自らを「神社巡拝家®」と名乗り、これまで訪れた神社は10000社以上! 日本一、神社と旅を愛するバイク乗り・佐々木優太の神社拝走記。今回の旅で訪れたのは、栃木県の真岡市に鎮座する「大前神社」。そこで出会ったのはバイクが書かれた絵馬と一人の熱いバイク乗りだった。
※この記事は月刊オートバイ2018年9月号(別冊付録 RIDE)で掲載したものを加筆修正しております。

旅で待ち受ける新たな出会い

全国の神社をSR400で巡る神社拝走記も、2年目に突入しました。

画像: 旅で待ち受ける新たな出会い

頭の中で描いていたSR400のカスタム計画は、段階を経て手をつけるのではなく、先日いっきに実行しました。そのため、1日で見違えるほどの変身をしたのです。色やSR400の持つ独特の雰囲気は変わっていないものの、乗車姿勢は激変。ハンドルを換えただけでここまで変わってしまうのかと、バイクの奥深さを改めて感じる機会にもなりました。

だって目線が少し下がっただけで、エンジンは同じなのに加速が良くなったように感じるんですよね。高速道路も前傾になった恩恵でより楽しくなりました。

愛車のSR400のカスタム紹介

連載スタートと同時に、新車で乗り始めたヤマハSR 400。純正スタイルで1年間乗ってきました。かねてから妄想していたカスタムを、ここでいっきに敢行しました。

まずは王道のセパハン! 

画像1: バイクの絵馬! ライダーが集まる大前神社、足尾山神社と地元の人の想い/神社巡拝家・佐々木優太の「神社拝走記」【第12回】(栃木県)

誤解を恐れずに言うと、SRにとってセパハンも純正と呼べるのではないでしょうか。それくらい馴染んでますね(笑)。

画像2: バイクの絵馬! ライダーが集まる大前神社、足尾山神社と地元の人の想い/神社巡拝家・佐々木優太の「神社拝走記」【第12回】(栃木県)

そして、マフラーは安心のプラナスのスリップオン。

ステップは、正直…攻めすぎました。

画像3: バイクの絵馬! ライダーが集まる大前神社、足尾山神社と地元の人の想い/神社巡拝家・佐々木優太の「神社拝走記」【第12回】(栃木県)

どうせやるならと、タンデムステップ並みの位置のものを採用。

姿勢は満足なんですが、ステップがエンジンから遠くなったせいで、いかんせんギアチェンジが渋すぎる。早くも次を検討中です。

「純正感」を大切に、まずは、ざっとここまで。そう言えば、燃費が驚くほど伸びましたよ。

さて、新生SR400で拝走するのは何処の神社にしようか。そう思っている時に、タイムリーな情報を耳にしました。何やら、2018年7月より「国産4メーカーの絵馬」が揃ったらしいのです!

そこは栃木県真岡市に鎮座する大前神社。以前からバイクが描かれた絵馬が存在していることは知っていましたが…。

画像: 梅雨の時期を乗り越えた稲の色が、一段と深く感じる程の日差し。信号待ちなどで止まっていると、言葉にし難い暑さが襲ってくる。だから疾走り続けるしかない。信号が少なそうな道を選んでは、小回りのきくSRでどんどん疾走り抜けて行く。田んぼの間の細い道を。

梅雨の時期を乗り越えた稲の色が、一段と深く感じる程の日差し。信号待ちなどで止まっていると、言葉にし難い暑さが襲ってくる。だから疾走り続けるしかない。信号が少なそうな道を選んでは、小回りのきくSRでどんどん疾走り抜けて行く。田んぼの間の細い道を。

バイクと神社とバイク絵馬、これはもう行くしかない。しかも、愛車をカスタムしてから初の神社拝走記。と言うことで、大前神社に向かって疾走り出しました。

真岡市は栃木県の南東に位置しています。東京からの距離は、約100㎞。

失礼ながら「もおか」って、なかなか読みづらいですよね。そのせいか、地元の方々は真岡をもっと知ってもらおうと地元愛が素晴らしく深い!

