ロングセラーだった883系スポーツスターの後継として、この春デビューした新世代モデルのナイトスター。特徴的な燃料タンクや、シンプルなローダウンフォルムなどスポーツスターの伝統を受け継ぎながら、新鮮さも感じさせるデザインにリファイン。
 
エンジンは新世代の975cc水冷60度VツインのRevolution Max 975Tを搭載し、力強い加速のために吸気系を専用チューニング、内蔵バランサーで振動も抑えている。高い剛性を備える車体は、車重221kgと大幅に軽量化。足回りはSHOWA製正立フォークとツインショックで、フロント19インチ、リア16インチ径ホイールを装着。最新モデルらしく、高精度な電子制御デバイスでもライディングをサポートする。
 
快適で落ち着いたポジションと合わせ、市街地からワインディングまで軽快な走りで、低重心なこともあって扱いやすさも高いレベルだ。
文:山口銀次郎、ゴーグル編集部/写真:柴田直行

ハーレーダビッドソン「ナイトスター」インプレ(山口銀次郎)

画像: Harley-Davidson Nightster 総排気量:975cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒 シート高:705mm 車両重量:221kg 税込価格:195万4700円~198万5500円

Harley-Davidson Nightster

総排気量:975cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブV型2気筒
シート高:705mm
車両重量:221kg

税込価格:195万4700円~198万5500円

随所に現代テクノロジーを採用。次世代を担うスポーツモデル!

ハーレーダビッドソンのラインアップで、スポーツモデルを担うモデルが新たに加わった。車名は「ナイトスター」。水冷Vツインエンジンを搭載し新章へ突入したスポーツスターの兄弟車といえる。ルックスは先代のピーナッツタンクのスポーツスターを意識し、フェンダー等各部をボブジョブによりまとまりの良いボバースタイルに落ち着かせている。割り切ったソロ仕様はボバースタイルに持ってこいで、スタイリッシュさを際立たせている。歴代のスポーツスターファンには受け入れやすいキャラクターなのかもしれない。

ボブジョブでコンパクトな車体と思われがちだが、そもそも堂々と存在感をアピールする975cc水冷Vツインエンジンを抱えていることもあり、それなりの見た目の迫力がある。Vツインを主張するハーレーダビッドソンらしさと、この強靭かつマッスルな雰囲気は外すことの出来ない重要なファクターであり、所有欲を満たしてくれるのに十分なものだ。

画像1: ハーレーダビッドソン「ナイトスター」インプレ(山口銀次郎)

フロントフォークトップブッジ上に配置されたハンドルは、ライダーの身長によってはシートとの間隔がやや遠めに感じるかもしれないが、身長177cmの私の場合は、ほど良い上半身の前傾をともない特に窮屈な感じではなく、ボバースタイルに丁度良いライディングシルエットを形成していた。

次世代を担うスポーツモデルらしく、跨り体重を掛けるぐらいでは前後ショックは若干沈み込む程度で、無駄なストロークがない引き締まった印象が強い。とはいえ、ただスプリングの反発力が強いのではなく、リッチに許容量がある印象で、細かな衝撃を速やかに吸収緩和する包容力があるものとなっている。低速走行やストップ&ゴーが繰り返される街乗りでもその恩恵にあずかれる仕上がりになっている。もちろん、少々のバンプで突き上げられるような不足感はないので、安心して身を預けることができる。

リッター未満に抑えられた排気量となるナイトスターエンジンだが、スポーツモデルに相応しい俊敏な吹け上がりと、伸びの良いエンジン回転領域を誇り、アスリート気質な足まわりを活かすのに相応しいパフォーマンスとなっている。

画像2: ハーレーダビッドソン「ナイトスター」インプレ(山口銀次郎)

また、エンジン低回転域の豊かなトルクを活かし、ゆったりクルージングするのも悪くない。むしろ、常用するはずの一定速度での走行時に、抑えられているとはいえ味わい深いVツインならではの鼓動感も演出されているので、どんなシチュエーションでもドラマチックな走行が堪能できるのだ。

最後に、ただのチョップワークで乗り心地をスポイルしてしまっているボバーカスタムとは、根本的に異なることだけは強調しておきたい。ボバースタイルを追求しつつ、乗り心地を担保するのみならず、上質なものにするパッケージとなっているのは、スポーツスターへの熱い思いがあったからこそだろう。

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