ダンロップ・オートバイ杯ジムカーナ、今シーズンの最後を飾る第5戦が、茨城県下妻市の筑波サーキット ジムカーナ場で2022年10月23日に開催された。この日は秋らしい好天に恵まれ、絶好のコンディションの中、各クラス合計175台がエントリー。まずは最終戦までチャンピオン争いがもつれ込んだ、最高峰クラスであるA級のアタックの様子からレポートする。

A級1位 冨永崇史選手&NSR250R / 1分15秒500

画像1: A級1位 冨永崇史選手&NSR250R / 1分15秒500

この最終戦で現実的にチャンピオンの可能性を残していたのは、ディフェンディングチャンピオンでランキングトップの冨永選手&NSR250Rと、2位の吉野選手&CRF450X。2人とも勝てば文句なしにチャンピオン、とにかく相手より速く走ることが条件だ。そんな中、A級の第1ヒートのアタックは1分18秒台前半から17秒台後半の争いとなっていた。しかし、最終アタッカーである冨永選手は、そのタイムをあっさりと破り、一気に1分15秒500という驚異的なタイムを叩き出して暫定トップ。

画像2: A級1位 冨永崇史選手&NSR250R / 1分15秒500

「今日も調子はいいです。新しいQ5にマシンも走りも上手く合わせられてて。でも第2ヒートが終わるまでは、とにかくドキドキするんです。本当に早く終わって欲しい。まあ、吉野選手に逆転されたってランキング2位だから上出来だ、と思って気楽に行きますよ」と語っていたが、第2ヒートでは冨永選手のアタックの前に走った吉野選手も逆転できず、その時点で今シーズン4勝目とチャンピオンは確定。第2ヒートのアタックは、結局自己タイムに僅かに届かない1分15秒515だったが、圧倒的な速さを見せつけた。冨永選手は2007年に初タイトルを獲得してから、これで10度目のチャンピオン獲得となった。

A級2位 廣瀬 章選手&NSR250R / 1分17秒050

画像: A級2位 廣瀬 章選手&NSR250R / 1分17秒050

今回A級の2位以下は1分17秒台の中で僅差の大激戦となった。その中で抜け出して見事に2位となったのは、ベテランのNSR使いである廣瀬選手&NSR250R。第1ヒートでは1分18秒142で暫定5位。第2ヒートで先にアタックした木村選手に逆転されたものの、渾身の走りでそのタイムを0.004秒上回って再逆転を決めた。

A級3位 木村健太選手&NSR250改 / 1分17秒054

画像: A級3位 木村健太選手&NSR250改 / 1分17秒054

ジムカーナJAPANでもA級3位となった木村選手&NSR250改が、2戦連続となる3位入賞。第1ヒートは1分18秒661をマークしていたが、ペナルティによる1秒加算を受けて暫定15位。しかし第2ヒートでは完璧なアタックを決めて一気に1分17秒054までタイムを短縮。冨永選手に次ぐ2位に浮上したが、廣瀬選手に超僅差ながら交わされて3位となった。

A級4位 中嶋秀和選手&TZR250R / 1分17秒109

画像: A級4位 中嶋秀和選手&TZR250R / 1分17秒109

3位の木村選手から約0.05秒遅れて4位となったのが中嶋選手&TZR250R。「悔しいけど、とにかく冨永選手が速い! 17秒は出せると思ってたし、実際に出せたけど、自分は15秒台で走れる気がしない。いやー、来年に向けて課題が山積ですよ」と悔しさ一杯のコメントを残した。

A級5位 岡村拓哉選手&DR-Z400SM / 1分17秒259

画像: A級5位 岡村拓哉選手&DR-Z400SM / 1分17秒259

5位に入賞したのは岡村選手&DR-Z400SM。第1ヒートは1分19秒251で暫定14位だったが、第2ヒートでは一気に2秒タイム短縮を果たして、1分17秒259を記録して大きく順位を上げている。

A級6位 三崎雅也選手&DR-Z400SM / 1分17秒456

画像: A級6位 三崎雅也選手&DR-Z400SM / 1分17秒456

6位は岡村選手からおよそ0.2秒話された三崎選手&DR-Z400SM。ジムカーナJAPANでも5位に入った速さを維持し、第1ヒートのアタックでは1分18秒061で暫定4位という好位置につけた。第2ヒートでも1分17秒456にまでタイムを削ったが、同じDR-Zを駆る岡村選手に逆転を許した。

A級7位 吉野 昇選手&CRF450X / 1分17秒473

画像: A級7位 吉野 昇選手&CRF450X / 1分17秒473

ここで勝てば冨永選手を抑えてチャンピオン、という緊張する状況の中で最終戦を迎えた吉野選手&CRF450X。第1ヒートでは1分17秒523を記録して暫定3位に付けるが、暫定トップの冨永選手にほぼ2秒の差をつけられてしまう。そこで吉野選手は「失うものはないからね」と大きな賭けに出る。これまでタイヤはフロント・α13SP、リア・Q5だったが、フロントもQ5にして第2ヒートへ。しかし、テストもしていなかった組み合わせだけに走りを合わせきれず、結局タイムは1分17秒473止まりで7位となり、逆転タイトルならず。「今日は悔しいけど全力で走れて楽しかった。冨永選手は凄いよ、このプレッシャーの中であのタイムが出せるんだから」とコメントしていた。

A級8位 小川直人選手&NSR250R / 1分17秒491

画像: A級8位 小川直人選手&NSR250R / 1分17秒491

A級9位 濱田 令選手&YZ250X / 1分17秒952

画像: A級9位 濱田 令選手&YZ250X / 1分17秒952

A級10位 池田秀一選手&NSR250R / 1分17秒995

画像: A級10位 池田秀一選手&NSR250R / 1分17秒995

7位・吉野選手と0.18秒差、1分17秒473を記録してA級8位となったのが小川直人選手&NSR250R。1分17秒952をマークして9位の濱田 令選手&YZ250Xと、1分17秒995で10位の池田秀一選手&NSR250Rの差は0.043秒しかなかった。

画像: オートバイ杯第5戦のA級入賞者 右から2位・廣瀬選手、1位・冨永選手、3位・木村選手、4位・中嶋選手、5位・岡村選手、6位・三崎選手

オートバイ杯第5戦のA級入賞者
右から2位・廣瀬選手、1位・冨永選手、3位・木村選手、4位・中嶋選手、5位・岡村選手、6位・三崎選手

今回のオートバイ杯第5戦のレポートは、月刊『オートバイ』の誌面上でも掲載される予定。オートバイ杯はシーズンオフに入るが、二輪ジムカーナに関連する各種情報はオートバイ杯の運営を行なっているJAGE(二輪ジムカーナ主催者団体協議会)のホームページで確認できる。各地のジムカーナイベントの日程に関しては「モトジムカーナカレンダー」がわかりやすい。

また、オートバイ杯の動画ライブ配信を行っているYouTubeの「Ramkhana」チャンネルでは、この第5戦の配信アーカイブをはじめ、さまざまなジムカーナに関する動画がアップロードされている。

レポート:小松信夫

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