MotoGP世界選手権2023年シーズンの開幕戦まで約1カ月となった。2023年2月20日、ついにホンダのワークスチームであるRepsol Honda Teamがローンチイベントを開催し、今季型「RC213V」を発表した。

「RC213V」は今季もお馴染みのカラーリングに

画像: 2023年型「RC213V」。

2023年型「RC213V」。

2023年2月22日、ホンダのワークスチームであるRepsol Honda Teamがスペインのマドリードでローンチイベントを開催した。お披露目された今季型「RC213V」には、今年もメインスポンサーのレプソルカラーが施されていた。

ロードレース世界選手権におけるホンダのワークスチームと欧州を代表する総合エネルギー企業レプソルとのパートナーシップは1995年から続いており、2024年まで契約が更新され、少なくとも来年までこのカラーリングが続く予定だ。

カラーリングに大きな変更はないが、23年型は昨年に比べフロント周りが小ぶりになった。昨年、途中から採用されたシートカウルのウイングは最初から採用されている。

自社開発にこだわっているホンダが2022年シーズン途中でカレックス製のスイングアームをテストしたことは驚きを持って報道されたが、今年は自社製のスイングアームを採用されているのではないかと言われている。

画像: アクラポビッチ製のエキゾースト。シートカウルにはウイングが採用されている。

アクラポビッチ製のエキゾースト。シートカウルにはウイングが採用されている。

また、今年からイタリアのSC-Projectからアクラポビッチ製のエキゾーストシステムに変更している。

チャンピオン経験者2人を揃えたホンダワークス

画像: M.マルケス(左)とJ.ミルのチャンピオンコンビが誕生!

M.マルケス(左)とJ.ミルのチャンピオンコンビが誕生!

2020年以降、チャンピオンから遠ざかっているホンダワークス。その大きな要因はやはり、絶対的エースであるマルク・マルケスの大怪我による長期離脱と言えるだろう。とはいえ、昨年はホンダ全体として苦しんだ1年でもあった。

長く頂点に君臨し続けてきたホンダワークス。いるべき場所に戻るべく、最高峰クラスでのチャンピオン経験者2人を揃えてきた。

1人目はもちろんこの人。2013年に同チームから最高峰クラスにデビュー、いきなりチャンピオンを獲得し、若くして最高峰クラスで6度の世界王者となったマルク・マルケスだ。デビューした2013年から2019年までの7年間で6度のタイトルを獲得し、無敵の強さを誇ったホンダのエース。

画像: 完全復活を狙うM.マルケス。

完全復活を狙うM.マルケス。

しかし2020年に右上腕骨を骨折する大怪我を負い、計4回の手術を行うなどここ数年は万全の状態で戦えなかった。しかし4回目の手術も成功し、リハビリを経てトレーニングを再開、昨年の第15戦から復帰し勘を取り戻しつつある。

体調をほぼ万全に整えたマルケスだが、ここ数年低迷していたホンダのポテンシャルがどのくらい良くなっているのかにも注目したいところ。マルケス自身、ホンダと共に上位に戻る決意を口にしており、やる気も十分だ。しかし逆を言えば、マルケスのこの熱い想いにホンダが応えられなければ、今後両者が共に戦わなくなる日が来るかもしれないということだ。ホンダとマルケスは2024年まで契約を結んでいるが、今後の将来を考えると間違いなく今季の成績は重要になってくるはずだ。

そして今年からホンダワークス入りを果たしたのが、昨年までスズキのワークスチームで戦っていたジョアン・ミルだ。2017年にMoto3でチャンピオンに輝いたミルは2019年に最高峰クラスにデビュー。2020年には1勝ながらコンスタントにポイントを積み重ね、MotoGPクラス2年目ながらチャンピオンを獲得した。

画像: 今季からRepsol Honda Teamに加入したJ.ミル。

今季からRepsol Honda Teamに加入したJ.ミル。

デビューから共に戦ってきたスズキのワークスチーム「Team SUZUKI ECSTAR」の撤退に際し、今シーズンからホンダに移籍。Repsol Honda Teamでマルケスのチームメイトとして今シーズンを戦う。

これまでマルケスのチームメイトだった、ポル・エスパルガロやホルヘ・ロレンソといった前任者はホンダで苦戦を強いられてきた。しかしミルは公式テストを終えて、自身のフィードバックとマルケスの意見に大きな違いがなかったことがポジティブだったと語っている。

実際3日間で行われたセパンテストのコンバインドタイムを見ても、マルケスとミルのタイム差は0.131であり、両者のライディングスタイルはそれほど違いがないのではないだろうか。

テストではイタリアンメーカーの速さが目立つ結果になってしまったが、昨年までなかなか見れなかった2台揃っての上位進出が期待できるかもしれない。多くの可能性、そして期待をしてしまう今年のRepsol Honda Teamからは目が離せない!

レポート:河村大志

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