好きな車両を全部入りにして楽しさを膨らませる

エッジの効いたデザインを持たせた外観や、車体周囲を這うようなレイアウトによって、すぐそれと分かるインタークーラー・ツインターボにNOS(ナイトラス・オキサイド・システム)。前後17インチホイール化も行われて、言わば全部盛りといった感のあるヤマハVMAX。見ているだけでも、このようになった内容やバックグラウンドが思わず気になる。

「“付けたもん勝ち”という感じで、大変なことになってますよね」と、依頼を受けた製作者のエスパー・小宮さんは楽しそうに言う。エスパーはMAX580psのVMAX1700を手がけ、1200も1700も合わせて30年以上もVMAXチューンを続けるなど、VMAXと過給は得意中の得意だ。

画像: 好きな車両を全部入りにして楽しさを膨らませる

「オーナーさんは1200の方のVMAXが大好きで、人生をVMAXに捧げるという感じの方なんです。それでNOSもターボも付けて、ゆくゆくは300サイズのリヤタイヤを履きたいって。“おお、出来ることは全部していきたいんだなあ”という理解を私もして、それで手を入れていったんです。外装はオーナーさんが仕立てていってます。

ターボの配管もその外装に合わせるように通していったり、ルックス面も結構凝りました。ターボはキャブターボで、タンクカバーの中にサージタンク(過給新気の貯圧部)を置いて、その上からCBR1000RRのように燃料を噴く追加インジェクターを4本付けて、350psは出せる作りにしたんです。それでセッティングを進めていくと、“パンチが出過ぎて乗れない”ということで(笑)、今は160ps仕様で収めています。

実際の使い道としてはツーリングメイン。それが、オーナーさんは毎日のように走ってらっしゃるし、ターボもNOSも、付いていることで満足はしていただいてます。パワーよりファッションという感じですが、発想自体は面白いし、十分アリですよ」

たとえファッションだったとしても、追加された過給システム=ターボもNOSもリアルに機能することは、小宮さんが説明してくれる口調からも良く伝わってくる。逆に考えれば、そのリアルが、飾りではない迫力を生んでいることも分かる。

カスタムは自分の思いを形にすること。それならばファッションでも十分。ただ、本物を知るお店が本物をきちんと付けた裏付けがある。ならば前述のように、気分も本物。この先にある300幅という超ワイドタイヤ仕様も、同様に楽しまれるはずだ。

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メーターは速度計を中央から左に移した上で右にPIVOTステッピングモーター式エンジン回転計を追加、上にブースト計も加え、ナビシステムやヨシムラ・マルチメーターも追加。タンクカバー部の燃料計やエンジン回転計、インジケーター類も純正のまま装着される。

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ステアリングヘッド部に横置きしたハイパープロ製と、左サイドのNHK製とで2個使われるステアリングダンパーや、エッジの立ったタンクカバーはオーナーが装着したもの。左右マスターシリンダーはブレンボRCSで、メーターバイザー追加やミラー変更も行っている。

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アルミサイドカバーを結晶塗装した上で装着、シートはクロスステッチやキャリアを兼ねたシーシーバーによってゴージャスなクルーザー的な雰囲気も作り出す。さらにシート周囲を囲うようにターボからの加圧新気配管が配されるのも、この車両の特徴的な部分だ。

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カーボンヒールガードを備えたシンプルなアルミ削り出しステップを装着。クランクケースカバーやフロントギヤカバーも結晶塗装が施される。

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1199ccの70度V4エンジンとBDS35×4のキャブレターはVMAX(1200)ノーマルで、クラッチカバーをスケルトン化して縦置きオイルクーラーを追加。過給はギャレット製タービンによるシングルターボとNOSを併用、NOSは付いているが撮影時点では使っていないとのことだった。

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ターボからの加圧新気は車体左下からインタークーラー内を上がってダミータンク内のサージタンクに入り、キャブ→ポートへ流れる仕組み。サージタンクには追加燃料インジェクターが4本、スロットルボディにはNOSノズルが加えられる。ターボで320ps、計350ps超にもパワーアップ可能。

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車体右後ろ、右リヤショック外側に置かれたギャレット製タービン。この後部から入ってきた新気は、タービン前側に流れてきた排気で加圧され、写真左上のパイプから車体後ろ~左を通ってサージタンクに入る。左ショック外側にはブローオフバルブが置かれている。

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足まわりにも当然強化の手が入り、フロントのφ43mmフォークはスプリングを変更、ブレーキもブレンボ製4ピストンキャリパー化している。

リヤショックもオーリンズに置換。リヤブレーキまわりはブレンボ・キャスト4ピストンキャリパー+モトマスターディスクで強化。前後ホイールはアルミ鍛造・5本スポークのゲイルスピードTYPE-Sでサイズも[純正値:2.15-18/3.50-15→]3.50-17/5.50-17インチに変更している。

取材協力:エスパー

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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