1975年に二輪免許区分が改正され、国内では400㏄クラスが「花形」となり、熾烈な開発競争が繰り広げられていった。大ヒットモデル・Z400FXの後を継いで1982年に登場したZ400GPは、革新的な新技術を満載してデビューした意欲作である。
文:オートバイ編集部

カワサキ「Z400GP」解説

画像: Kawasaki Z400GP 総排気量:399cc エンジン形式:空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒 車両重量:179kg ※ワークスマシン風のライン入りライムグリーンカラーの限定モデルも存在。シートも段つき形状で、Z1000Rを想わせる。

Kawasaki Z400GP

総排気量:399cc
エンジン形式:空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒
車両重量:179kg

※ワークスマシン風のライン入りライムグリーンカラーの限定モデルも存在。シートも段つき形状で、Z1000Rを想わせる。

GPの名にふさわしい気合十分の豪華な内容

大ヒットモデル・Z400FXの後継機種として登場したZ400GPは、革新的とも言える新機構のオンパレードで、性能面、機能面共に飛躍的に進化したモデルだった。

FXとボア・ストロークを同じくする空冷DOHC4気筒エンジンは、吸排気系の見直しで5PSのパワーアップを達成。車体関係は非常に革新的で、クラス初のユニトラックサスペンションを採用。フロントフォークもエアタイプで、ブレーキはトリプルディスクとするなど、非常に豪華な内容だった。

外観も斬新でスポーティに進化。シリーズ共通の角目ヘッドライトを採用し、その全体のデザインはZ1000Rにも通じるレーシーなもの。装備面も豪華で、メーターにはいち早く液晶を導入、ハンドルもジュラルミン鍛造。販売期間はわずか1年だったが、カワサキの気合いが感じられる内容だった。その後、GPz400へと歴史は紡がれていく。

画像: Z400FXの後継として、タンク形状にその面影が感じられる。しかし角形ヘッドライト、スリムでモダンなシート周りなどで大きくイメージチェンジ。

Z400FXの後継として、タンク形状にその面影が感じられる。しかし角形ヘッドライト、スリムでモダンなシート周りなどで大きくイメージチェンジ。

画像: スタンダードモデルのカラーは、当記事トップ写真のエボニーと、こちらのファイヤークラッカーレッド。いずれもレーシーなストライプが入る。

スタンダードモデルのカラーは、当記事トップ写真のエボニーと、こちらのファイヤークラッカーレッド。いずれもレーシーなストライプが入る。


カワサキ「Z750GP」

画像: カワサキ「Z750GP」

兄貴分はDFI採用!

Z750FXⅢの後を継ぐ、Z-GPシリーズの750ccモデル。ザッパー系738ccエンジンなどのメカニズムはそのまま、シリーズの最高峰モデルであるZ1100GPを模したスタイリングを採用。国内向けモデルにのみ、実用化されたばかりのインジェクションシステム・DFIが採用された。

カワサキ「Z400GP」各部装備・ディテール解説

画像: エンジンもZ400FXから発展したDOHC2バルブの空冷4気筒。各部の改良によって、最高出力はFXから5PSパワーアップした48PSに。

エンジンもZ400FXから発展したDOHC2バルブの空冷4気筒。各部の改良によって、最高出力はFXから5PSパワーアップした48PSに。

画像: キャストホイールの径自体はZ400FXと同じフロント19インチ、リア18インチ。ブレーキローターは不等ピッチ冷却孔を採用されたもの。

キャストホイールの径自体はZ400FXと同じフロント19インチ、リア18インチ。ブレーキローターは不等ピッチ冷却孔を採用されたもの。

画像: Z400FXではクロームメッキだった左右2本出しマフラーは、Z400GPではブラック仕上げにされて精悍なイメージを強調。

Z400FXではクロームメッキだった左右2本出しマフラーは、Z400GPではブラック仕上げにされて精悍なイメージを強調。

画像: 台形ケースで一体化されたアナログ2連メーターの中央には、燃料計とサイドスタンド警告などインジケータを装備。

台形ケースで一体化されたアナログ2連メーターの中央には、燃料計とサイドスタンド警告などインジケータを装備。

画像: レーシーなデザインのテールカウル後端には、量産車初採用となったリンク式モノサス「uni-trak」の名が誇らしげに掲げられている。

レーシーなデザインのテールカウル後端には、量産車初採用となったリンク式モノサス「uni-trak」の名が誇らしげに掲げられている。

カワサキ「Z400GP」主なスペック

全長×全幅×全高2170×750×1095mm
ホイールベース1445mm
最低地上高155mm
シート高780mm
車両重量179kg
エンジン形式空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒
総排気量399cc
ボア×ストローク52×47mm
圧縮比9.7
最高出力48PS/10500rpm
最大トルク3.5kgf・m/8500rpm
燃料供給方式K26キャブレター
燃料タンク容量18L
変速機形式5速リターン
キャスター角27.30゜
トレール量105mm
タイヤサイズ(前・後)90/90-19・110/90-18
ブレーキ形式(前・後)Φ226mmダブルディスク・Φ226mmディスク

文:オートバイ編集部

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