「カブで林道、走りませんか?」
ってなことを、いつも一緒にキャンプにいくY氏がのたまうので、林道仕様っぽくしてみることにしました。
とはいえ何事もカタチから入る主義なので、見た目だけ。チャリで言うところのルック車です。
イメージはこんな感じ。
困ったときはカブ専門店
見た目をアップマフラーにして、アンダーガード(スキッドプレート)をつけたいなーっと。
世の中には、カブをガチの林道仕様やトライアル仕様にする強者もいますが、自分はそもそもオフをまともに走ったことないし、あくまで見た目でルックルックこんにちは。
アップマフラーについては、Amazonで売ってたパチモノDAXマフラーが気になったけど、とりあえずCuby(カビィ)さんに電話。
「ちょうど良いのがあるよー」というので、さっそくカブを積んで豊橋に向かうのです。
カビィさんに到着したら、渡されたのがアメリカンダックスのマフラー。
普通のダックスと違ってメガホンになってて超イカス! ボロくてかっこいい!
マッドマックス感!そういえば怒りのデス・ロード続編も制作確定だとか。震える。
可能な限りレッグシールドは残したい。しかしエキパイに干渉しまくる。なのでメンテナンス窓をゴリゴリと開口しました。
ステーを作ってもらって乗ってみたら、足が少々熱い。マフラーだもんね。なのでナットを溶接してもらってヒートガードを装着。
これまでの昭和マフラーと比較すると、露骨にパワーダウンしたけど、これはこれで新鮮で良い。
サウンドは、見た目によらずジェントリー。ゆうて50cc用のノーマルマフラーだからね。
ついでにエンジン内部もチューニング
林道仕様にはあんま関係ないんですが、エンジンのチューニングっていうか、新しくパーツつけました。Cubyオリジナル商品の超軽量スポーツプライマリードリブンギア。
そもそもプライマリードリブンギアってなんじゃろって話ですよね。
わしもわからん。
クランクの駆動力をトランスミッションに伝えるギアですよ。カブに使われているギアの中でも、ぶっちぎりで一番重いギアになります。
ほうほう、それを軽量化するとどうなるんです?
そもそも、一般的なバイクのレシプロエンジンって、回転力を発生させるクランクに一次ギア(ドライブギア)が付いてて、それがクラッチを介してトランスミッションに駆動力を伝えてます。まずこれが前提。
だけど、CD90系を除く 2007年以前の国内販売ホンダ横型エンジン、つまりカブのエンジンもドンピシャで含まれるわけですが、遠心/マニュアル問わずクランクに直接クラッチが付いてる。これは、クランクに重い回転物がダイレクトに付いているわけで、バイクのエンジンとしてはかなり特殊な構造なんです。
で、この重い回転物を少しでも軽くすることでピックアップを良くすることで、走りを寄り良いものにしたい。50のノーマルエンジンであれば、はずみ車的な意味愛もあるので、重さに意味もでてくるんですが、それ以上の排気量やチューニングエンジンだと、この重さがネガになってしまうんですよね。
で、軽量化。クランクにくっついたクラッチそのものを軽くできれば良いのですが、機能性を持った構造物なのでそうそう軽くする事は出来ません。ならばクラッチから直接駆動力を受けるプライマリードリブンギアを軽くして、少しでも頑張って回そうとしてるクランクの負担を軽減してあげようってのがこの軽量化なんです。
ギア自体を薄くすれば軽くはなるんですが、実はそれは割と怖いところなんです。ノーマルならいざ知らず、ボアアップなどのチューニングによりある程度パワーが出ているエンジンで、全く減速していないクランクから直接駆動を受ける部分のギアを薄くすると、ギア破損のリスクが伴います。なにせエンジン内の回転数としてクランクの次に高回転になりますので。同時に、歯車部品は刃先が例外無く焼入れされてるため、硬いけど脆いという特長もあって、ギア幅にはあえて手を入れないことにしました。いくら高性能でも強度/信頼性が低いのは個人的にNGなので。
こうした制約を踏まえたうえで、劇的な軽量化を実現してます。強度と信頼性、軽量化を達成した、ノーリスクハイリターンなチューニングパーツになっていると自負してますよ!
