愛知県東郷町のSR系カスタムショップ「FLAKES」さんが、趣味で自分用のスーパーカブをレストアすることになったので、その様子を前後編に渡って紹介するよ。カスタムビルダーによるレストアは、随所にこだわりと技術力が詰まってるぞ。
画像2: FLAKES代表 サトーさん

FLAKES代表
サトーさん

いや、これ悩ましいね。プレスカブとかカブストリートならすぐに走り出せそうだけど、サビ具合は、スーパーカブ50が凄く良いね。

よし、エンジンはなんか手元にあるはずだし、スーパーカブ50にするよ。

やったぜ、オンボロカブ仲間ゲットだぜ! 細かいところ撮影しとくんで、その間に電話で値段交渉しといてくださいね。

オンボロっぷりはこんな感じ。

画像: ヒョウ柄みたいなサビがド渋い。

ヒョウ柄みたいなサビがド渋い。

画像: キャブ&エアクリーナーボックスは付属してます。

キャブ&エアクリーナーボックスは付属してます。

画像: 良いサビ具合でしょ。シートはほぼ崩壊してた。

良いサビ具合でしょ。シートはほぼ崩壊してた。

画像: リアはギリギリ感。スポーク調整したら折れそう。

リアはギリギリ感。スポーク調整したら折れそう。

カビィさんこれくださーい。

車に積んどくんで、その間に請求書作っといてくださいね。

画像5: M&F Cuby代表 影山さん

M&F Cuby代表
影山さん

あー、そうなっちゃいましたか…。

直して乗りたかったな…。大事にしてくださいね!

大丈夫っすよ、「一生乗るつもりのカブを探してる」って言ってたし。
ともあれありがとうございます!

画像6: M&F Cuby代表 影山さん

M&F Cuby代表
影山さん

そうときまれば、部品探しますか。

鍵はあるし、フロントまわりは自分が乗ろうと思って、ちゃんとしたフォークにしてあります。
シートは…朽ちてますね。
あとセンタースタンド、ステップ、レッグシールド、ペダルかな。

メインスタンド付け根のシャフトは新品つけときますね。これがないとセンタースタンドだけじゃなくブレーキペダルが装着できないので。

では、フレークスさんに渡しに行きまーす。

ちなみに、積み込んで帰るとき、珍しく影山さんがずっと見送ってた。
悪いことしちゃったかな。

というわけで納車です

こういう場合でも納車って言うのかな。ジャンク部品の引き渡しって感じだけど。

画像: こうしてみるとほぼ普通のバイクに見えるね。

こうしてみるとほぼ普通のバイクに見えるね。

画像3: FLAKES代表 サトーさん

FLAKES代表
サトーさん

うわぁ。笑えるくらいボロボロだね。

というかこれ、直すの結構時間かかるじゃん。俺、休日なくなっちゃうよ。

大丈夫ですよ、なんやかやいってどうせすぐ直してますよ。

画像4: FLAKES代表 サトーさん

FLAKES代表
サトーさん

そうそう、これだけは伝えとかないと。

今回は仕事としてのレストアじゃなくて、自分用に乗れればいいやっていう程度のレストアだからね。

かしこまりでーす!

注意

今回の記事はFLAKES佐藤さんの個人的なレストアです。
そのため通常業務とは最終的な仕上がりや作業行程が異なります。

それより見てくださいよこのサビ具合、しぶくないです!?

画像: というわけで納車です
画像5: FLAKES代表 サトーさん

FLAKES代表
サトーさん

このサビ具合はいいね。これに自分が乗ると思うと、笑えてきますね。

あ、でもリアホイールはさすがにヤバそうだね、これは変えよう。
エンジンは、探したらモンキーバハベースの88cc遠心クラッチの50ccがあったからどっちかにしてみようかな。

なんやかんやいってさっそくインスタにあげてたサトーさん。

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レストアの方向性は「パティーナスタイル」で

そういえばレストアというとピカピカにするイメージですが、ボロさを残しますよね?
こういう場合は、ラットになるのかな。やっぱりレストアなのかな。

画像6: FLAKES代表 サトーさん

FLAKES代表
サトーさん

ラットは「わざと汚くする」ってニュアンスがあるからちょっと違うんじゃないかな。

今回の場合は、錆とかの経年劣化を活かしていくので、レストアの中でも「パティーナスタイル」が近いですね。

パティーナってのは調べたら「緑青(ろくしょう)」という意味らしい。

なるほど。自分のカブもパティーナスタイルってことにします。

ついでに調べてたらレストモッドとかラットロッドとか、ほんといろんなカスタムがあるのね。

ちなみにレストモッドは、新車のように綺麗にレストアしつつ最新の技術を取り入れる、って感じ。往年の名車のエンジン足回りを現代の水準にもっていったり、果てはEV化したり。割と何でもあり。ラットロッドは、ぼろさを楽しむラット要素とホットロッドの合わせ技。ホットロッドだとキラキラにするけど、経年を活かしたりエイジング塗装などを駆使して、見た目は味のある感じ。

