我流で手を尽くしたことが今に至るカスタムの下地に

今ではドラッグレース関連で名前を聞くことが多いレッドモーターだが、じつは中古車販売から日常整備までと、守備範囲の広いショップだ。そしてこの車両を作った1993年頃はロードレースにも積極的だった。

このRZはそんな同店がリヤサスをカンチレバー式からリンク式に変更した上で当時のTOF=テイスト・オブ・フリーランス(現TOT)に参戦。多くの仕様変更を行っていく中で上位を走るようになったものだ。同店・中村さんは当時の経緯をこう言う。

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「お店で車両販売を始めて少し経った頃でした。雑誌でリヤをリンクサス化したRZを見かけたんです。“リンク、付くんだ”なんて、自分にもやる気が出た。RZは10代の頃から好きでしたから。

ただ、参考にできるのはそれだけ。ほかはインターネットも何もなかったですから、我流。同じヤマハでリンク式だからってFZR400だかの足まわりを持ってくるんですけど、スイングアームも長さや幅が合うか分からないし、まず合わせて足りなければ足す、長ければ削るってやってました。ショックの位置も寝てるのから立てて、エンジン後ろにショックマウントを作らないといけないんですけど、最初はどこに作っていいか分からないから、リヤショックだけ空中に立ててあれこれ考えたりしました(笑)。

そのマウントも最初は手でコの字に曲げたプレート。それじゃ強度も精度もダメだって、図面をちゃんと描いて業者さんに頼んで形にしました。そんなことを何台もやるうちに勘どころが掴めてきた。でもまだ付けるだけでしたから、サーキットで試そうとなったんです。そこでちゃんと走れば確かな裏付けになる、それがこの車両でのTOF参戦でした。最初はフロントフォークも倒立。なかなかウォブルが止まらなかったのですが、ある日ライダーからの話でこれを正立に換えてみたら、ピタリと止まって上位を走れたんです。街中でも大丈夫で、いけると思いました」

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まさにトライ&エラー。この車両で見られたような発想や試す力、解決力といったノウハウは、今のレッドモーターの幅広い車種へのカスタムの対応力や、初めて見るようなチューニングにも問題なく対応していけるといった応用力につながっているのだ。

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Detailed Description 詳細説明

画像1: Detailed Description 詳細説明

φ41mmフロントフォーク/バーハンドル対応で後方排気TZR用ステアリングステム/フォークにボルトオンできることからトップブリッジはXJR400。POSHアルミハンドルバーは角度が15/16/17.5/29度など豊富に用意されたレッドモーターのハンドルポストアタッチメントでマウントされる。フロントマスターシリンダーはヤマハ系の純正流用。紫×黄色系のカラーは当時AMAスーパーバイクで活躍したバンス&ハインズヤマハのイメージだ。

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エンジンは排気デバイスYPVSを備えるRZ350R用に換装、さらにワイセコφ66mmピストンで369cc化が図られている。キャブレターはケーヒンPWKφ28mmを装着する。

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ラジエーターの左上部にYPVS駆動モーターをマウント。メインハーネス自体はRZの純正品だが、これを加工してYPVS用配線を追加している。ラジエーターは'90〜'93NSR250Rのラウンドタイプで容量をアップするなど、車体のあちこちに多彩な工夫も見られるのだ。

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φ[STD:32→]41mmフロントフォークや[1.85-18→]3.00-17インチホイールは‘89TZR250流用。ニッシンの4ピストンキャリパーは'89年型TZ250用を使う。

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リヤはショックと[STD:1.85-18→]4.00-18インチホイールが'89TZR250で、スイングアーム/リンクが'86-'87FZR400用。スイングアームとフレームがきっちり収まるようにピボット幅を加工、またフレームにはショックアッパーブラケットを追加している。ステップはレッドモーター製だ。

取材協力:レッドモーター

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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