalika SAG Team)が出走。タイムを詰めていくも、セッション後半でタイムを更新することができず、Q1を13番手で終えている。

FP3でトップタイムを記録した小椋がポールポジションを競うQ2でも速さを見せる。セッション前半では暫定のトップタイムをマークする。

セッション後半では、初日総合トップのディクソンが1分36秒256をマークし、暫定トップへ。

ラストアタックではここまで鳴りを潜めていたアロンソ・ロペス(Beta Tools SpeedUp)が一気にタイムを詰めトップタイムをマーク。各ライダー最後のアタックをするも、ロペスのタイムは更新されることはなく、ロペスのポールポジションが確定した。

2位にはディクソン、3位には小椋が入り、今季初の予選トップ3に入った。

画像: 怪我の影響で出遅れてしまった小椋だが、今季初のフロントロー獲得となった。

怪我の影響で出遅れてしまった小椋だが、今季初のフロントロー獲得となった。

J.ディクソンがキャリア初優勝!小椋は復活の2位表彰台を獲得

画像1: J.ディクソンがキャリア初優勝!小椋は復活の2位表彰台を獲得

22周の決勝レースは、ポールシッターのロペスが好スタートを切り、序盤からハイペースで逃げにかかる。3番手スタートの小椋はスタートでディクソンを抜き2位に浮上。

小椋とディクソンはバトルを行なわず、トップを独走するロペスを追う。そして6周目にペースが落ちてきたロペスに接近。さらに4位のペドロ・アコスタ(Red Bull KTM Ajo)も加わり、トップ集団は4台で構成される。

残り10周となった1コーナーで、前の周に小椋をパスし2位に浮上していたディクソンがロペスをオーバーテイク。ロペスは小椋とアコスタにも続けざまに追い抜かれてしまい、一気に後退してしまう。

トップに立ち、逃げ切りたいディクソンだったが、 残り8周のターン5でラインが膨らんでしまい、小椋に隙をつかれ2位に後退。さらに同じ周の最終シケインでバランスの崩したアコスタを避けるべく失速したことにより、小椋とディクソンとの差は1秒にまで拡がった。

しかし、今週末調子の良いディクソンはペースを上げ、小椋との距離を詰めていく。そしてディクソンは残り2周のターン1で小椋のインに飛び込み、トップに浮上。そのまま逃げ切ったディクソンがトップチェッカーを受け、Moto2初優勝を達成した。

2位には小椋が入り、今季初の表彰台を獲得。開幕前に負った怪我の影響もあり、苦戦が強いられていた小椋だったが、夏休み前に今季ベストリザルトを記録。後半戦に向けて復調のきっかけを掴んだと言える。

アコスタはトラックリミット違反によるロングラップペナルティを科せられたものの、3位を死守し表彰台を獲得している。

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2023 Moto2 第8戦 決勝結果

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次戦は1ヶ月後のイギリス・シルバーストンサーキット

画像: 昨年は手に汗握る優勝争いが繰り広げられたイギリスGP。 www.motogp.com

昨年は手に汗握る優勝争いが繰り広げられたイギリスGP。

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1ヶ月のサマーブレイクを挟み、8月6日にグランプリが再開する。次戦はイギリスのシルバーストンサーキットが戦いの舞台となる。

高低差が少なく、様々なコースがバランスよく配置されており、セッティングが難しいサーキットであるシルバーストン。チャレンジングなサーキットで昨年もアウグスト・フェルナンデスとアロンソ・ロペスが接近戦を演じており、手に汗握る優勝争いも記憶に新しい。

今シーズンはアルボリーノとアコスタによるチャンピオン争いが繰り広げられているが、第8戦でポールポジションを獲得したロペスや速さを取り戻した小椋、サム・ロウズなど強力なライバル達も優勝争いに加わってくるだろう。

夏休み明けにスタートダッシュを決めるのはどのライダーになるのだろうか? 間違いなくチャンピオン争いを左右するレースになるだろう。

レポート:河村大志

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