納車翌日から作業開始。まずは足回りから

翌日。

案の定、さっそく連絡きたよ。

画像7: FLAKES代表 サトーさん

FLAKES代表
サトーさん

仕事前に少しさわったよー。

画像: 納車翌日から作業開始。まずは足回りから

あれ、いきなりフロントホイールが仕上がってるじゃないですか。

画像8: FLAKES代表 サトーさん

FLAKES代表
サトーさん

外側は軽く掃除するだけにして、見えない内側はちゃんと仕上げました。

エンジンどっちにしようかな。

画像: モンキーバハをベースにした88cc。ヘッドはDAX70。これ素敵だけど、クラッチレバーの追加が必要なのよね。

モンキーバハをベースにした88cc。ヘッドはDAX70。これ素敵だけど、クラッチレバーの追加が必要なのよね。

画像: 遠心の50cc。キャブがないけど、特に苦労もなくいけそう。

遠心の50cc。キャブがないけど、特に苦労もなくいけそう。

50ccだと制限速度30km/hだし、世の中原付二種ブームだし、88ccのが良いと思いますよ。
でも、左手にクラッチがつくんですよね。

画像9: FLAKES代表 サトーさん

FLAKES代表
サトーさん

うーん、じゃあリンク作ってハンドシフト化して、スーサイドにしようか。

スーサイドって、ハーレーとかの足でクラッチ操作するやつですか※。頭おかしくて最高ですけど、信号待ちでゆったりできないですよ。カブなのに。

※正確にはFブレーキレスでハンドシフト&足クラッチがスーサイド。ここでは足でのクラッチ操作機構をスーサイドと言っています

画像10: FLAKES代表 サトーさん

FLAKES代表
サトーさん

あ、そりゃだめだ。普通にハンドクラッチにするよ。

タンクは意外と綺麗だった。綺麗とは

そして数日後。

別件で顔出したから、せっかくなので分解手伝ってきた。バラバラにしちゃえば、作業するしかなくなるんじゃ無いかと思ってね。

画像1: タンクは意外と綺麗だった。綺麗とは
画像2: タンクは意外と綺麗だった。綺麗とは

分解するだけして帰宅。組み立てを気にしなくて良いのは楽しいね。
ほどなく「ガソリンタンク直したよ」との報。

画像11: FLAKES代表 サトーさん

FLAKES代表
サトーさん

ガソリンタンクを洗浄したんだけど、予想より綺麗でしたよ。

ガソリンタンク洗浄工程の画像を送ってもらったよ。

天面は良い感じのサビ具合。

画像3: タンクは意外と綺麗だった。綺麗とは

まずはサンドブラスト。

画像4: タンクは意外と綺麗だった。綺麗とは

で、チェックすると穴があったので修正。

強い力が加わる場所ではないので、溶接ではなく銀ロウで作業。

画像13: 【カブのレストア】SRを得意とするカスタムビルダーが、おんぼろスーパーカブを「パティーナスタイル」でレストア&カスタムするぞ|前編〈若林浩志のスーパー・カブカブ・ダイアリーズ Vol.145〉
画像14: 【カブのレストア】SRを得意とするカスタムビルダーが、おんぼろスーパーカブを「パティーナスタイル」でレストア&カスタムするぞ|前編〈若林浩志のスーパー・カブカブ・ダイアリーズ Vol.145〉

そして天面のボロさを残すためにマスキング。

画像5: タンクは意外と綺麗だった。綺麗とは

見えない裏側はこんなに綺麗に仕上がりましたよ。装着したら全く見えないけどね。

画像: 見えない部分はピッカピカ。

見えない部分はピッカピカ。

で、天面はこんな感じ。

上から見ただけでは、ただのボロタンク。

次回で完成するよ

とりあえず前編はここまで。
後編では一気に完成までいくよ。お楽しみに。

レポート:若林浩志

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