往年の名車・DR-BIGを思わせるスタイルに生まれ変わったVストローム1050/XTが発売された。今回の新型は電子制御の大幅アップデートやエンジンの進化で、その乗り味にも磨きがかけられているという。そのパフォーマンスを試乗チェック!

スズキ「Vストローム1050XT」 試乗インプレ&解説〈宮崎敬一郎〉

使い勝手のいい相棒。XTはコスパも抜群!

画像: SUZUKI V-STROM 1050 XT 総排気量:1036cc 発売日:2020年4月24日 メーカー希望小売価格:税込151万8000円

SUZUKI V-STROM 1050 XT

総排気量:1036cc
発売日:2020年4月24日
メーカー希望小売価格:税込151万8000円

新しいVストローム1050には約143万円のスタンダードと約152万円のXTが設定されている。その差は約9万円。今回試乗したのは上級グレード、XTだ。

トラコンやABS、前後連動ブレーキなどの電制アシスト機構をIMUとシンクロさせ、車体の動きに対応した制御をしてくれる。タンデムや重積載、登り下りといった坂道でもその制御を可変させる。スタンダードはトラコンとライディングモードのみ。

これだけでも大きな差だが、XTはサブフレームのようなエンジンガードやアンダーガードも標準装備。こっちがお得だぞ、とスズキがハッキリ言っている気さえする。

画像1: スズキ「Vストローム1050XT」 試乗インプレ&解説〈宮崎敬一郎〉

もともと、Vストロームはオンロード指向が強めのモデルだった。先代のVストローム1000は、4速全開でフルバンクするようなコーナリングでも音を上げないスタビリティもあった。だがこのXTはサスがリセッティングされ、ホイールもスポークだ。

キャストに対し、スポークホイールは、まるで空気圧を少し抜いて路面追従性を強めたような感触を示す。試乗車はまだ新車ということもあり、サスの動きは少し硬めだったが、衝撃の角をいくらか丸めてくれる。この程よい柔軟さはライダーにとっては気楽な操作ができる大きなポイントだ。オンロード、とくに高速クルーズでは、手放しでどこまでも走れそうな安定感を誇るが、急な機動が必要な時は素直に従ってくれる。

6速・100km/hはおおむね3500回転。このエンジンがもっとも滑らかに回るところだ。シートに軽く振動が出るのは5000回転あたりから。ほぼフラットなトルク特性だが、この辺りからはピックアップがよく、リッタークラスらしいダイレクトで強力な加速をする。ちなみに、6速でこの回転数だと150km/h以上。つまり、法定速度内のクルーズはすごく快適ということだ。

画像2: スズキ「Vストローム1050XT」 試乗インプレ&解説〈宮崎敬一郎〉

このバイクの前後連動ブレーキはかなり知的で、Uターンでリアを使うときやコーナリング中のフロントブレーキでも極端な違和感がないし、制動力も非常に強力だ。

オンロード寄りのタイヤが標準なので無茶はできないが、フラットダートもふつうに走れる。滑り出しが早い分補正も楽だ。ウネリのあるようなところを50〜60km/h以上で飛ばしても、簡単にサスがボトムすることもないが、最低地上高はそんなに高くないので、むしろ低速で段差を越える時は要注意。ガードがあっても、そこはわきまえたい。

フロントが重く、しっかりとグリップするのもこのバイクの魅力。車体の重心より後ろが長い感じで、フラットダートなどでリアが大きく流れても、その挙動は穏やか。慣れたライダーなら流して遊べるほどだ。

画像3: スズキ「Vストローム1050XT」 試乗インプレ&解説〈宮崎敬一郎〉

これだけステージを選ばない走りなら、ダートが点在する山奥を探検するぐらいは余裕。力もあって乗り心地もいい。高速でひとっ飛びして、山奥や峠で豪快に遊ぶ。Vストローム1050シリーズは、日本に合った、使い勝手のいい旅の相棒になりそうだ。

This article is a sponsored article by
''.