D.オンジュが初日、2日目を完全制覇しポールポジション獲得
土曜日に行なわれた予選。Q1には古里太陽(Honda Team Asia)と山中琉聖(Valresa GASGAS Aspar M3)が出走した。山中はQ1で常にQ2進出圏内の4位以内に名を連ねるも、最終的にQ1を7位で終えQ2進出とはならなかった。
一方、なかなかタイムを上げることができなかった古里だったが、ラストアタックで一気にタイムを詰めQ1を2位に食い込み、見事Q2進出を決めている。
Q2では初日総合トップに立ったオンジュが圧倒的な速さを披露。1キロを超えるホームストレートをもつムジェロでは、各車ライバルのスリップを使ってタイムを縮めていく中、オンジュは単独で自身のタイムを更新していく。
最終的に2位にコンマ5秒もの差をつけたオンジュがポールポジションを獲得。2位にはQ1をトップで通過したジョエル・ケルソ(CFMOTO Racing PruestelGP)が続き、佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)が3番グリッドを獲得している。
Q2に進出を果たした古里が13位、鈴木竜生(Leopard Racing)が17位、Q2でハイサイドを喫してしまった鳥羽海渡は18番グリッドから決勝に臨む。
展開を読み切ったオルガドが接近戦を制し今季3勝目
17周の決勝レースは、ポールポジションのオンジュが先頭でターン1に進入。ペースのあるオンジュが前に出たことで、早くも隊列は縦長に拡がっていく。レース序盤にも関わらず先頭集団は5台のみで形成されバトルが繰り広げられた。
先頭を入れ替えながら周回する先頭集団は5台のままファイナルラップに突入。前半セクターでトップに出たオンジュがラストスパートをかけ、わずかではあるがギャップを作りトップで最終コーナーに突入。
しかし最終コーナーからの立ち上がりでオンジュのスリップストリームを使ったオルガドが、フィニッシュライン手前ギリギリでオンジュを逆転し優勝。Moto3クラスらしい最後の最後までわからないバトルを制したオルガドが今季3勝目を挙げた。2位はまたしても初優勝を阻まれたオンジュ。佐々木は混戦の中3位を獲得し、第5戦に続き表彰台を獲得した。
鳥羽海渡(SIC58 Squadra Corse)はポジションをあげ10位、山中琉聖(Valresa GASGAS Aspar M3)がなんとか15位に入り1ポイントを獲得している。第2グループでレースを進めていた古里と鈴木は最終ラップに転倒を喫してしまい、無念のノーポイントでレースを終えている。
2023 Moto3 第6戦 決勝結果
次戦はテクニカルなドイツ・ザクセンリンク・サーキット
3連戦の2戦目はドイツのザクセンリンクで行なわれる。カレンダーでは数少ない反時計回りのサーキットで、高速コーナーが多いムジェロとは対照的に、コース全長は短く、低速コーナーで繋いだテクニカルなコースだ。
Moto3クラスでは10台以上による優勝争いもよく起こるサーキットでバトルの駆け引きが上手いライダーが有利になる。難しいサーキットだが、日本人ライダーはここザクセンリンクで好成績を収めていることが多く、鳥羽は表彰台に登っており、鈴木や佐々木もシングルフィニッシュを果たしている。レースを重ねるたびに調子を上げてきている日本人ライダーたちに今年も期待したいところだ。
レポート:河村大志