旅をしていると、地元の方がいろいろとおすすめスポットを教えてくださいました。栃木といえばイチゴ。なんと生産量は、全国1位。紹介していただいたお店は、ほとんどと言っていいほど、イチゴを使ったメニューがありました。

画像4: バイクの絵馬! ライダーが集まる大前神社、足尾山神社と地元の人の想い/神社巡拝家・佐々木優太の「神社拝走記」【第12回】(栃木県)

世界一を目指すかき氷「寿氷」

栃木県真岡市荒町5161

氷は水から拘った透明度で、削られてくるのは絶妙な割合で空気を含んだフワフワのもの。 それを限界の高さまで注いでくれます。

味付けはシロップではなく、地元栃木県産のイチゴ「なつおとめ」をすり潰してかけます。

上からかぶりつくと、その度に「イチゴ」をたしてくださいます。素材そのままの味のはずなのに、かき氷にして食べるとここまで違うのかと驚くこと間違いなしです!

イチゴ氷:900円

そして、焼き物で有名な隣町の益子町へも疾走りましたよ。バイク乗りが集う神社と、バイク絵馬はライダー必見! 早めに梅雨明けした夏空のもと、新生SR400で疾走ってきました。

画像: 真岡市のすぐ隣に位置しているのが、焼き物で有名な益子町。江戸時代末期に始まったと言われている益子焼。窯元共販センターの売り場は、数えきれない陶器が。人間国宝作のものから手軽なものまであって、時間を忘れてしまう程でした。

真岡市のすぐ隣に位置しているのが、焼き物で有名な益子町。江戸時代末期に始まったと言われている益子焼。窯元共販センターの売り場は、数えきれない陶器が。人間国宝作のものから手軽なものまであって、時間を忘れてしまう程でした。

画像5: バイクの絵馬! ライダーが集まる大前神社、足尾山神社と地元の人の想い/神社巡拝家・佐々木優太の「神社拝走記」【第12回】(栃木県)

益子焼の釜飯 益子焼の釜飯

栃木県芳賀郡益子町益子4264

益子の釜めし膳 :1100円

地元栃木で採れた山菜や地鶏、それを一つの器に閉じ込めた「つかもと」自慢の釜飯! 器はもちろん益子焼です。旅先を味わい尽くすって正にこの事ですね。

ここはバイク乗りが集う神社

2017年に比べ、全国的に梅雨明けが早かった。疾走ったのは7月の初め頃でしたが、体感は8月の夏真っ盛りの頃のようでした。

毎年夏でも革ジャンを着て「暑い、暑い〜」と言いながらも、乗り切るのに。今年はいよいよ、そうもいかなくなってきました。

バイクは特に、太陽に加えて跨ったエンジンの強烈な熱波がありますからね。冬用の電熱グッズが出ている時代、そのうち夏用の水冷スーツが一般化したりして。

大前神社の境内はとても広く、そのなかにも幾つかの小さな神社が存在しています。

画像: 大前神社 栃木県真岡市東郷937

大前神社

栃木県真岡市東郷937

画像: 北関東自動車道の真岡I.Cより15分。近くには真岡鉄道が走り、すぐそばに水量豊かな五行川が流れています。長い参道の木陰は、川からの風と合間ってとても涼しい。広い駐車場もあり、バイクでの参拝者が次から次へとやってきます。

北関東自動車道の真岡I.Cより15分。近くには真岡鉄道が走り、すぐそばに水量豊かな五行川が流れています。長い参道の木陰は、川からの風と合間ってとても涼しい。広い駐車場もあり、バイクでの参拝者が次から次へとやってきます。

だいこく様と、えびす様の最強タッグ

大前神社の御祭神は、だいこく様とえびす様。七福神のメンバーでもお馴染みの神様ですね。

多くのことを成し遂げた神様だけに、多くのご利益があるとされています。

でもやっぱりイメージしやすいのは開運招福ですね!

画像: 参拝後にはもちろん、社務所にて御朱印を受けました。大前神社の御朱印の他にも、足尾山神社の御朱印も受けられます。

参拝後にはもちろん、社務所にて御朱印を受けました。大前神社の御朱印の他にも、足尾山神社の御朱印も受けられます。

今回の御朱印

8月31日までの期間は特別に夏詣(なつもうで)仕様になっています。通常は鳳凰の印が捺されるところ、夏詣期間中は大前神社の神使である鯉が金で捺されます。鯉の印は、全国的に見ても珍しいかもしれません。