なるほど、ほとんどわからん。
察するにチューニングエンジンにつけるとピックアップが良くなるってことですね。ピックアップには満足してるけど、ノーリスクハイリターンつうのは良いですな。
で、装着。
確かにアクセル開けた時の反応がすごく良い。
これまで信号スタートや、交差点を曲がってアクセルを開け始めた時に息ツキしてて、ちょっと心穏やかではなかったんですよね。それがなぜか解消。思うに、スロットルの反応が良くなったからアクセルをガバッと開ける必要がなくなって、自然に解消したのではないかと。結論としては、すげー乗りやすくなりました。割と別次元。これは良いものです。
あえて難点をいえば、カブ乗り以外にはプライマリードリブンギアというのが伝わりにくい。自分もそんなギア知らなんだし。
アンダーガードはDIY
アンダーガードはシリンダーまでカバーしたかったのですが、どうにもちょうど良いパーツがないので、仕方なくアルミ板を切ってカブ仲間と自作。
雪中ツーリング(下記参照)で活躍した行燈カブマンがせっせと作ってくれました。
折り曲げたアルミ板を、レッグシールドの下側マウントボルトとステップのボルトに共締めするスタイル。割とこれ良いんじゃない!?
カラーの圧入マジつらい
あとは、ルック車らしくリアサスをもうちょっと速そうなやつにしたい。
YSSが良いんだけど、カブ90につきそうなのは東京堂コラボの赤スプリングしかない。
知り合いが装着していたので、性能の良さは知ってるけど赤スプリングが自分のイメージとちょっと違うのよね。んで、ふとメルカリをみていたらカブに付きそうなメッキスプリングのYSSを発見。しかも新品。もちろん購入さっそく装着。
って、カラーが付属してきたけど圧入めちゃめちゃしんどいですな。たまたま持ってた万力と工具のソケットとかを駆使してなんとかできたけど、結構厳しかった。
さて試運転。
うひょー。めっちゃ乗りやすいー。リアサスだけでバイクが別物に変わりますな。すごいすごい。ただ、性能良よすぎて走りがマイルドに思えるのがちょっと寂しい。 今までつけてたタイカブサスのバンピーな乗り味も捨てがたいけど、長距離の快適さのためには仕方ない。
スーパーカブ90〈林道仕様〉完成ですぞ
これにて完成!
雪中キャンプに使ったスノータイヤ(DUNLOP S106)が、オフロード走行にも適正があるらしいんで、今後は林道用にしようかと。パターンもミシュランM35よりごついし。安い上にオフも雪道も走れるなんて、これは良い買い物でしたわ。もっと宣伝すればいいのに。
前回のホワイトレターでちょっとだけコンペティティブでしょ。
リアはもうちょっと車高を上げたかったけど、チェーンスライダーを作り直すとかになったら大変だし、このままで。
レッグシールドをフレームカバーにしたり、リアウィンカーを小型化したりとかもアリだと思うけど、目指すのはルック車なのでこれで良しとします。あとは実際に林道走ってから考えよう───
おまけ:カブを車に積みたい人に
フリードスパイクに乗ってるんですが、カブを積むときにいまいちタイダウンをかける場所がない。そんな話をCubyさんにしてたら、トランポ用アイボルトなるものを教えてくれました。即購入、これは良い。実に楽。安いし。
フリードスパイクの場合は、ステップ下のボディ部分にほどよく穴が開いてるので、そこに合わせてステップ部分に穴開けてみました。割と目立つので普段は適当な蓋をつけてます。
若林浩志/プロフィール
愛知の地方カメラマン。1973年生まれ。撮影は、バイクと料理とブツ撮りが好き。
所有バイクは、ホンダ・スーパーカブ90とヤマハ・TDR250。平成終盤にキャンプに目覚め、ネットで用品を買いまくる毎日。
趣味はamazonレビュワーランキング上げ。最近はメルカリにハマっています。