編集部員が趣味で買ったものをご紹介する「webオートバイ編集部員の自腹インプレ」。今回はオフ車好き岩瀬が85,000km乗っている愛車CRF250Lのバッテリーをリチウムイオン化してみました。今では純正採用されるバイクも増えて来たリチウムイオンバッテリーの気になる始動性や軽さ、耐久性はいかに? 

写真•文:岩瀬孝昌

およそ85,000km、約8年間使った"純正バッテリー"が寿命を迎えました…

オフ好き編集部員ワタクシ岩瀬の愛車は、2012年の5月に登場したホンダ「CRF250L」の初期型(MD38)。発売と同時に購入して約8年間、距離にして約85,000km乗ってきましたが、先日ついに純正バッテリーが寿命を迎えました…。

画像: およそ85,000km、約8年間使った"純正バッテリー"が寿命を迎えました…

「しばらく乗っていなかったから、セルが回らない…!」

…というのは、冬場によく聞く“バイク乗りあるある”ですが、ワタクシの場合は仕事柄、春夏秋冬ほぼ毎日乗っていたので、ほどよく発電されていたためか、バッテリーが完全に上がってしまったことは今回が初めてでした。

つまりは長期間の使いすぎですね(笑)

バッテリー充電器で何度か充電してみるも、セルが弱々しく回ったあと、ウンともスンとも言わなくなり、完全にご臨終となりました…。

とはいえ、8年間もよくもったものです。さすが純正バッテリー!

画像: CRF250LのYUASA製 純正バッテリー。暫く乗る予定がない時は、マイナス端子(もしくは両方)を外しておくとバッテリー上がりが防ぎやすくなります。ちなみに、CRF250Lはインジェクション車ですが、一応、押しガケはできました。ただコンピューター系によくないのであまりオススメはしません。

CRF250LのYUASA製 純正バッテリー。暫く乗る予定がない時は、マイナス端子(もしくは両方)を外しておくとバッテリー上がりが防ぎやすくなります。ちなみに、CRF250Lはインジェクション車ですが、一応、押しガケはできました。ただコンピューター系によくないのであまりオススメはしません。

当然ながらバッテリーもオイルやチェーンなどのように消耗品です。

バイクの純正バッテリーはサービスマニュアルなどによると2〜3年くらいで交換するのが一般的とされているようです。使い方にもよりますが、7〜8年持つこともあるので、バッテリーが上がってしまわなければ、なかなか変えないパーツですよね〜。

画像: 8年使った純正バッテリーの電圧を測ってみると10.4Vまで下がっておりました…。

8年使った純正バッテリーの電圧を測ってみると10.4Vまで下がっておりました…。

…ということで、前置きが長くなりましたが、バッテリーを新しいものに交換することになったわけです。

ついにバッテリーをリチウムイオン化!

CRF250Lの純正バッテリーの価格はサービスマニュアルやパーツリストだと"時価"となっているので、ネットで調べてみると価格はだいたい7000円〜1万円くらいが相場のようです。(もっと安いものもありますが…)

でも、せっかくバッテリーを新品に変えるなら以前から気になっていた「リチウムイオンバッテリー」に、興味本位も含めて変えてみることにしました。

画像: ついにバッテリーをリチウムイオン化!

ひと昔のリチウムイオンバッテリーはかなり高額なイメージがありましたが、今ではバイクのリチウムイオンバッテリーの価格も随分と安くなり、1万円から1万5000円くらいでありそうですね!

リチウムイオンバッテリーの「メリット」「デメリット」とは?

スマートフォンやモバイル機器などに当たり前に使われているリチウムイオンバッテリー。今では純正採用しているバイクも増えて来ています。

しかし、軽量で自然放電も少なく高寿命とされているリチウムイオンバッテリーも、もちろんイイこと尽くめではありません。ここでリチウムイオンバッテリーのメリット、デメリットをおさらいしておきましょう。

●メリット

  • なんと言っても重量が軽い!
  • 充電容量が大きいので小型化が可能
  • 自然放電が少なく、充電しなくても長寿命
  • メンテナンスの手間が少ない

●デメリット

  • 鉛バッテリーに比べて高額なものが多い
  • 温度、特に低温に弱い
  • 過充電や過放電にとても敏感
  • 過電圧しすぎるとトラブルになる可能性がある

以上のようなメリット、デメリットがあります。

リチウムイオンバッテリーは、バッテリー液内にレアメタルという金属が含まれるため、鉛バッテリーに比べると高価になってしまうそうです。

特に注意したいのが、寒くて乗る機会が減る冬季の低温スタート時。バイクはセルを回すのにたくさんの電力が一気に必要なので、低温時のスタートがかかりにくいことも。また、過充電や過放電がセルに影響を及ぼすこともあるそうです。

バイクのリチウムイオンバッテリー化はこんな方にオススメ!