画像: 連載も2年目に突入し、愛車SRもカスタムしたということで、安全祈願を受けさせていただきました。事前に記入したものを基に、自身の氏名や住所などに加え、バイクのナンバーも神職が読み上げてくださいます。神職が祝詞(のりと)とともに神様へ安全への願いを届けてくれるのです。

連載も2年目に突入し、愛車SRもカスタムしたということで、安全祈願を受けさせていただきました。事前に記入したものを基に、自身の氏名や住所などに加え、バイクのナンバーも神職が読み上げてくださいます。神職が祝詞(のりと)とともに神様へ安全への願いを届けてくれるのです。

画像: 駐車場には、こんな標識(たぶん看板)がありました。ルートのところも、ちゃんと「神道」になってました。

駐車場には、こんな標識(たぶん看板)がありました。ルートのところも、ちゃんと「神道」になってました。

画像: 永い歴史を有する大前神社。未来に向けて更に続くよう、今も境内整備など参拝者のために事業を続けておられます。

永い歴史を有する大前神社。未来に向けて更に続くよう、今も境内整備など参拝者のために事業を続けておられます。

大前神社を参拝し、社殿の裏へ延びる細い参道を進みます。そこに現れる足尾山神社(あしおさんじんじゃ)。この足尾山神社こそが、バイク乗りたちに信仰されている神社なのです。

神社とバイク。どうも直結しない両者のイメージ。この足尾山神社がなぜ、バイク乗りたちに注目され、信仰されるようになったのでしょうか。

画像: 一度に色々な箇所をカスタムしたSR400。スタイルがガラリと変わり、別のバイクになったと言っても過言ではありません。連載も2年目に突入したと言うことで心機一転。祈願の後は、足尾山神社の前でSRのお祓いを執り行っていただきました。神社とバイク、神職の方と神社巡拝家の並び。こんなにしっくりくるのは、足尾山神社ならでしょうか。

一度に色々な箇所をカスタムしたSR400。スタイルがガラリと変わり、別のバイクになったと言っても過言ではありません。連載も2年目に突入したと言うことで心機一転。祈願の後は、足尾山神社の前でSRのお祓いを執り行っていただきました。神社とバイク、神職の方と神社巡拝家の並び。こんなにしっくりくるのは、足尾山神社ならでしょうか。

交通安全の神社として信仰されている神社の多くは、古の時代に航海の安全を願った船乗りたちが祀った神社などをルーツに持っています。

しかし、足尾山神社はその系統ではありません。こちらの神社が「バイク神社」と呼ばれるようになったのは、10年ほど前からだそうです。

もともと大前神社の境内で祀られていた足尾山神社。御祭神はサルタヒコ。神話の中で道案内をしたことから、導きの神として祀られていることが多い神様です。

そこから転じて、足腰の神様としても信仰されています。その足腰の神様を、バイク乗りたちが信仰し始めたのがスタートだと言います。

「何歳になってもバイクに乗り続けるには、足腰が強くなければならない」という熱い願いがあったんだそうです。

確かに、ライダーは足腰が丈夫でなければ。読者の皆さんも、共感できるのではないでしょうか。

画像: 大前神社の隣に鎮座する恵比寿神社。神社の上にはなんと、強烈な存在感を放つ巨大なえびす様! 離れたところからでも、スグに神社の場所がわかります。

大前神社の隣に鎮座する恵比寿神社。神社の上にはなんと、強烈な存在感を放つ巨大なえびす様! 離れたところからでも、スグに神社の場所がわかります。

画像: 大前神社の境内に、ひっそりと鎮座されている足尾山神社。しかし近づいてみると、社殿は奉納されたバイク関係のものに埋め尽くされているのに驚く。

大前神社の境内に、ひっそりと鎮座されている足尾山神社。しかし近づいてみると、社殿は奉納されたバイク関係のものに埋め尽くされているのに驚く。

そして、その輪が少しずつ広がりを見せます。バイクに関するものが奉納されたり、それを聞きつけたライダーたちによるイベントが開かれたりと。

参拝者側から起こったこの信仰を、大前神社も快く受けとめ、今も温かく見守っています。

画像: 地域の人の熱い想いに、神社側が「場所」を提供する。またそれを参拝者が大切にしていく。これこそ、神社の理想の姿の一つだと思う。バイクを中心に人が集まり、想いが形になっていくようです。

