独特のサウンド、ビートと強力なパワーを誇る、トライアンフの3気筒ユニットを搭載する「ロードスター」ファミリーの頂点に立つモデルがスピードトリプル1200。今回はストリートファイターのRS、優美なカウル付きのRRの2台を同時試乗しながら、それぞれの魅力を掘り下げてみよう。
文:佐川健太郎、オートバイ編集部/写真:南 孝幸

トライアンフ「スピードトリプル1200RS」「スピードトリプル1200RR」特徴

画像: TRIUMPH SPEED TRIPLE 1200 RS 総排気量:1158cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列3気筒 シート高:830mm 車両重量:199kg 税込価格:203万円

TRIUMPH SPEED TRIPLE 1200 RS

総排気量:1158cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列3気筒
シート高:830mm
車両重量:199kg

税込価格:203万円

画像: TRIUMPH SPEED TRIPLE 1200 RR 総排気量:1158cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列3気筒 シート高:830mm 車両重量:200kg 税込価格:228万5000円

TRIUMPH SPEED TRIPLE 1200 RR

総排気量:1158cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列3気筒
シート高:830mm
車両重量:200kg

税込価格:228万5000円

ワイルド&エレガンス、個性が光る2つの頂点

トライアンフが誇る並列3気筒エンジンと最新テクノロジーを投入した走りのモデルが「ロードスター」シリーズ。その最高峰に君臨するのがスピードトリプルである。

2021年に登場したシリーズ8代目となる最新版の「スピードトリプル1200RS」はエンジンと車体の全てを刷新してフルチェンジ。排気量を従来の1050ccから1158ccへと拡大し、最高出力も30PSアップの180PSへと向上した。新設計フレームによる軽量化とマス集中化が進められた車体はトータル10kgの軽量化により車重200kgを切るなど、大幅なダイエットを敢行。さらにサーキット仕様の足まわりに最新の電子制御を盛り込むことで、新世代のフラッグシップとして生まれ変わった。

スタイルも一新。元祖ストリートファイターとして1994年にデビューした初期型以来、筋骨隆々のイメージを打ち出してきたが、新型では贅肉がそぎ落とされて一段とシャープなフォルムに。前傾スタイルがより強調されたプロポーションになっている。

画像: トライアンフ「スピードトリプル1200RS」「スピードトリプル1200RR」特徴

そのRSをベースにハーフカウルを装備、オーリンズ製電子制御セミアクティブサスペンションを装備したのが「スピードトリプル1200RR」。性能面などのスペックはRSと共通ながら、低く構えたクリップオンハンドルやバックステップなど、スポーツライディングに最適化されたライポジを採用した流麗なカフェレーサースタイルが特徴だ。

最新の電子制御もRSと共通のライディングモード(ロード、レイン、スポーツ、トラック、ライダーの5種類)をはじめ、6軸IMU(慣性測定装置)によって車体姿勢を制御するコーナリング対応のABSやトラクションコントロール、アップ&ダウン対応のクイックシフターなど、まさに最上級モデルに相応しい装備と走りの実力を備えている。

トライアンフ「スピードトリプル1200RS」「スピードトリプル1200RR」インプレ

アグレッシブかつ優雅にスーパースポーツを追い回せる実力派

新型でよりアグレッシブなスタイルとなったRSは、とても1200とは思えないコンパクトさだ。スマートキー対応のメインスイッチをONにすると、TFTディスプレイがドラマティックな演出で起動する。

クランクマスを軽くしたエンジンはレスポンスも俊敏で軽やかに回る。新型ではパワーもトルクも大幅に向上し、回転フィールもスムーズに洗練されているが、歴代シリーズの持ち味だった3気筒独特の分厚い低中速トルクに乗せた爆発的な加速力も健在だ。

画像: ▲SPEED TRIPLE 1200 RS

▲SPEED TRIPLE 1200 RS

ハンドリングもさらに洗練された。従来モデルが大型ネイキッドらしいまったり感を残していたのに対し、新型は明らかに軽快。これを支える前後オーリンズはダンパーが効いた専用のスポーツセッティングで、コーナーでも踏ん張ってくれるし、前後のブレンボも強力かつコントロールしやすい。気に入ったのがMCS(マルチクリックシステム)採用のブレーキレバー。スパンだけでなくレバー比も調整できる優れモノで、手の大きさや好みでタッチ感を微調整できるのが嬉しい。

電子制御も進化した。5種類のライディングモードは走行中でも左手スイッチで簡単に切り換えられ、モードごとの乗り味の変化も分かりやすい。市街地などでまったり走りたいときは「レイン」を選ぶと平和にクルーズもできる。クイックシフターのおかげで発進・停止以外ではほぼクラッチいらずの快適さだし、コーナリングABS&トラコンは、ウエットや荒れた路面でも気持ちに余裕ができてリラックスして走れる等々、電子制御がライダーをしっかりサポートしてくれ、安心して自分のライディングに集中できる。

画像: ▲SPEED TRIPLE 1200 RR

▲SPEED TRIPLE 1200 RR

一方のRRはファン待望のハーフカウル付き仕様であり、現行トライアンフにおけるスポーツモデルの頂点に立つモデルだ。RSのツリ目2灯に対して丸目1灯を現代版ロケットカウルに収めたネオレトロ感が新鮮。

エンジンと車体はRSベースだが、乗り味はやや異なっているのが興味深い。ひとつはライポジによるもの。クリップオンハンドルのRRは低く構えた前傾スタイルで、結果的にフロントタイヤの接地感も増している。それでいて、OEタイヤのピレリ・ディアブロスーパーコルサSPは、プロファイルがやや尖り気味で倒し込みもよりシャープだ。

また、電子制御サスがリアルタイムで減衰力を最適化してくれるため、加速・減速でのマシンの姿勢変化が穏やかだし、ギャップ通過時の突き上げ感も明らかに少なく快適。なんというか、乗り味が〝しっとり〟しているのだ。やんちゃなRSに対し、RRの走りにはより上質感があり、まさにフラッグシップとしての面目躍如と言える。

2台とも街乗りからツーリングまで幅広く楽しめるが、その上で、見た目も含めてアグレッシブさを求めるならRS、エレガントな装いのまま、ときにスーパースポーツを追い回してみたい人にはRRがおすすめだ。

画像: テスター:佐川健太郎(ケニー佐川) 1963年生まれ。1990年代からニューモデル試乗、海外取材などで活躍するジャーナリスト。2007年よりトライアンフの公式イベントでライディングレッスン講師も担当している。

テスター:佐川健太郎(ケニー佐川)

1963年生まれ。1990年代からニューモデル試乗、海外取材などで活躍するジャーナリスト。2007年よりトライアンフの公式イベントでライディングレッスン講師も担当している。

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