ニッポンを代表するロングセラーブランド、カワサキ・Zシリーズの歴史と、そのDNAを色濃く残した現代のZ900RSを紹介しよう。

カワサキ「Z900RS」誕生の歴史

画像: Kawasaki Z900RS エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒 総排気量:948cc 最高出力:111PS/8500rpm 最大トルク:10.0kgf・m/6500rpm シート高:800mm 車両重量:215kg 燃料タンク容量:17L タイヤサイズ(前・後):120/70ZR17・180/55ZR17 メーカー希望小売価格:135万3000円(消費税10%込)

Kawasaki Z900RS

エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量:948cc 
最高出力:111PS/8500rpm
最大トルク:10.0kgf・m/6500rpm
シート高:800mm
車両重量:215kg
燃料タンク容量:17L
タイヤサイズ(前・後):120/70ZR17・180/55ZR17
メーカー希望小売価格:135万3000円(消費税10%込)

ライダーを惹きつける美しさと最新技術の融合

1969年、初の量産市販4気筒マシン・ホンダCB750Fourが世界を席巻し、これに対抗するモデルの開発をカワサキもスタート。そして満を持して1973年に送り出されたのがZ1だ。CBを凌駕するため排気量は900ccのDOHC4気筒を採用し、当時最強の動力性能を実現。スタイリングもスポーティな上に、大排気量車らしい堂々たる雰囲気もあって、世界中の多くのライダーから熱狂的に支持された。やがて空冷から水冷へと時代は変わり、Zも姿を消したが、Z1は現役時代以上の人気を集める。

そして2017年、カワサキは現代版Z1と言うべきZ900RSを登場させる。Z1譲りの精悍なスタイルに、エンジン、車体、電子制御デバイスなど、洗練された現代のメカニズムを投入し、豪快で俊敏な乗り味を再現。現代的な高い信頼性、扱いやすさに、名車Z1のDNAが融合したモデルとして、デビューするやいなや大ヒット。こちらも幅広い層のライダーから注目を集めている。

画像: 46年の時を隔てた両車の違いは大きいが、巧みなデザインでZ1の息吹を感じさせている。

46年の時を隔てた両車の違いは大きいが、巧みなデザインでZ1の息吹を感じさせている。

画像: 現行Z900用の948㏄水冷直4を、各部の専用チューニングで味わい深くリファイン。外観やマフラーのデザインも70年代風の仕上がり。

現行Z900用の948㏄水冷直4を、各部の専用チューニングで味わい深くリファイン。外観やマフラーのデザインも70年代風の仕上がり。

画像: 最新のZ900RSには、1974年のZ1に採用された「タイガーカラー」を再現したカラーも用意。水転写デカールを採用して美しい仕上がりに。

最新のZ900RSには、1974年のZ1に採用された「タイガーカラー」を再現したカラーも用意。水転写デカールを採用して美しい仕上がりに。

画像: アナログ表示の2連メーター。左が240㎞/hまで刻まれた速度計、右側は1万2000回転スケールの回転計。その間に多機能の液晶パネルが。

アナログ表示の2連メーター。左が240㎞/hまで刻まれた速度計、右側は1万2000回転スケールの回転計。その間に多機能の液晶パネルが。

カワサキ「Z900RS」ショート・インプレッション(太田安治)

画像1: カワサキ「Z900RS」ショート・インプレッション(太田安治)

Z900RSは最先端のスタンダードスポーツ。街中から峠まで、ツーリングで流すようなペースで乗り心地がよく、極めてイージーに扱え、軽快にフットワークする。速さや力強さをひけらかすことなく、徹底的な扱いやすさを魅力としている。

走りの雰囲気にもこだわりを持っていて、排気音はかつて集合マフラーが市販車に定着したばかりの頃の音質を彷彿させるもの。ハンドリングはストリートでの機敏さが光り、180km/hくらいの速度レンジまで、その身のこなしを安定して維持する。110馬力ほどのパワーだが、極低回転域がらよく粘り、滑らかに吹ける。快適さと扱いやすさ、街中や峠道での取り回しやすさは見事に実用的で等身大だ。

Z900RSの足つき性・ライディングポジション

シート高:800mm
ライダーの身長・体重:176cm・62kg

画像2: カワサキ「Z900RS」ショート・インプレッション(太田安治)

ハンドルが広めで高さもあるので、上体はほぼ直立に起きる。下半身は窮屈ではなくホールドはしやすい。ハンドルに手を添えるだけで身軽にフットワークできるポジションだ。

カワサキ「Z900」ブランドヒストリー

燦然と輝き続けるバイク界のレジェンド

Z1は1973年のデビューと同時に、圧倒的なパワーと強烈な存在感を放つフォルムが支持され、世界的なセンセーションを巻き起こした。後継モデルとして1977年にZ1000が登場するまで、ほぼカラーリング変更や細部の改良のみで販売されていた。

2017年末にデビューしたZ900RSは、水冷エンジンに倒立フォーク、ラジアルマウントキャリパーなどZ900譲りの最新メカに、往年のZ1イメージを再現したスタイリングを組み合わせた「現代のZ1」として登場。乗り味もZ1を想わせるスポーティさで、幅広い層のライダーに愛されるモデルとなった。

1973年 900 SUPER FOUR Z1

736㏄で最高出力67PSだったCBに対し、Z1の903㏄DOHC2バルブ・空冷直4は82PSを発生、当時世界最速のオートバイとして君臨した。

1974年 Z1A

黒かったエンジンがアルミ地肌のシルバー仕上げになる。メカニズムは変更されていない。

1975年 Z1B

Oリング入りドライブチェーン採用など、細部の改良で完成度をアップ。カラーリングやロゴなども細かく変わっている。

1976年 Z900

車名がZ900に。キャブレターが変更されややパワーダウン。タンクやサイドカバー、シートも新しくなり、カラーリングも変更された。

2017年 Z900RS

画像: 2017年秋の東京モーターショーで注目を集め、12月には国内発売を開始。ビキニカウルを装着したZ900RSカフェもラインアップ。

2017年秋の東京モーターショーで注目を集め、12月には国内発売を開始。ビキニカウルを装着したZ900RSカフェもラインアップ。

2018年 Z900

画像: Z900RSのエンジンや車体といったメカニズムのベース車。ストリートファイターであるZ1000の弟分で、2018年から国内発売された。

Z900RSのエンジンや車体といったメカニズムのベース車。ストリートファイターであるZ1000の弟分で、2018年から国内発売された。

文:オートバイ編集部、太田安治/写真:南 孝幸

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