現代車でも旧車でも狙うポイントは同じ

トルクと回転をバランスさせた並列3気筒845ccエンジンとアルミダイキャストフレームを組み合わせ、モタード車のような自在感を味わえるスポーツモデルとして2014年に登場したヤマハMT-09。2017年にはアシスト&スリッパークラッチやLED灯火類を採用してフェイスチェンジする。

また2021年には初のフルチェンジを受けた。6軸IMU(慣性計測装置)搭載で電子制御を強化し、ストロークアップによるエンジンの888cc化やフレームを新型軽量タイプとし、鋳造で鍛造並みの強度を出すスピンフォージドホイールの採用なども行って、189(SPで190)kg、120psという軽量高出力でかなり突き詰めた性能を得ている。

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改めて現代車の進化にうなずかされるが、さらにその先も狙おうとしているのがこの車両だ。’21年型のMT-09SP(KYB製フロントフォークのインナーチューブにDLC加工を追加しリヤにオーリンズショックを採用した仕様)をベースに、しゃぼん玉が手を入れた。

「ノーマルの説明通りに元々オフロード車みたいに軽いですし、3気筒エンジンはパワーもあります。でも、市販車が進化するのと同様にアフターパーツも進化しています。ですからその機能を取り込んで、もっと軽くもできますし、操作系のタッチなどを高めることができます。この車両ではそうした部分を中心に手を入れています」

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担当した中村さんはこう答えてくれる。フロントマスターシリンダーをゲイルスピードVREに換装したりハンドルバーを変更したり、ブレーキキャリパーをゲイルスピード・ラジアルマウントにしたのはその一環。さらにホイールもロトボックス・カーボンにして一層の軽さも演出する。

ゼファー1100/750やZRX1100/1200/DAEG、GSX1100SカタナやGPZ900Rニンジャなどオーセンティックな車種を手がける印象が強いしゃぼん玉だが、同店で扱っている多くのパーツのそれぞれについてきっちり知り、車両に生かしていくという特徴は現行車に対しても同じく適用される。何より先述の操作感や軽さ、加えて全体としてのルックスが良くなれば乗って、所有しての楽しさも増す。それをきっちり反映した1台でもあるのだ。

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テーパーハンドルバーは炭素鋼にカーボンパターンを施した軽量高強度のDimotiv DI-28H90W725-CN(単品重量は約530g)に換装する。

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フロントマスターはゲイルスピードVREでピボットピンはしゃぼん玉オリジナルのチタン製。バーエンドにはモトガジェット製ウインカーを装着。

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クラッチホルダーもゲイルスピードに換装。機能面だけでなく色(ここでは黒の色味)も合わせているのはしゃぼん玉らしいところだ。

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リヤウインカーはアクティブのナンバーホルダーサイドタイプでテールをすっきりさせる。外装やブラックのフレームは'21年型MT-09SP純正だ。

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888ccの水冷DOHC4バルブ並列3気筒エンジンやラジエーターまわりは純正で、フレームスライダーはアグラス製ブラックを装着する。

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ステップもアグラスのブラックに換装。アルミビレットのベースプレート/ステップバーによる剛性アップでダイレクトな操作感も得られる。

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DLCコーティングが施されたφ41mm倒立KYBフロントフォークはMT-09SPの純正仕様。フロントブレーキキャリパーはゲイルスピード・ラジアル4Pで、フロントディスクはしゃぼん玉オリジナルによるプラスミュー特注品を使う。既製品がない場合にはこうした依頼も可能だ。

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リヤブレーキやオーリンズリヤショック、アルミスイングアームはMT-09SP純正をそのまま使う。マフラーはチタン製に置換して軽量化を果たす。

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チョップドカーボンと織りカーボンのシームレス混成モノコックで大幅に軽量化されたホイールは、スロベニアのロトボックス・バレット(3.50-17/6.00-17サイズ)だ。

取材協力:しゃぼん玉 本店

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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