多くのファンを持つカワサキ2ストトリプル。最初は60 年代末に登場。マッハシリーズとしてSSの名を冠していた。そして70 年代中期から車名はKHへ。同じエンジンレイアウトでありつつ、KHはマッハと異なる部分もあるという。そしてマッハよりもKHが好きというライダーも確実に存在する。その魅力な何なのか。

撮影●鈴木広一郎 文●濱矢文夫 車両協力●UEMATSU 情報提供●ミスターバイクBG

深化したカワサキ2ストトリプル

3本あるマフラーの後端から出た青白い煙があたりをくゆらし、アイドリングしていると風向きによっては身にまとうようにもやが絡みついて、目の前をただよう。

「ははは、くさいなぁ」そう言いながら顔がほころんでしまう。2ストオイルが燃えるニオイをかぐと昔からお腹の奥のほうがきゅーっとするのはなんでだろう。私だけかな。

街がほぼ4ストロークだけの世界になったことを小馬鹿にするような軽く乾いた、そしてなかなか大きな排気音を投げつけて、路上の異端者は理屈っぽくない魅力を放っている。

画像1: 深化したカワサキ2ストトリプル

カワサキ空冷2ストの代名詞的であるシリンダーが横に整列した3気筒エンジンが発生のもとになっている振動は、マッハ時代からの進化と、ラバーマウント化されていることもあってか、スロットルを大きく開けても許容できる程度。ちまたでじゃじゃ馬と言われたものの末裔とは思えない紳士的なふるまい。

実にあっけなく常識的に動かせてしまう。まあ今まで初代から何台か500SSにも乗ったことがあるけれど、振動があって飛ばすとややトリッキーな面が少し見えるだけで、畏怖するような印象を持ったことがないけれど。

画像2: 深化したカワサキ2ストトリプル

燃料と混ぜて燃やすオイルの量や銘柄の違いで2ストは特性がはっきりと変わり、調整で量を少なくすると鋭い吹け上がりになる。だから過去に乗ったのが焼き付きを避けるために濃い目にしていて穏やかだったのもしれない。

だがそれを考慮してもじゃじゃ馬は言い過ぎで、はじけるようにエネルギッシュで時にやや不安定な若い娘くらいが相当。話はそれたが、そんなマッハと比較して御しやすさは格段に上だ。

クラッチを繋いだところからしっかりトルクがあって、さらに右手の動きに適度なレスポンス。そこでトルクの出るさまが急で過敏に反応するような神経質さはない。7千回転以上に回して、パワーバンドという甘美な現象を楽しんでも、粗野で無作法な感じはない。

画像3: 深化したカワサキ2ストトリプル

カタログスペックだけを見れば、環境対策もあって500SSの最終H1Fの59馬力、5.7キロのトルクから、52馬力、5.4キロにパワーダウンしているけど、停止からのフル加速で高回転に入れ続ければフロントフォークが伸び切って、ふわふわっと前タイヤが地面を離れていく加速がある。

画像: 今回は2 台の貴重なKH500 を撮影する事が出来た。1台は輸出仕様で(写真の向かって右)、スピードメーターはマイル表示。速度警告灯は装備していない。

今回は2 台の貴重なKH500 を撮影する事が出来た。1台は輸出仕様で(写真の向かって右)、スピードメーターはマイル表示。速度警告灯は装備していない。

画像4: 深化したカワサキ2ストトリプル
画像5: 深化したカワサキ2ストトリプル
画像6: 深化したカワサキ2ストトリプル
画像7: 深化したカワサキ2ストトリプル

■以下詳細は、ミスター・バイクBG4月号でお楽しみください。
撮影●鈴木広一郎 文●濱矢文夫 情報提供●ミスターバイクBG

1976 KAWSAKI KH500 A8 SPECFIACTIONS

● エンジン種類:空冷2 ストローク3 気筒ピストンバルブ● 総排気量(ボア×ストローク):498.0cc(60.0 ×58.8mm)● 最高出力:52.0PS/7000rpm ● 最大トルク:5.4kg-m/7000rpm ● ミッション:5 速リターン●全長×全幅×全高:2085 × 835 × 1140mm ● ホイールベース:1410mm ●タイヤ前・後:3.25-19・4.00-18 ●燃料タンク容量:16.0ℓ●乾燥重量:192.0kg ●発売当時価格:37 万5000 円 ※スペックは国内仕様

■ミスター・バイクBG 4月号絶賛発売中です

<オンライン書店での購入はこちら>

◆Amazonで購入

◆楽天ブックスで購入

◆セブンネットショッピングで購入

ミスター・バイクBGの定期購読申込みはコチラから!

<定期購読>

『Mr.Bike BG』  毎月14日発売 定価600円(税込)
■下記のプランからお選びいただけます
月額払い:毎号価格
1年講読:7,200円 プラス1号贈呈

Webミスターバイクのオススメ記事「青春の2Q」はこちら

Webミスターバイクの関連記事はこちら

This article is a sponsored article by
''.