オーリンズ搭載で本能のままに刺激的な走りを可能にする“S”

DUCATI Monster 1200S

画像1: オーリンズ搭載で本能のままに刺激的な走りを可能にする“S”

「モンスターが欲しい!」となったとき、1200か821かで悩むライダーも多いだろう。両シリーズ最大の違いはエンジンフィール。1200は大排気量ツインらしい、スロットルとリアタイヤが直結しているようなダイレクトさが特徴で、821は高回転域で軽く鋭く回るSS的な特性。モンスターのメインステージである、市街地や峠を含むツーリングでの動力性能はどちらも充分だから、絶対的な速さではなく、どんな走りの「質」を求めるかが選択の分かれ目になる。

今回は1200と821のそれぞれ2機種に試乗したが、821はワインディングが楽しい。中高回転域でのレスポンスがリニアなうえにエンジンブレーキの効きも自然で、クロスレシオ気味のミッションで高回転型エンジンの小気味いい特性を存分に引き出せる。タイヤサイズも1200より細いから、寝かし

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込みや切り返しが軽快。特に上級グレードの「ストライプ」に装着されている前後サスペンションは低中速コーナーにマッチしたセッティングで、タイヤの能力を存分に活かした走りが可能だ。

反面、ローギアのレシオがロング設定でゼロ発進時は気を使うし、一般道の速度域で5〜6速を使うとエンジンがギクシャクしがち。のんびりLツインの鼓動を楽しみたい、という人向きではない。

対して、幅広い使い方に応えてくれるのが1200。発進加速がスムーズで、低中回転域からスロットルを大きく開けたときの荒っぽい加速感は大排気量ドゥカティを駆っているという充実感にあふれたもの。しかも、3000回転台を使う高速道路のクルーズでは不思議なほど振動が少なく、長時間ライディングも快適。車格や車重は821シリーズと大差ないから、取り回しも苦にならない。

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ただ、サーキット走行も視野に入れた、スパルタンな仕様の1200Rは、高回転・高出力型のエンジンを搭載しているので、凄まじい加速力と引き換えに低回転域で粘らせるような扱いを嫌うし、前後サスペンションもハードな設定。公道なら、低中回転トルクが太く、サスペンションも100㎞/h以下の速度域に合っている「S」の方が確実にスムーズに走れて疲れない。

とはいえ、電子制御を切って荒っぽいスロットル操作をすれば、あっけなくリアタイヤがスライドし、フロントタイヤは浮き上がる。パワーモードや、パワースライドやウイリーを抑止するトラクションコントロール、さらにABSといった各種の電子デバイスが、大型ビギナーでも不安なく扱えるように調教してくれているが、ドゥカティ本来の魅力のひとつである獰猛さもしっかり受け継がれているのだ。

峠道を繋いで駆け回り、往復は高速道路で快適に移動、というツーリングを楽しむ僕は1200Sが気になる。この「優しい怪物」と仲良く付き合ってみたい。(太田安治)

SPECIFICATION
全長×全幅×全高 2200 ×830×1,040mm
ホイールベース 1,511mm
シート高 745-770mm(可変式)
車両重量(乾燥) 182kg
エンジン型式 水冷4ストデスモドロミック4バルブL型2気筒
総排気量 1,198.4cc
ボア×ストローク 106×67.9mm
圧縮比 12.5:1
最高出力 126HP/7,250rpm
最大トルク 12.2kgm/7,000rpm
燃料供給方式 FI
燃料タンク容量 17.5L
キャスター角/トレール 24.3°/93.2mm
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式(前・後) 330mmダブルディスク・245mmディスク
タイヤサイズ(前・後) 120/70ZR17・190/55ZR17

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