完結30周年を迎えた不朽の名作『あいつとララバイ』(楠みちはる)。その作中で登場するオートバイを紹介していきます。
 
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第22回/杉本&るみ子のホンダ「VFR750R」

研二Z2とるみ子CBX400Fではパワーが違いすぎるため、研二との再戦に杉本が選んだのはVFR750R(RC30)。

鈴鹿8耐や全日本を勝つため、またプライベートライダーに高いポテンシャルを持ったマシンを提供するために、ホンダが威信をかけて開発して1987年8月に限定1000台がリリースされた。

画像: ホンダ VFR750R TT-F1向けの競技用マシンで、鈴鹿8耐を制したRVF750の1986年型をベースに開発されたRC30。5角断面アルミツインチューブフレームにチタンコンロッドやバックトルクリミッター、カムギアトレーンなどを採用した360度クランクV4エンジンを搭載。クイックリリース機構付きフロントフォークやプロアーム、アルミタンクを装備するなど、その完成度はレプリカの域を超え、まさにロードゴーイングレーサーといえる仕上りを見せた。

ホンダ VFR750R
TT-F1向けの競技用マシンで、鈴鹿8耐を制したRVF750の1986年型をベースに開発されたRC30。5角断面アルミツインチューブフレームにチタンコンロッドやバックトルクリミッター、カムギアトレーンなどを採用した360度クランクV4エンジンを搭載。クイックリリース機構付きフロントフォークやプロアーム、アルミタンクを装備するなど、その完成度はレプリカの域を超え、まさにロードゴーイングレーサーといえる仕上りを見せた。

RC30は148万円という、当時では破格のプライスが付けられたが(VFR750Fは84万9000円)、そのチューニング内容とポテンシャルを考えればむしろ「格安な親切プライス」といえるほどで、1000台限定のところに国内外から注文が殺到。販売は抽選によって行われるなど、異例の人気を集めた。

画像: 第22回/杉本&るみ子のホンダ「VFR750R」

ボンバーの杉本がほんの少し手を加えただけで、その子のポルシェを早瀬のライディングで千切るというポテンシャルを見せたRC30。

吸排気系の設計が異なるRC30の輸出仕様(ノーマル)は 112PSにも達しており、杉本の手に掛かればそれ以上のパワーアップも容易であったが、るみ子はRC30で勝負するのを潔しとしなかった。

いかに研二&Z2とはいえ、RC30フルチューン相手に勝つのは相当に厳しかったのだ。

(次回は脇役たちのマシンたち①をお届けします。お楽しみに!)

過去の回はこちらからご覧いただけます。

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