スポーツバイク好きのライダーの間で話題沸騰中のニューモデル、ヤマハのYZF-R7が国内デビューを果たす。インプレとともに各部の特徴を徹底的にお見せしよう。
文:宮崎敬一郎、オートバイ編集部/写真:南孝幸

ヤマハ「YZF-R7」インプレ(宮崎敬一郎)

画像: YAMAHA YZF-R7 総排気量:688cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 シート高:835mm 車両重量:188kg 税込価格 YZF-R7:99万9900円 YZF-R7 WGP 60th Anniversary:105万4900円 発売日 YZF-R7:2022年2月14日(月) YZF-R7 WGP 60th Anniversary:2022年3月14日(月)

YAMAHA YZF-R7

総排気量:688cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
シート高:835mm
車両重量:188kg

税込価格
YZF-R7:99万9900円
YZF-R7 WGP 60th Anniversary:105万4900円

発売日
YZF-R7:2022年2月14日(月)
YZF-R7 WGP 60th Anniversary:2022年3月14日(月)

扱いやすく懐の深いバランスの良いマシン

ヤマハのYZFシリーズには、R1R6といった、使いこなすのに高いスキルと相応のコースが必要なトップスーパースポーツがある。一方で、R25R3といったエントリーユーザーのコミューターにもなるスポーティなスタンダードモデルもラインアップされている。今回登場したR7はその中間に位置するモデル。コンセプトは「走る楽しさを極めるスーパースポーツ」だ。

画像1: ヤマハ「YZF-R7」インプレ(宮崎敬一郎)

ともすれば、こういった立ち位置のモデルは中途半端なイメージを持たれがちだ。物足りないと思うのであれば、R1やR6を颯爽と操ればいいのだが、あいにくそんなスキルは持ち合わせていない…そんなライダーがR7のターゲットなのだ。

ベースとなっているのはベストセラーモデルのMT-07。エンジンは基本的に共通で、パワーもMTと同じ73PS強だし、フレームも基本的にMTのものがベース。フロント回りのアライメントを見直し、回頭性とフロントの節度を増幅しつつ、ピボットを補強。前後の足回りをかなりスポーティな専用セッティングとし、ライダーの好みに合わせてリセッティングもできるように変更してある。

バイクというのは面白い。R7とMTの構造的な違いはおおむねそんなものなんだが、走るとまるで違うのだ!

画像2: ヤマハ「YZF-R7」インプレ(宮崎敬一郎)

今回はサーキットでの試乗だったが、MTならとても無理なハイペースで走れるし、操っていて愉しい。一方で、スポーツライディングを意識せずに普通に操ってみると、MTよりライポジがキツいだけで、街でも取り回しは良さそうだ。

トルキーで瞬発力のあるエンジンなど、MTのフレンドリーなところは受け継いでいて、錯覚かもしれないが、乗り心地などはR7の方がいいようにさえ感じる。

出で立ちは勇ましいが、走り出した瞬間に実感できる軽さ、程よく穏やかだが元気なエンジン、上質な足回りを奢られたような接地感が身体にしみ込んでくる。R7は取っ付きやすさ、扱いやすさが最大の武器なのだ。

長いバンクセンサーを接地させるほどのリーンアングルでも常に安定しているし、路面の荒れをそんな状況で乗り越えてもなかなか破綻しない。これがMTとは大きく違うところ。さすがに上級スーパースポーツほどのポテンシャルではないものの、かなり高いレベルの走りまで対応するバランスの良さがある。

画像3: ヤマハ「YZF-R7」インプレ(宮崎敬一郎)

公道でもスーパースポーツの楽しさを味わえるまとまりの良さ

このR7の武器である、身軽さとトルクバンドの広さを活かせば、ライダーのテクニック次第では、コースによってはR6をバックミラーのゴミにすることがあるかもしれない。ただし、調子に乗って攻め込んでいくと、そこそこスポーティなタイヤであるブリヂストンS22の限界を感じると思う。

R7には、多くのライダーがそこまで使い切ることのできる可能性がある。また、ノーマル設定からサスをリセッティングしたり(具体的にはフロントのイニシャルを少し上げるくらい)でさらに遊べるようになると思うし、タイヤをよりハイグリップなものに履き替えれば、車体が音を上げるまで使いこなせる可能性だってあるだろう。

画像4: ヤマハ「YZF-R7」インプレ(宮崎敬一郎)

このR7、ステップアップするための単なる「腰掛け」バイクではない。もちろん、そういった使い方もできるだろうが、これはこれで完成された、魅力的なバイクなのだ。

このルックス通り、スポーティなスタンダードバイクには変わりないのだが、これほどプライスを抑えられているにも拘らず、安っぽさや背伸びのしわ寄せを感じないのはすばらしい魅力。それにスポーツバイクを思う存分使い切る醍醐味を、サーキット以外でも安全に楽しめる完成度付き。存分に使える、実にまとまりのいいバイクだ。

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