ホンダのCB1300SF/SBには上級仕様車の「SP」がラインナップされている。スタンダードモデルとの主なちがいは、足回り。価格差は税込で37万4000円だ。果たしてその金額に見合った価値はあるのか? 街中とワインディングロードで感じた印象をお伝えします。
文:竹山ケンタ/写真:南 孝幸、ホンダ
画像: Honda CB1300 SUPER BOL D’OR SP 2021年モデル 総排気量:1284cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 シート高:790mm 車両重量:272kg 発売日:2021年3月18日 メーカー希望小売価格:税込204万6000円

Honda CB1300 SUPER BOL D’OR SP
2021年モデル

総排気量:1284cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
シート高:790mm
車両重量:272kg

発売日:2021年3月18日
メーカー希望小売価格:税込204万6000円

スタンダードとSPの主な違い
 
①前後オーリンズ製サスペンション
②ブレンボモノブロックラジアルマウントキャリパー(フロントのみ)
 
価格差は税込で37万4000円

ホンダ「CB1300 スーパーボルドール SP」インプレ

まずはスタンダードと街乗りで比較

乗り始めて最初に感じたのは、オーリンズ製のフロントフォークは荷重が掛かったときに剛性感があって、作動性が良く、質感が高いということ。

スタンダードモデルと比べて前後サスに張り感があって少し腰高に感じることから、おそらくスタンダードよりもバネレートが少し上がっていて、スポーティな味付けになっているのだろう。

ラジアルマウントされたモノブロックのブレンボキャリパーは、レバー入力に対する制動力の上がり方がリニアで、街中でもコントロール性の良さがうかがえる。

ラジアルマウント式のブレンボ製モノブロック4ポッドキャリパー。オーリンズ+ブレンボはみんな憧れますよね!

やはりこのクラスの車重となると、制動時の慣性モーメントがかなりの大きさになるんですが、このSPに奢られたキャリパーとフロントフォークは、それらを余裕を持って受け止めてくれる。

ブレーキの摩擦材や温度特性のちがいもあるとは思うが、スタンダードのほうがレバー入力初期の効力が高くて、街中を低速で軽く流してる時はスタンダードほうがマッチングは良く感じた。

乗りはじめで感じたサスペンションのフィーリングのちがいでも分かる通り、街乗りでのコンフォート性能とスポーツ性の得意な部分に、それぞれ良く合わせ込んであるのが感じ取ることができた。


ワインディングで「SP」とスタンダードを比較!

画像: SP専用オーリンズ製フロントフォークはプリロード調整と、圧側20段、伸び側20段の減衰調整が可能。ハンドリングは軽く、よく曲がるので、勝手に少し上手くなったようにさえ感じる。

SP専用オーリンズ製フロントフォークはプリロード調整と、圧側20段、伸び側20段の減衰調整が可能。ハンドリングは軽く、よく曲がるので、勝手に少し上手くなったようにさえ感じる。

ワインディングを走り始めると、スタンダードよりもバイクとの一体感が増していて、格段に操縦性が良く、走りにキレがある。

連続するコーナーの切り返しでは、路面にタイヤを押し付けている感覚がわかりやすく、タイヤに掛かっている負荷や、路面からのインフォメーションの解像度があきらかに高い。

スタンダードでは切り返しや荷重移動の中で、フロントフォークの減衰力応答性がモタつく瞬間があったり、そのせいで手応えが希薄に感じる場面があった。

ブレーキレバーを握りしめしながらコーナーに飛び込んでいく場面では、左右のフロントフォークの捻れる量がSPのほうが少なくて、フロントフォーク剛性の高さを感じられる。

少しペースを上げて走っていても、リアサスのストロークには常に余裕があって、コーナーでバンクした状態からスロットルを開けてもう1段階、旋回させることができちゃう。

ブレンボ製のフロントブレーキは、少々ハードにブレーキを使ってもガッチリとタフに受け止めてくれるんだけど、負荷が掛かっているブレーキング中に繊細なコントロールが可能だ。

あと、ワインディングであらためて良さを感じたのが、今回アップデートされた電子制御の部分。
ライダーのスロットル操作に対する反応の良さと、ライディングモードの組み合わせがグッド。

電子制御OFFで振り回すのも楽しいけど、トルクフルなビッグバイクを多くの人に扱いやすくしてくれる技術の進歩は素晴らしいし、やっぱりバイクは安全に楽しんでほしい。「家に帰るまで」がライダーの使命ですからね。

価格差37万4000円。その価値はあるのか?

愛車の足回りのパーツ変更やセッティング変更を行ったことある人も多いかと思います。上手くバランスを作り込んでいくのって、時間も費用もかなりかかりますよね?

足回りのカスタムって、実際にやってみないと分からないし、何事も失敗して学んでこそのバイクライフ。経験してみて初めて、パッケージで売られている商品の凄さが理解できたりもする。

メーカーが設定する部品を含めた車両のパッケージは、機能性から耐久性まであらゆる角度から厳しくチェックされています。そこに費やされる工数って、1バイクユーザーの趣味の時間では到底たどり着けない程の時間とノウハウがギッシリ詰まっているんですよ。

今回の試乗でも少しだけ調整したい欲は出たが、出荷状態で車体全体のまとまりがあって、誰が乗ってもストリートでは微調整の範囲で充分満足できるはずです。

やっぱりね、プロが作り込んだものってすごいんですよ。

画像: どー、れー、にー、しー、よー、うー、かー、なーーー。

どー、れー、にー、しー、よー、うー、かー、なーーー。

そうやって考えが一周すると、見た目にも高級感のある専用設計のオーリンズとブレンボがついていて+37万4000円ってのは、なかなかお買い得だと思います。

ホンダが誇る「SP」の看板を背負うモデルには、やはりそれなりの理由がある。SPの実力を、身を持ってハッキリと感じられました。

スタンダードでもハンドリングにクセがなくて、ワインディングを普通に流してると重量級のビックバイクに乗ってる事を忘れちゃうくらいに扱いやすかった!

文:竹山ケンタ/写真:南 孝幸、ホンダ

ホンダ「CB1300SF/SP」2021年モデルの主なスペックと価格

※《 》内はCB1300 SUPER FOUR SP

全長×全幅×全高2200×795×1125《1135》mm
ホイールベース1520mm
最低地上高130《140》mm
シート高780《790》mm
車両重量266kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量1284cc
ボア×ストローク78.0×67.2mm
圧縮比9.6
最高出力83kW(113PS)/7750rpm
最大トルク112N・m(11.4kgf・m)/6250rpm
燃料タンク容量21L
変速機形式6速リターン
キャスター角25゜
トレール量99mm
タイヤサイズ(前・後)120/70ZR17M/C(58W)・180/55ZR17M/C(73W)
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格税込156万2000円《193万6000円》

ホンダ「CB1300SB/SP」2021年モデルの主なスペックと価格

※《 》内はCB1300 SUPER BOL D’OR SP

全長×全幅×全高2200×825×1205《1215》mm
ホイールベース1520mm
最低地上高130《140》mm
シート高780《790》mm
車両重量272kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量1284cc
ボア×ストローク78.0×67.2mm
圧縮比9.6
最高出力83kW(113PS)/7750rpm
最大トルク112N・m(11.4kgf・m)/6250rpm
燃料タンク容量21L
変速機形式6速リターン
キャスター角25゜
トレール量99mm
タイヤサイズ(前・後)120/70ZR17M/C(58W)・180/55ZR17M/C(73W)
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格税込167万2000円《204万6000円》

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