そのパフォーマンスと驚異の価格で、世界中を震撼させたMT-09に続き、今度は弟分のMT-07がデビューを果たした! ミドルクラスの中でも群を抜く軽量・コンパクトなボディに、自在に扱えるCP2ユニットの組み合わせで、ビギナーからベテランまで楽しめる爽快スポーツだ!

強烈な個性を持つブランドMTは「走り」の魅力を全身で表現している

画像: YAMAHA MT-09 ■価格:84万9960円/89万9640円(ABS) ●水冷4ストDOHC4バルブ並列3気筒●846㏄●110PS/9000rpm●8.9㎏-m/8500rpm●188kg/191kg(ABS)●815㎜●14ℓ●120/70ZR17・180/55ZR17 ※写真のカラーは2014年モデルです。

YAMAHA MT-09
■価格:84万9960円/89万9640円(ABS)

●水冷4ストDOHC4バルブ並列3気筒●846㏄●110PS/9000rpm●8.9㎏-m/8500rpm●188kg/191kg(ABS)●815㎜●14ℓ●120/70ZR17・180/55ZR17 ※写真のカラーは2014年モデルです。

MTというブランドは、2004年にデビューしたMT-01に始まる。

クルーザーの大型空冷Vツインエンジンを積んだスポーツネイキッドで、その強烈なトルクでスポーツするという、独創と異端のスポーツバイクだった。

その後、ヨーロッパヤマハからMT-03というシリーズモデルが登場する。

こちらはモタードモデル・XTZ660Xのエンジンを搭載したアーバンスポーツ。

とにかく身軽で、街中から峠道まで、その瞬発力を活かしてキビキビ走った。

画像: これはデザインコンセプトである「ダブルデッキ・ストラクチャー」のイメージ図。メカ部分とボディパーツをくっきり分けることで、オートバイが持つ造形美とメカニカルな魅力を際立たせる狙いがある。

これはデザインコンセプトである「ダブルデッキ・ストラクチャー」のイメージ図。メカ部分とボディパーツをくっきり分けることで、オートバイが持つ造形美とメカニカルな魅力を際立たせる狙いがある。

だが、MTシリーズでくくるには、MT-01とは走りのキャラクター、それにルックスもまったく違っていた。

見た目でわかる共通点は「デザイナーズブランドのような凝ったルックス」ということだけ。

走りのタイプに共通点があるとすれば「独特の個性を楽しむことをテーマとした『走り』が魅力」なことぐらい。

MT-01はそれが「鼓動」というエンジンの息吹き、03はトルクで生み出す「気楽な機動性」だった。

画像: YAMAHA MT-01 1999年に発表された「鼓動」コンセプトをそのまま市販に移すという画期的な手法でデビューしたロードスター。エンジンはXV1600のものをベースとした、1670㏄の空冷OHVで、90PSのパワーと15㎏-m以上の大トルクを発揮。各パーツの質感の高さも話題となった。 ■価格:149万1000円(2009年当時) ●空冷4ストOHV4バルブV型2気筒●1670㏄●90PS/4750rpm●15.3㎏-m/3750rpm ●265㎏●15ℓ●825㎜●120/70ZR17・190/50ZR17

YAMAHA
MT-01
1999年に発表された「鼓動」コンセプトをそのまま市販に移すという画期的な手法でデビューしたロードスター。エンジンはXV1600のものをベースとした、1670㏄の空冷OHVで、90PSのパワーと15㎏-m以上の大トルクを発揮。各パーツの質感の高さも話題となった。

■価格:149万1000円(2009年当時)
●空冷4ストOHV4バルブV型2気筒●1670㏄●90PS/4750rpm●15.3㎏-m/3750rpm
●265㎏●15ℓ●825㎜●120/70ZR17・190/50ZR17

MTシリーズは、個性的で美しいフォルムを持ち、ハンドリング、エンジン、実際に走らせたときのフィーリングの中に何らかの「魅力」を潜ませている。

かなり奥の深いテイストを持ったシリーズなのだ。

画像: YAMAHA MT-03 ■海外モデル ヨーロッパのヤマハが企画、製造を手がけたモデル。MT-01のエッセンスも取り入れたユニークな車体に、XTZ660Xのシングルユニットを搭載。ブーメラン型のスイングアームが直押しするサイドマウントのリアショックなど、その装備もかなり先鋭的だった。 ●水冷4ストOHC4バルブ単気筒●660㏄●48PS/6250rpm●5.73㎏-m/5500rpm●174.5㎏●15ℓ●805㎜●120/70-17・160/60-17

