外装の造形を刷新、排気バルブを新設した3型。4型は細部の変更に

画像: RG250Γ(GJ21B)1985年3月26日発売 48万円(当時)

RG250Γ(GJ21B)1985年3月26日発売 48万円(当時)

RG250Гシリーズにおいて最も大きな変化があったのが3型(RG250EW-3)である。発売は1985年3月26日だったが、前年となる1984年5月にNS250Rがデビューしており、さらに1985年11月にはTZR250の最初期モデル1KTが登場。国産3メーカーによるフルカウルとアルミフレームを持つレーサーレプリカが性能と販売を競うことになった。

外観で目を引くのは連続したラインで構成されるアンダーカウルとサイドカウルで、ほぼフルカバードといえる。ただ、アンダーカウルを持たない仕様も選ぶことができ、こちらは軽快な印象だ。

マルチリブフレームは、基本を踏襲しながらスイングアームピボットまわりなどの造形を変更。フロントフォークにプリロード調整機構を追加、アンチノーズダイブ機構を4段階可変式に高機能化。エンジンは基本を維持するが、排気ポートに可変バルブを追加して出力特性を改善。翌年登場の4型/RG250EW-4は細部を見直した。

画像: RG250Γ(GJ21B)1985年3月26日発売 46万円(当時)

RG250Γ(GJ21B)1985年3月26日発売 46万円(当時)

3型のカラーリングは青×白と赤×白、そして白の単色が1985年3月26日にまず発売され、同年5月16日にはウォルター・ウルフ仕様を追加。1985年の全日本500㏄クラスに参戦した水谷勝選手のマシーンを手本としたウォルター・ウルフ仕様には複数の年式がある。標準モデルはフルカウルとハーフカウルの2タイプから選べ、フルカウルは価格が2万円高く、乾燥重量は128㎏に対し130㎏と2㎏重かった。

全長/全幅/全高:2010/675/1170㎜で、全幅は10㎜狭く、全高は50㎜低くなる。ホイールベースは−30㎜の1355㎜に短縮され、シート高は-50㎜の735㎜に下げられている。ハーフカウル仕様で比較した場合、乾燥重量は1㎏の増加となる。16/18インチの前後ホイール径や、フロントが100/90-16、リアが110/80-18のタイヤサイズである。

画像: RG250Γ(GJ21B)1986年2月1日発売 48万9000円(当時)

RG250Γ(GJ21B)1986年2月1日発売 48万9000円(当時)

1986年型となる4型/RG250EW-4は、1986年2月1日に発売され、青×白と、グレイ×レッドの2タイプが登場。1986年4月1日には濃紺のウォルター・ウルフ仕様、1986年6月1日には基調色をシルバーに変更したモデルが追加された。

画像1: 外装の造形を刷新、排気バルブを新設した3型。4型は細部の変更に
画像2: 外装の造形を刷新、排気バルブを新設した3型。4型は細部の変更に

1980年代中盤、ヨシムラはF1やF3、8耐などに参戦しており、それらのマシーンの色使いを手本としたのがグレイ×レッドだと考えていい。3型に対し4型は、ウィンカースイッチをプッシュキャンセル式に変更、サイドスタンドの格納忘れを知らせる警告ランプをメーターパネルに新設しており、小変更モデルといえる。

こちらは3型が発表された際に公開されたニュースリリース。エンジンに新設された排気バルブを解説しており、SAEC:スズキ・オートマチック・エグゾースト・コントロールと命名されたこの機構は、ホンダがNS250R(とカウルを装備しないNS250F)で採用したATACに近いもので、排気ポート直後にサブチャンバーを配置し、低中回転域ではチャンバーに排気ガスを流して混合気の充填効率を高め、いわゆる"吹き抜け"の状態になるのを防止する。

ホンダはキャブレターと同様なバタフライバルブでサブチャンバーに至る通路を開閉させるが、スズキは切り欠きのある円筒状のバルブによって排気ガスの流れを制御。エンジンの透視図はバルブの動きを示す。

前後足まわりで、左側では新採用のE-フルフローターリアサスペンションを解説。リンクアーム中央部、スイングアームとの接合部に偏心カムを設け(イラストで赤の部分がスイングアームと偏心カムの接合点)、スイングアームの動き始めでは左回転、ボトム付近では右回転することでショック本体を振り子のように動かすのが特徴だ。フロントフォークは上端部にプリロード調整機構を新設。アンチノーズダイブ機構は4段階に減衰力を変更できるよう高性能化された。

こちらはフレームと装備の説明で、3連メーターは文字盤が白に変化、それらを支持するパネルの表面にスポンジを張り付ける。右端はこれまで水温計だったが、3型では燃料残量計を組み合わせている。警告灯は2型と同様に横方向に整列された。

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