遊べる余地も作り込んで長く楽しめるようにする

この車両が備えるハーフカウルなど、独特のスタイルによって他のカワサキZ系カスタムとは一線を画する雰囲気を演出するアメリカンドリーム。同店代表の松田さんは、そんなスタイルが誕生した契機をこの車両の製作当時(2008年)、こう言う。

「Zの場合、エンジンや足まわりに関しては、ある種の定番が出来上がってますよね。例えばこのZ1に使っている鍛造ピストン(φ70mm)やヨシムラST-1カム。そしてXJR1200/1300の足まわり流用による17インチ化などは、当店だけじゃなく他のショップさんでも使うケースが多い。そんな中、当店ならではの個性を演出する手段として生まれたのが、ハーフカウルやオリジナルペイントで構築する、カフェレーサースタイルだったんですよ」

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その通りに足まわりはステムとφ43mmフォーク、ホイールなどにXJR1300純正を加工流用。17インチ化した上でディメンションに破綻がないセッティングも、ここでは定番化されている。

そしてカウルは当初はバンディット400リミテッド用を転用していたが、後にこの車両の装着品のように独自に開発してキット化。このカウルと個性的なモノトーンのカラーを組み合わせることで、既存のZ系カスタムとは趣が異なる、シックで落ち着いた雰囲気を演出している。見慣れたはずのZが、これだけでまったく違ったものに見えてくるから不思議だ。

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「実際のチューニングでは、ひとつの完成形にしつつも、どこかに遊べる余地を残しておくというのも有効だと思います。完璧に仕上げてしまうよりも、次はここをいじろうっていう要素があったほうが、結果的に1台を長く楽しめるのではないかと思うんですよ」とも松田さん。

こうした見極めをしっかり行い、将来的なステップアップに備えて車両の適合力を高めておくあたりは、長い間Z系を手がけてきたショップならでは。これもカスタムの演出のうち。Z誕生から40年近くなったこの頃には、Zにもそんな先を見据えた仕様が作れる時代が訪れていたというわけである。

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Detailed Description 詳細説明

画像1: Detailed Description 詳細説明

オーセンティックな丸目1灯スタイルをモダンな印象に昇華したカフェレーサー・ハーフカウルキット(FRP製)はアメリカンドリームのオリジナル商品でステー類もセット。マジカルレーシング製のカーボンボディバックミラーはカウルステー側にマウントされる。

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ステアリングステムはXJR1300の流用でフロントブレーキと油圧駆動化されたクラッチのマスターシリンダーはブレンボ製ラジアルポンプにグレードアップされる。リザーバーの置き位置も参考になる。セパレートタイプのハンドルはサンセイでタコメーターはピボット製5in1だ。

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表面に放熱のためのガンコート塗装が施されたエンジンは、ワイセコφ70mmピストンによる1015cc仕様。しかし将来的な排気量拡大を見越して、クランクの芯出しやピン溶接などが既に行われている。カムはヨシムラST-1で、ポートやバルブは独自加工される。

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吸排気はFCRφ35mm(エアクリーナーはラムエアー)+同店オリジナルPRIDEフルチタン手曲げ。点火系もASウオタニSPⅡに変更。

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シートもアメリカンドリームオリジナル。ブラックアルマイト処理されたステップはKファクトリーのZRX1200用がベースだ。

取材協力:アメリカンドリーム

レポート:ヘリテイジ&レジェンズ編集部

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