YAMAHA MT-03
■海外モデル
ヨーロッパのヤマハが企画、製造を手がけたモデル。MT-01のエッセンスも取り入れたユニークな車体に、XTZ660Xのシングルユニットを搭載。ブーメラン型のスイングアームが直押しするサイドマウントのリアショックなど、その装備もかなり先鋭的だった。

●水冷4ストOHC4バルブ単気筒●660㏄●48PS/6250rpm●5.73㎏-m/5500rpm●174.5㎏●15ℓ●805㎜●120/70-17・160/60-17

もちろん、今日のMT-09や07を、ヤマハが最初から想像していたとは思えないが、こうした新しい兄弟たちにも「操ることが楽しい濃厚な個性」がしっかりとある。

単にヤマハの中でもっとも個性の強いブランド名だけを借りたわけではないのだ。MT-09のトリプルテイストとストリートファイター的に俊敏な身のこなしは、それだけで濃厚な個性だ。

MT-07にいたっては「乗り手をワクワクさせる走り」という、MTシリーズのテーマそのものが開発コンセプトの中にある。

そんなテーマを妥協なく、魅力として味付けされたエントリーモデルはあまりない。あっても、MT-07ほどどんなスキルのライダーにも受け入れられる「ワクワク」ではない。

画像: 強烈な個性を持つブランドMTは「走り」の魅力を全身で表現している

走るのが面白い。それこそがMTシリーズのテーマであり、この09と07も「他車とはちょっと違う誘惑」を発散している。それが注目を集めている理由だ。

MTシリーズは消去法で妥協しながら手に入れるバイクではない。

その造り込み、走りの魅力に惹かれて、狙って手に入れたくなるバイクだ。

ある意味、乗り手の心を熟知した「バイクマイスター」が造ったブランドなのかもしれない。

MT比較・本誌テスター3人のホンネ

宮崎 敬一郎

MT-07 : 使いやすさと使っての面白さを絶妙なバランスでちりばめたスポーティなSTDバイク。最初のオーバー400として、初心者にも勧められるし、重いバイクに飽きたというベテランにも勧められる。よくできたバイクだ。

MT09 : 極めて軽い車体に力漲るパワフルなエンジンを組み合わされたバイク。ストリートファイター的なアグレッシブな機動の走りから、のんびりとしたツーリンクまでこなすゆとりがあるが、いざブン回したときの元気な走りはそうとうにヤンチャだ。

画像1: MT比較・本誌テスター3人のホンネ

太田安治

MT-07 : 「塊」感のあるルックスだけど、フットワークは嘘のように軽快。低回転からトルクがモリモリ湧き上がるエンジン特性と併せて市街地から峠道まで乗りやすく、長時間ライディングも楽。長く付き合えそうな一台。

MT-09 : 最近の日本車には珍しく表情豊かなエンジンが最大の魅力。ストロークが長く、ソフトな設定の前後サスで乗り心地がいいし、姿勢変化を利用して旋回させる楽しさもある。ちょっと生意気な小娘といったキャラクター。

画像2: MT比較・本誌テスター3人のホンネ

青木タカオ

MT-07 : “扱いやすい”を売りにしているビギナー向けモデルだと物足りないし、大排気量の本気モデルだと過激すぎてアクセルを開けて楽しめない。正直なところ、そんな風に思うことがあるが、MT-07はすべてがちょうどいい!

MT-09 : Aモードはとにかく過激。だけど足まわりがよく動くのでトラクションを感じやすく、ガンガン開けて楽しめる‼ この軽快な車体とスロットルレスポンスの鋭いトルクフルなエンジンの組み合わせはシビれるぜ〜‼

●PHOTO:南 孝幸/森 浩輔 ●TEXT:宮崎敬一郎/太田安治/青木タカオ/本誌編集部

公式サイト

This article is a sponsored article by
''.