リッターオーバーをも凌駕する切れ味と軽やかさを併せ持った821

DUCATI Monster 821 Stripe

画像1: リッターオーバーをも凌駕する切れ味と軽やかさを併せ持った821

誰にでも「理想のバイク」というものがあると思う。僕の場合は、自由に自分がコントロール出来るための条件があって、それは出力100PS/重量200㎏というライン。カウルなし、パイプハンドルがいいし、シート高は800㎜くらい。空冷で2気筒、値段は100万円くらいで収まると素晴らしい。モンスターの821はびっくりするくらいその「理想」に近い。空冷じゃないから、価格は理想からハミ出ちゃうけれど、大きさと出力がちょうどいい。1200と比較試乗してみて、それが確信に変わった。

実は、この821の前身である696が僕は大好きだった。小さくトルクがあって、エンジンの低回転域のスムーズさがキレイ。ドゥカティというと、そこそこの回転域まで行かないとエンジンがスムーズに回らない、というイメージがあるけれど、それを払拭できたのが、この696だったように思う。ちなみに、696は空冷で80PSだけれど100万円前後だった。09年かな、買う一歩手前、見積もりもらうところまで行ったっけなぁ。

画像2: リッターオーバーをも凌駕する切れ味と軽やかさを併せ持った821

821は、間違いなくこの696の血統を受け継いでいる。それに比べると、1200はパワーがありすぎるように感じる。もはや、ネイキッド=のんびり走っても楽しい、っていう定義を、ドゥカティのクセで忘れてしまっているんじゃなかろうか(笑)。もちろん、ラインアップからストリートファイターがなくなったことで、1200、特にRはスーパーネイキッド的なキャラクターを持たせたのだろうし、速いバイク=楽しい、というドゥカティの哲学をスーパースポーツ以外で具現化したのが1200系なのだが。

ということで、個人的には821が好きだ。低回転のスムーズさは1200より上だし、そのまま中回転までは俊敏。7000回転を越えるあたりからはさして回らないけれど、それがちょうどイイ。

画像3: リッターオーバーをも凌駕する切れ味と軽やかさを併せ持った821

ちなみにトップギア・100㎞/hで走っていると4000回転チョイ。この速度域、回転域がスムーズで無振動に近く、サウンドも走行音にキレイにかき消されて、無音の世界を滑るように進んでいるような錯覚に陥る。僕はこの瞬間が大好きだ。それじゃ物足りないって人には1200がいいのだろうけど、僕はネイキッド的なのんびりさも欲しいし、スポーツランしたいならばパニガーレを選ぶ。しかも、自分がコントロールできる、って条件から、1299よりも959を選ぶだろう。

ちなみに、この821ストライプは、スタンダードに比べてフロントフォークがフルアジャスタブルになって、ボディにストライプ入り、ミニカウル付きで7万3000円高。フロントフォークのグレードの差異は、ワインディングを走ればハッキリわかるけれど、決してスタンダードも劣っているわけじゃない。モンスターのベストバイは821。これが僕の新しい理想なのだ。(中村浩史)

SPECIFICATION
全長×全幅×全高 2,170 ×830×1,040mm
ホイールベース 1,480mm
シート高 785-810mm(可変式)
車両重量(乾燥) 179.5kg
エンジン型式 水冷4ストデスモドロミック4バルブL型2気筒
総排気量 821cc
ボア×ストローク 88×67.5mm
圧縮比 12.8:1
最高出力 101HP/8,000rpm
最大トルク 9.1kgm/7,750rpm
燃料供給方式 FI
燃料タンク容量 17.5L
キャスター角/トレール 24.3°/93.2mm
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式(前・後) 320mmダブルディスク・245mmディスク
タイヤサイズ(前・後) 120/70ZR17・180/60ZR17

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