行き場のなくなった車両を整備しカスタムまで対応

生産から40~50年に渡る空冷Zの車歴。当然と言うのも少しはばかられるが、ワンオーナーだったり、ひとつのショップでずっと面倒を見てこられたり…というケースはごくまれだといっていいだろう。国内展開をしていたナナハンのZ2/Z750シリーズならまだしも、輸出車だったZ1/Z900・1000シリーズはよほどのケースでないとない。少し譲って、国内に入ってきた輸入時点(それにしても基本的には中古車両だ)を起点としても同様だろう。

フルレストアやコンプリート化によってすべてをリフレッシュしたという車両なら、そこを起点に大事にしてこられた車両は多いはずだ。だが、諸事情で付き合いのあったショップが閉店したなどの場合、次をどうするかが気になってくる。

画像: 行き場のなくなった車両を整備しカスタムまで対応

このZ2も、そんな経緯を持った車両だった。他店で一度組み上げられたカスタム車だったが、使い込んでいくうちにエンジンから白煙を吹くようになったという。ただ、この車両はある意味で幸運だった。寺田モータースの古くからのお客さんが同店を紹介し、入庫できることになったからだ。撮影時はちょうど整備後1回目のオイル交換と再チェックが行われていたところ。

寺田モータースは1963年とZ登場の10年近く前に創業していて、1990年からはH-Dディーラーとして関西のバイク屋街として知られる兵庫・尼崎で看板を掲げ続けた老舗。2019年からは改めてカワサキZ系の中古車販売とメンテ&チューニングを再開している。

代表の寺田さんはZ1000Rに乗り、専務の吉岡さんもZ1カスタムに乗っているし、カスタムもライトからヘビーまで、その後のチューニングも自由自在。古くからZシーンを見続けて今も知るから、顧客からの信頼も厚い。

そんな背景があった。だからこのZ2もここで息を吹き返し、これからも乗り続けられるようになる。同店ではそうしたZユーザーのサポート相談にも乗ってくれるとのことで、今後はこうしたショップの存在が大事になるはずだ。

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Detailed Description 詳細説明

画像1: Detailed Description 詳細説明

速度計はパネルを280km/hスケールに変更、エンジン回転計はイギリス・スミス社製に変更しつつ、メーター全体は速度警告灯も含めてZ2の雰囲気をそのまま残す。ハンドルバークランプ部にはワークス製アルミ削り出しブリッジが装着され、時代も感じさせる。

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フロントマスターシリンダーはAP製に変更。燃料タンクはZ1-Rでロッズデザインによってサイドカバー等とともにフルペイント済み。

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大排気量化に合わせてオイルクーラーを追加。コアは緩衝材を介して上下からアルミのマウントプレートで挟みラバーバンドで固定する、往年のスタイルだ。

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エンジンはコスワースφ75mmピストン+Z1クランクでの[746→]1166cc仕様で、カムはKENT製、バルブはZ1000J純正でビッグバルブ化している。キャブレターはTMR、マフラーはKERKERメガホン。フレームもスイングアームピボット上ほかに補強が加えられる。

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フロントフォークはアドバンテージKYBφ36mmで、フロントブレーキはAP・CP2696キャリパーをリーディングマウントする。前後ホイールはビトーR&Dのマグネシウム合金鍛造品、MAGTANの5本スポークタイプ・JB1で、サイズは2.50-18/4.00-18インチ。

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リヤまわりははオーリンズショック+モリワキ製角鉄スイングアームで、リヤブレーキキャリパーもAP・CP2696。タイヤはコンチネンタル・コンチロードアタック3。これらのパーツチョイスはオーナーによるもの。製作ショップ自体はすでに閉店しているとのことだ。

取材協力:寺田モータース

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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