Z1から発展してきた空冷Zの歴史だが、Z1のDNAを受け継ぐ集大成と言うべきフラッグシップモデルがこのGPZ1100。車名にこそ「GP」の名が加わっているが、当時の技術の粋が詰め込まれた貴重な1台だ。
文:オートバイ編集部/写真:松川 忍

カワサキ「GPz1100」

画像: Kawasaki GPz1100 総排気量:1089.9cc エンジン形式:空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒 車両重量:244kg

Kawasaki GPz1100

総排気量:1089.9cc
エンジン形式:空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒
車両重量:244kg

空冷2バルブの歴史に花を添えた高性能モデル

Z1から脈々と受け継がれてきた、空冷DOHC2バルブエンジンだが、その最後を飾ったモデルがGPz1100だった。
 
ライバル車たちが4バルブ化を果たす中、空冷DOHC2バルブが持つポテンシャルを極限まで引き上げたエンジンは、ピストンやコンロッドを新作し、多球型燃焼室を採用。当時最先端の技術だったフューエルインジェクションシステム・dfiも投入し、4バルブ勢に一歩も引けを取らない、120PSのハイパワーを実現。これを支える車体も、パイプワークから見直した新作だった。

開発陣の想いを感じる気合いの入った作りだったが、新世代のフラッグシップである、水冷エンジン搭載のGPZ900Rと入れ替わるように、GPz1100は1985年に生産を終了。長きにわたったZ1系エンジンの歴史にピリオドを打ったのである。

画像: アッパーカウルからタンク、サイドカバー、テールカウルまで流れるように続く斬新なスタイリングはジェット機をイメージしてデザインされた。

アッパーカウルからタンク、サイドカバー、テールカウルまで流れるように続く斬新なスタイリングはジェット機をイメージしてデザインされた。


カワサキ「GPz400」

画像: カワサキ「GPz400」

兄貴分譲りの大型フェアリング

先代のZ-GPシリーズ同様、GPzシリーズも国内仕様は750と400というラインアップだった。この400は先代からボア・ストロークを変更した新作エンジンを搭載。兄貴分譲りの大型フェアリングをまとったボディは迫力満点で、息の長いロングセラーとなった。

カワサキ「GPz1100」各部装備・ディテール解説

画像: 空冷Z系としては究極の最高出力120PSを実現した、排気量1089.9㏄、DOHC2バルブエンジン。

空冷Z系としては究極の最高出力120PSを実現した、排気量1089.9㏄、DOHC2バルブエンジン。

画像: GPz1100はキャブレターではなく、電子制御式のインジェクションシステムdfiを採用している。

GPz1100はキャブレターではなく、電子制御式のインジェクションシステムdfiを採用している。

画像: KYB製のΦ37mm正立フロントフォークはアンチノーズダイブ機構を装備。ホイール径はフロント18インチ、リア17インチ。

KYB製のΦ37mm正立フロントフォークはアンチノーズダイブ機構を装備。ホイール径はフロント18インチ、リア17インチ。

画像: フロントブレーキはΦ280mmのダブルディスクで、リアはΦ270mmシングル。キャリパーは前後とも片押し式の1ポット。

フロントブレーキはΦ280mmのダブルディスクで、リアはΦ270mmシングル。キャリパーは前後とも片押し式の1ポット。

画像: 歴代Z1000系の無骨なスタイルから一転、GPz1100は流麗なフォルムの大型カウルを装備して大幅にイメージチェンジ。

歴代Z1000系の無骨なスタイルから一転、GPz1100は流麗なフォルムの大型カウルを装備して大幅にイメージチェンジ。

画像: 大きなカウルの内側、左側には大径の速度計、右にはやや小径の回転計を並べた、非対称デザインでハンドルマウントの2連メーター。

大きなカウルの内側、左側には大径の速度計、右にはやや小径の回転計を並べた、非対称デザインでハンドルマウントの2連メーター。

画像: メインの2連メーターとは別に、タンクの上面にはバーグラフ式の燃料計とマイコン制御の警告灯が並ぶ。

メインの2連メーターとは別に、タンクの上面にはバーグラフ式の燃料計とマイコン制御の警告灯が並ぶ。

画像: Z1100GPまでのクラシカルなネイキッド的シートではなく、足つき性に配慮したスマートなデザインとなった。

Z1100GPまでのクラシカルなネイキッド的シートではなく、足つき性に配慮したスマートなデザインとなった。

カワサキ「GPz1100」主なスペック

全長×全幅×全高232×740×1275mm
ホイールベース1565mm
最低地上高140mm
シート高800mm
車両重量244kg
エンジン形式空冷4ストDOHC2バルブ並列4気筒
総排気量1089.9cc
ボア×ストローク72.5×66mm
圧縮比9.5
最高出力120PS/8750rpm
最大トルク10.2kgf・m/8000rpm
燃料タンク容量20.4L
変速機形式5速リターン
キャスター角27.59゜
トレール量116mm
タイヤサイズ(前・後)110/90V18・130/90V17
ブレーキ形式(前・後)Φ280mmダブルディスク・Φ270mmディスク

文:オートバイ編集部/写真:松川 忍

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