250ccアドベンチャーの顔ともいえる、スズキ・Vストローム250。2017年7月の発売直後から大ヒットし、250ccの旅バイクとして変わることなく老若男女に支持されている。今回はほぼ街乗りオンリー、通勤バイクとしても使えるのか試してみた!
文・写真:西野鉄兵

スズキ「Vストローム250 ABS」通勤インプレ

画像: SUZUKI V-Strom250 ABS 総排気量:248cc エンジン形式:水冷4ストSOHC2バルブ並列2気筒 シート高:800mm 車両重量:189kg 税込価格:61万3800円

SUZUKI V-Strom250 ABS

総排気量:248cc
エンジン形式:水冷4ストSOHC2バルブ並列2気筒
シート高:800mm
車両重量:189kg

税込価格:61万3800円

ツーリング性能だけではない、Vストローム250の魅力

スロットルを開ける、戻す、開ける、戻すと繰り返しているうちに「そうそう、これこれ!」と気分が高まってきた。

都心は狭苦しい小道が多い一方、幹線道路は3~4車線あることもざらだ。スムーズに車線変更できるかどうかが、安全な走行のカギとなる。強気なタクシーや、すばしっこい原付二種、ぶつかったらいくら請求されるかも分からない高級外車などを、上手くいなして今日もゆく。

Vストローム250は見た目は250ccにしては大きく見える。ただ跨るとそのスリムさに気づく。そして走りだせば、瞬発力のある軽快なスポーツバイクだと感じる。

スロットルをひねって戻してひねって戻して、車列の波を右へ左へ。それは軽量級のボクサーの素早いステップワークや、卓球の小気味いいラリーのような感覚にも似ている。Vストローム250なら、自在かつテンポよく、思ったように走れるのだ。

小ぶりなスポーツバイクや原付二種スクーターが俊敏なのは当たり前だが、Vストローム250は車格があるのに素早い。そのギャップがたまらない。

足つきが悪いバイクだと街乗りは気を使うが、シート高800mmのVストローム250は、数値よりだいぶ低く感じる。シート先端が細まっていて脚を下ろしやすいからだろう。

アップハンドルで視野は広い。足つきはいいのに目線は高いので、ちょっと不思議な感覚だ。

普通に乗る分には、上体は起ききっていて、オフロード車やモタードのようにリーンアウトで走ることも容易い。私は峠道でブラインドコーナーの先を見たいときに多用するのだが、街中でもこの走り方は使える。Uターンもラクラク。仮にバランスが崩れてもちょんと足をつけばいいので、不安もない。

画像1: ライダーは編集部・石神邦比古

ライダーは編集部・石神邦比古

2022年7月、ちょうど発売から5年が経ったことになる。その間、大きなモデルチェンジは行なわれていない。2018年にABS搭載車がデビューし、現在はABS非搭載車は生産終了となった。トピックスはそのくらい。

個人的には、「もう5年」というより「まだ5年なのか」という思いの方が強い。以前ツーリング雑誌の編集をしていた頃から、たびたびお世話になってきた。250ccで遠くに出かける企画、バイクに荷物を積む企画、キャンプツーリング企画、タンデム企画、バイクの基本的な装備の説明をする企画……ことあるごとにVストローム250。困ったときのVストローム250だった。

画像1: スズキ「Vストローム250 ABS」通勤インプレ

Vストローム250が発売された2017年は、カワサキのヴェルシスX250、ホンダのCRF250ラリーも登場した年で、すでに地位を築いていたヤマハのツーリングセローと合わせ、250ccアドベンチャーというカテゴリーが一気に花開いた。

このなかでVストローム250の立ち位置は、唯一前後17インチのロードタイヤを履いていることから、もっともオンロード重視のモデルとなる。

画像2: ライダーは編集部・石神邦比古

ライダーは編集部・石神邦比古

ダートを積極的に楽しむことはできないが、キャンプ場の砂利道や、ガタガタの舗装林道くらいならへっちゃら。高速道路は、スクリーンやナックルガードなどの装備と、リラックスできるポジションのおかげで快適。オンロード主体の普通のツーリングなら、250cc最強とも思えるくらい遠乗りが得意だ。さらに、荷物を積むのも大得意。

それでいて街乗りが楽しいのだから、欲張り過ぎなほどに万能だ。通勤・通学・買い物もどんとこい。バイクは休日だけでなく、平日から普段の足として使うという人にぴったり。

画像2: スズキ「Vストローム250 ABS」通勤インプレ

最後に。走行性能やバランスの良さもさることながら、私がVストロームの大きな魅力だと思うのは、見た目だ。

とくにヘッドライトまわり。これがたまらん。アウトドア感、タフネス感、ギア感がたっぷり。

アウトドアやキャンプに興味がない人には、刺さらないかもしれない。興味がある人に、お伝えしたい。Vストローム250は、見た目にたがわずギアとしての頼もしさを持っている。あなたのアクティブな思いを裏切ることはないはずだ。

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