地域の人の熱い想いに、神社側が「場所」を提供する。またそれを参拝者が大切にしていく。これこそ、神社の理想の姿の一つだと思う。バイクを中心に人が集まり、想いが形になっていくようです。

1人のライダーから始まった

バイク乗りたちが集まり呼び始めた「バイク神社」こと、足尾山神社。

今ではライダーたちの集会イベントが、開かれるほどになりました。県外からも、多くのバイク乗りたちが参拝に訪れます。

そんな「バイク神社」も、最初は1人のライダーから始まったのです。

画像: 1人のライダーから始まった

この日、僕が神社へ来るのに合わせて、待っていてくださった方がいらっしゃいます。

その方こそ、足尾山神社がバイク神社と呼ばれるまでになったキッカケを作った人。吉川正人さんです。

ミスターバイクBG「空ちゃんの旅」作者 吉川正人さん
気さくな吉川さん。最初は自分1人だったのに、今では多くの人が集うようになったことに驚いている。と、想いをたくさん話してくださいました。

こちらが吉川さん作の漫画の主人公、空ちゃん。境内のお茶屋さんにいます(笑)。見つけてくださいね。

現在も、神社の近くにお住まいだという吉川さん。ご自身も、大のバイク好き。そして、バイク乗りです。

10年ほど前に、地元の人同士で「真岡はいつも通り過ぎられてしまう。旅の目的地になれればいいね〜。」と、話していたそうです。

確かに、知らなければ「もおか」と読みづらい。それは地元の方々がよくご存知で、そのぶん地元の知名度を上げたいという思いも強い。

そんな時に、足尾山神社の御祭神サルタヒコのご利益を知ったそうです。それはサルタヒコが足腰の神様ってこと。

そして「いつまでもバイクに乗っていたい。足腰が丈夫でありますように」と参拝し、少しずつ願いを込めてバイクに関するものを奉納していったそうです。

画像: 足尾山神社への奉納や、イベントなどの窓口をされている権禰宜(こんねぎ)の根本さん。参拝者から起こった「バイク神社」を、これからも見守っていきたいと話されていました。

足尾山神社への奉納や、イベントなどの窓口をされている権禰宜(こんねぎ)の根本さん。参拝者から起こった「バイク神社」を、これからも見守っていきたいと話されていました。

画像: 足尾山神社の社殿には、収まりきならいほどバイク関係の奉納がされています。そして、遂にこんなものまでが! ライダーなら、参拝後はココに顔をハメて写真を撮るべし。

足尾山神社の社殿には、収まりきならいほどバイク関係の奉納がされています。そして、遂にこんなものまでが! ライダーなら、参拝後はココに顔をハメて写真を撮るべし。

吉川さんは、ミスター・バイクBGに掲載されている漫画「空ちゃんの旅」の作者でもあります。その縁もあってか、徐々に足尾山神社の名前がライダーたちに広がっていったと言います。

そして、いつの頃からかバイク神社と呼ばれる様になったそうです。最初は参拝も奉納も1人だったのに、今では大勢の人が想いを共有しています。

画像: 境内の一角に「のんび里館」というスペースがあります。こちらも、バイクや車に関するマニアックなものがたくさんありました。そのほか懐かしいバイクグッズや、プラモデルなども。全てにストーリーがあり、人の想いが込められていました。忘れていましたが、ここは神社の境内!

境内の一角に「のんび里館」というスペースがあります。こちらも、バイクや車に関するマニアックなものがたくさんありました。そのほか懐かしいバイクグッズや、プラモデルなども。全てにストーリーがあり、人の想いが込められていました。忘れていましたが、ここは神社の境内!

吉川さんが願った「真岡を目的地にしたい」という想いは、神社を中心に多くの人へ伝わったんですね。

「人が集まり、何かが生まれ、広がっていく。神社とはそういう場所なのかもしれない。」と、笑顔で仰っていました。

この川重ガスタンクも、吉川さん奉納のもの。今となっては、とっても珍しく貴重です。よく見るとリバーマークがあるので、参拝時には要チェックです。

絵馬に書き遺す今日の想い

吉川さんの想いに賛同した人が、バイクを描いた絵馬を足尾山神社へ奉納したそうです。奉納された2枚の絵馬に描かれていたバイク、それはホンダCB750フォアとカワサキZ 1。

