Honda CBR250RR/万能モデルはストリートでもサーキットでも活躍

当時、ホンダの中ではV型エンジンと並列エンジンとで開発グループが分かれていて、互いに切磋琢磨しているというもっぱらの噂だった。

1983年の鈴鹿8耐にV4エンジンのRS850Rを投入して以降、ホンダワークスによる4ストマシンのレース活動はすべてV4に移行。栄光の並列グループは隅っこに追いやられてしまったような印象を持った。

全日本ロード選手権TT-F3クラスでV4のRVF400が圧倒的な強さを見せていた88年、突如RCB400という並列4気筒のワークスマシンが現われ、3戦だけ走って姿を消したことからも、噂はあながち外れてはいなかったのではないだろうか。

1990年にデビューしたCBR400RR/250RRは、そんな並列グループの意地の塊のような気がする。それまでに見たこともないLCG(Low Center of Gravity=低重心)ツインチューブフレームは、基本レイアウトがどことなくRCB400に似ている。ガルアームを使ったのも4ストではこの2台が最初で最後だ。

画像1: Honda CBR250RR/万能モデルはストリートでもサーキットでも活躍

V4エンジンが存在しない250ccクラスではCBRがホンダの主力。1988年に登場した2代目CBR250Rで高い評価を集め、ライバルメーカーの新たなベンチマークとなったエンジンは、このCBR250RRでさらに進化。

その後のレプリカブームの衰退によってライバルメーカーが開発を止めたことで、扱いやすさとパワーのバランス面でこれをしのぐユニットは出て来ていない。ハンドリングに関しても然り。

今のスーパースポーツバイクの常識では信じられないほどシート高が低いのに、ひらひらと軽快でしかも安定感が高い。ライバル車に比べて圧倒的に現存数が多いのも、当時いかに人気が高く、しかも耐久性が高いかの証明と言っていいだろう。

画像2: Honda CBR250RR/万能モデルはストリートでもサーキットでも活躍

ホンダ CBR250RR 主なスペックと発売当時の価格(1990年3月)

エンジン型式 水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量 249㏄
内径×行程 48.5×33.8㎜
圧縮比  11.5
最高出力  45PS/15000rpm
最大トルク 2.5㎏-m/12000rpm
燃料供給方式 キャブレター[VP20]
変速機型式 常噛6段リターン
全長×全幅×全高 1975×675×1080㎜
軸間距離 1345㎜
シート高 725㎜
乾燥重量 142㎏(157㎏:装備)
燃料タンク容量 13L
タイヤサイズ(前・後) 110/70R17・140/60R17
当時価格 59万9000円

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