リチウムイオンバッテリーの軽量化や高寿命は魅力的ですが、全てのバイクにピッタリかというと少し疑問が残ります。ですので、下記のような方にはリチウムイオン化がオススメできると思います。

・バイクに乗る機会が少ない(特に冬場)
・バイクを軽量化したい

今ではほとんどの車種に対応したリチウムイオンバッテリーが揃っています!

CRF250Lに対応したリチウムイオンバッテリーはいくつかのメーカーから出ていますが、私が選んだのは岡田商事さんが発売している「AZシリーズ」のリチウムイオンバッテリーです。

それがこちら!

AZ リチウムイオンバッテリー ITZ7S-FP

画像: ■メーカー希望小売価格:1万5290円(税込)

■メーカー希望小売価格:1万5290円(税込)

↓適合車種はこちらからご確認ください。

バッテリーの状態が一目でわかるLEDインジケーター付き!

画像: 今ではほとんどの車種に対応したリチウムイオンバッテリーが揃っています!

指でボタンを押している間だけ光るLEDインジケーター付きなのでバッテリーの状態が把握しやすいですね。

画像: バッテリーの状態をFULL、MED、LOWの三段階でLED表示してくれます。

バッテリーの状態をFULL、MED、LOWの三段階でLED表示してくれます。

純正バッテリーとリチウムイオンの「大きさ比較」

まずは、純正バッテリー(左)とリチウムイオンバッテリー(右)の大きさを並べてみましょう。

高さはリチウムの方が2/3から半分近く小さいですね!

奥行はややリチウムの方が大きいでしょうか。

純正バッテリーとリチウムイオンの「重さ比較」

次に重量を比較してみます。

純正の鉛MFバッテリー YTX7L-BS

画像1: 純正バッテリーとリチウムイオンの「重さ比較」

純正の鉛MFバッテリーの重さは2.46kg!

…やっぱり結構、重いですね(笑)

AZ リチウムイオンバッテリー ITZ7S-FP

画像2: 純正バッテリーとリチウムイオンの「重さ比較」

AZリチウムイオンバッテリーの重さは0.54kg!

なんと…

約2kgも軽い!

持ち比べてみると、中身入っているの!? ってくらい軽いです(笑)

少しでも軽くしたいオフロードバイクにとっては、涙が出るくらい嬉しい軽量化ですね!

バッテリーの取り付けは至ってカンタン!

早速、リチウムイオンバッテリーを取り付けてみます。

取り付けは、外す時と逆の手順で「プラス」→「マイナス」の順番で取り付けます。

画像: バッテリーの取り付けは至ってカンタン!

最後はバッテリーを固定する器具をネジ止めして完成です!

画像: AZリチウムイオンバッテリーには、空いた隙間に"スペーサー"として「ウレタンスポンジ」が付属しています。

AZリチウムイオンバッテリーには、空いた隙間に"スペーサー"として「ウレタンスポンジ」が付属しています。

ちなみにCRF250Lはバッテリーをネジでしっかり固定できるため、ウレタンスポンジがなくてもバッテリーがズリ落ちてきませんでした。

なので、せっかく空いたスペースに何か入れてみることにします。

空いたスペースにエマージェンシーセットを仕込む

オフロードバイクはシート下スペースが皆無に近いので、万が一の時に備えたエマージェンシーセットを入れることにしました。

画像: 空いたスペースにエマージェンシーセットを仕込む

エマージェンシーセットに入れた物は、十徳ナイフやビニールテープ、パンク修理キット、簡易エアポンプ、ポケットティッシュ、包帯セットなど、困った時にあると便利なアイテムをセレクト。

林道へ行く時はそれなりの装備を持って行きますが、普段でもバイクの中にコレらが入っていると思うとちょっと安心ですね。

とは言え、せっかく2kg近く軽量化できたのに、エマージェンシーキットの重さが約300gプラスされてしまいました。

…まぁ、転ばぬ先の杖ということで(笑)

This article is a sponsored article by
''.