この絵の素晴らしさを、もっと多くの人に知ってもらおうと、神社で頒布を開始したそうです。そして今回ヤマハとスズキも加えられ、国産4メーカーが揃ったというわけです。

画像: 以前から頒布されていたホンダCBとカワサキZの絵馬に加え、この夏よりヤマハとスズキの絵馬も頒布が開始されました。ヤマハはRZ250、スズキはKATANAが描かれています。その場で願い事を書いて奉納するのはもちろん、自分用に持って帰る人もいるそうです。気持ちわかるな〜。全メーカーの絵馬を揃えたくなりますね。1枚500円。

以前から頒布されていたホンダCBとカワサキZの絵馬に加え、この夏よりヤマハとスズキの絵馬も頒布が開始されました。ヤマハはRZ250、スズキはKATANAが描かれています。その場で願い事を書いて奉納するのはもちろん、自分用に持って帰る人もいるそうです。気持ちわかるな〜。全メーカーの絵馬を揃えたくなりますね。1枚500円。

これらの動きが、地元の人や参拝者たちから起こされたというのは、本当に素晴らしいことです。いつの頃からか、誰かがそう呼び始めた。これは、神社にとって自然な流れなのです。

僕たちが歴史的だと思っているものでも、意外にも始まりはそういうものが多いかも知れません。

逆に言うと足尾山神社のように「いつの頃からかバイク神社と言われていた」というような事の方が、歴史を作っていくのです。

画像: 絵馬に書き遺す今日の想い

それを受け入れ、見守っている神社が存在するというのも嬉しいですね。普通に考えると、ガスボンベの奉納やプラモデルコーナーの設置など、許してくれなさそうですが(笑)。

人が人を呼び、想いが想いを繋ぐ。大前神社には、そんな見えないものを感じられる気がしました。これを、ご利益と呼ぶのかも知れませんね。

SR400のカスタム後、初めて臨んだ拝走記。ご祈祷とお祓いも受け、気持ちも新たに疾走り出せそうです。

そもそも絵馬ってなに?

画像7: バイクの絵馬! ライダーが集まる大前神社、足尾山神社と地元の人の想い/神社巡拝家・佐々木優太の「神社拝走記」【第12回】(栃木県)

意外と知らない「絵馬」の由来と書き方

その昔、神様は馬に乗って現れるとされていました。その事から神事の時に、馬を奉納していたそうです。

また、水に関する神社では続く雨を止めるために白馬を、逆に雨を降らせたい時には黒馬を奉納したそうです。

しかし、実物の馬を奉納できない人たちもいました。

その人たちは、板に馬の絵を描いて奉納したそうです。神事も、同じ様に簡略化されていきました。

そのうち、これに願い事を書く様になり、今の絵馬になったと言われています。だから「絵馬」と漢字で書くんですね。

大前神社の絵馬は、馬は馬でも鉄の馬ですね。以前は、氏名や住所を詳しく書かないのが主流だったそうです。願いや決意を書き入れて奉納しましょう。

画像: 初穂料を納めると、絵馬をいただけます。そこに想いを書き入れて、境内に用意された絵馬掛けへ奉納します。

初穂料を納めると、絵馬をいただけます。そこに想いを書き入れて、境内に用意された絵馬掛けへ奉納します。

僕は、何か願いを叶えたくて神社を巡っているわけじゃありません。人に出会いたくて、見た事ない景色を見たくて疾走っています。

その決意を絵馬に書く事ができて、気持ちを新たにする、とてもいい機会になったと思います。それが鉄の馬の絵ときてるから、これもまた縁を感じざるを得ません。

みなさんが足尾山神社を参拝した際、僕の絵馬がぶら下がっているか探して見てくださいね。

絵馬に書いた決意を、目に焼き付けて疾走り出す… 神社拝走の旅は続く!

画像: 選んだ図柄は、もちろんヤマハ。ここでは願い事ではなく、決意を書かせていただきました。この1日前に34歳になったばかりだったので、強い想いで書きました。

選んだ図柄は、もちろんヤマハ。ここでは願い事ではなく、決意を書かせていただきました。この1日前に34歳になったばかりだったので、強い想いで書きました。

文:佐々木優太/写真:関野 温
※この記事は月刊オートバイ2018年9月号(別冊付録 RIDE)で掲載したものを加筆修正しております。

This article is a sponsored article by
''.