2023年5月5日〜7日にスペインのカタルニア・サーキットでSBK(スーパーバイク世界選手権)2023年シーズンの第4戦が行われた。今シーズン無類の強さを誇るドゥカティのアルバロ・バウティスタ(ARUBA.IT RACING)が第3戦に続き完全優勝。地元スペインでハットトリックを達成した。2024年まで契約を延長したバウティスタはSBK最年長ながら、高いパフォーマンスを発揮し、環境にも恵まれている。今回の契約更改も追い風になったのではないだろうか。

熾烈な2位争いをよそにA.バウティスタが独走優勝

画像1: 熾烈な2位争いをよそにA.バウティスタが独走優勝

決勝レース1は、気温28度、路面温度48度のドライコンディションの中、20周で行なわれた。ポールスタートのバウティスタがトップを死守したまま1コーナーへ入り、レースをリード。しかし、2周目にエリック・グラナド(ホンダ)が転倒するアクシデントが発生し、赤旗が出てレースは中断。レースは17周で再スタートとなった。

再スタートも好スタートを決めたバウティスタがレースをリード。2番手にはバウティスタのチームメイトであるマイケル・リナルディ(ARUBA.IT RACING)、3番手にアンドレア・ロカテッリ(PATA YAMAHA PROMETEON WORLDSBK)が続く。

再スタート直後のバックストレートエンドで、ロレンツォ・バルダッサーリ(GMT94 YAMAHA)とスコット・レディング(ROKIT BMW MOTORRAD WORLDSBK TEAM)が転倒、さらに2位争いを繰り広げたリナルディとアクセル・バッサーニ(MOTOCORSA RACING)が接触しリナルディが転倒するなどリタイアの多いレースとなった。また、リナルディを転倒させたとして、バッサーニにはロングラップペナルティが科された。

そんな激しいバトルをよそに、後続に大差をつけたバウティスタが優勝。2位にはジョナサン・レイ(KAWASAKI RACING TEAM WORLDSBK)との一騎打ちを制したトプラク・ラズガットリオグル(PATA YAMAHA PROMETEON WORLDSBK)が入っている。

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2023 スーパーバイク世界選手権第4戦カタルニア レース1結果

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コンディションの変化があった日曜日もA.バスティスタに死角なし

画像1: コンディションの変化があった日曜日もA.バスティスタに死角なし

日曜日の午前に行なわれたスーパーポールレースは気温19度、路面温度25度、曇り空ながらドライコンディションでスタート。10周の超スプリントバトルが展開された。

レース1同様、ポールポジションからスタートしたバウティスタがレースをリード。バウティスタが逃げる中、激しいバトルが繰り広げられたのは2位争いだった。ラズガットリオグルがレイ、リナルディを抜き2位に浮上。3台による接戦が行われる中、残り3周となった終盤に雨が降り始める。

雨の影響なのか、2位争いを繰り広げていた名手レイがファイナルラップでまさかの転倒。1コーナーのブレーキングでスリップダウンしたレイは転倒リタイアに終わり、2位にラズガットリオグルが入った。

画像2: コンディションの変化があった日曜日もA.バスティスタに死角なし

3位はリナルディが獲得するかと思われた中、ファイナルラップのターン10でロカテッリがリナルディをオーバーテイクし3位を獲得。ヤマハワークスは2-3という結末となった。

一度も先頭を譲らなかったバウティスタはスーパーポールレースでも優勝。午後に行われるレース2のポールポジションも獲得した。

画像3: コンディションの変化があった日曜日もA.バスティスタに死角なし

決勝レース2は、気温23度、路面温度34度、曇り空だがドライというコンディションで20周で争われた。

3度ホールショットを決めたバウティスタがトップで1コーナーをクリアするも、オープニングラップのターン5でバウティスタを捕らえ、トップに浮上。序盤から前に出て抑え込む作戦だったラズガットリオグルだったが、2周目のストレートでバウティスタが持ち前のストレートスピードを活かしトップを奪取する。

前に出て終えばライバル勢は為す術無し。周回するごとに後続とのタイム差を拡げていったバウティスタはそのまま独走しハットトリックを達成。母国スペインでも完全優勝を成し遂げたバウティスタは、シーズン序盤にも関わらずランキングでも69ポイント差という大差をつけている。

アレックス・ロウズ(KAWASAKI RACING TEAM WORLDSBK)、リナルディ、ラズガットリオグルの3台が2位争いと展開。6周目のホームストレートエンドでロウズを捉えたラズガットリオグルは3位に浮上。2位走行中のリナルディを捕らえるべくプッシュするラズガットリオグルは、2秒差あったギャップを縮めていき、レース最終盤でついにリナルディをキャッチアップ。

ライバルを目の前に捕らえたラズガットリオグルはファイナルラップの最終コーナーでリナルディをパスし2位表彰台を獲得するという劇的な展開となった。また、このラズガットリオグルの2位表彰台は、ヤマハにとってSBK通算400回目の表彰台というメモリアルなものでもあった。

最後の最後にペースが落ちてしまい、3位でのゴールとなったリナルディ。チームメイトのバウティスタとは対照的に苦戦が続いたリナルディだったが、今大会では安定して上位につけており復調をアピールしたといえるだろう。

バウティスタが1年契約を延長した中、ドゥカティワークスのもう一つのシート争いが水面下で動き出しているはずだ。サテライトのバッサーニが成績を残しているため、プレッシャーのかかるシーズンとなるリナルディ。来季に向けて成績が求められる状況が続くリナルディにも注目だ。

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2023 スーパーバイク世界選手権第4戦カタルニア スーパーポールレース結果

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2023 スーパーバイク世界選手権第4戦カタルニア レース2結果

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レポート:河村大志

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