めずらしいタイヤサイズがハンドリングに影響

フロントフォークの動き方に比べて、リアサスのストローク感が感じられない点は、ひょっとしたらフロントのセッティングで変わるかもしれません。サスペンションは前後で相対的なものなので、フロントの動きすぎが収まれば、その分今度は、リアが動くようになるかもしれませんから。

ただ、足まわりのセッティングでいえば、このフロントタイヤのサイズは、のんびり走るのが好きな僕好みではないです。

3・5_17インチというホイールサイズは、ミドルクラス以上のロードスポーツでは、現在、最もポピュラーなサイズなのですが、履かせているタイヤサイズが120/60なんですね。これは珍しい。現行のバイクは、ほとんどが70。60を使うのは、CB400SFとSBくらいじゃないでしょうか。

60を装着してハイトを下げると、ハンドリングがクイックで、手応えがダイレクトになるんですが、タイヤのエアボリュームが少なくなるし、接地面やタイヤの潰れ方も特有の感じになる。要は過敏になりがちなんです。個人的には、こうした鉄フレーム&コンベンショナルなスタイルのバイクは、のんびりと乗りたいので、タイヤサイズを70にして、もっと穏やかな特性の方がいいと思う。街乗りメインに使うなら、なおさらです。

あと、キャスター角の数値も、昔と比べたらわりと立ち気味なんですね。VTEC搭載前の90年代に発売されていたCB400SFは、キャスター角が27・15度でしたが、現行モデルは25・05度。VTEC搭載の99年モデルから立たせているんです。さっき言ったタイヤサイズについても、同じモデルから採用された様子。そのタイミングでスポーツ性を重視したのでしょう。僕は初期型のキャスター角くらいに寝かせて、タイヤも70にした乗り味の方が好きですね。好みの問題ですが。とはいえ、ライポジは違和感がなくてとても良い感じです。

HONDA CB400 SUPER BOL D’ OR(2014年モデル)

最高出力 53PS/10500rpm
最大トルク 3.9㎏-m/9500rpm
車両重量 200㎏(※ABSは203㎏)
■価格 85万8600円〜

さすがベストセラーらしい完成度。円熟のエンジンに死角なし、と語る伊藤さん。ここでは、さらに気になる足まわりについてをじっくり考察。タイヤの選択やキャスター角についてなど、独自の視点でCB400スーパーボルドールの特性を分析してくれた。

キャラの違いは明確求めているのはどっち?

いずれにせよ、現行モデルはスポーツ性を打ち出したモデルとなっています。例えば、同じ排気量の400XやCBR400Rは、わかりやすく操縦安定性に優れた、フレンドリーなバイクです。でも400SBは、昔のレーサーレプリカ、NSRやCBRのような感じの操縦安定性になっていて、ちょっとマニアックというか…。さっきも言いましたが、こういうフレームレイアウトとスタイリングのバイクなので、このハンドリングには驚きました。よりスポーティな走りを好むライダーにとっては、満足できる内容でしょう。

その意味で、街で乗るなら2気筒のCB400シリーズの方を僕は選びます。ただ、400SF&SBのエンジンが特別素晴らしいだけに、欲張った辛口の感想になってるのは否定できませんが(笑)。

身長179㎝の僕でも全然窮屈じゃないよ(伊藤)

車両重量は、ABS仕様で203㎏だが、取り回しは軽快。跨った時の収まりもよく、400㏄サイズでも物足りなさは感じないとのこと。また、エンジンの完成度の高さには大満足の様子。

PHOTO:松川 忍

公式サイト

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