ウインドプロテクション性能は超優秀
一般道を長い距離走るならベストな選択!(伊藤)

VFR800Xは、マイナーチェンジ前のモデルで北海道ツーリングをしたことがあるのですが、新型はだいぶ良くなった印象があります。まずサスペンションが細かくチューニングされたのか、乗り心地がかなり向上しましたね。 

試乗を始めてからしばらくは、フロントブレーキをパッとかけたとき、フロントサスペンションのブレーキダイブが大きい印象を受けましたが、リアのイニシャルアジャスターを締め込んで調整してみたら、最初から少しフロント側に荷重がかかるようになったので、それからはブレーキダイブのことはあまり気にならなくなりましたね。乗り心地を良くするためにフロントサスペンションを柔らかめにしたので、ブレーキダイブが大きく感じるようになったのでしょう。この辺りのバランスは難しいところでありますが、乗り心地が良くなったことのメリットのほうが大きいと思いましたね。

素晴らしいと思ったのは、ウインドプロテクション性能ですね。VFR800Xのスクリーンはそんなに大きくはないですが、形状などを良く研究しているのでしょうね。以前所有していたツアラーのVFR1200Fよりも良かったです。ホンダで一番ウインドプロテクションが良い、GL1800の次くらいに良いんじゃないかな? 調整可能なので、スクリーンの位置を高くしたり低くしたりして試してみました。ライダーの座高によって印象は変わるかもしれませんが、スクリーンの内側への風の巻き込みも少ないし、肩に当たる風までも防いでくれます。首にかかる風圧の負担も少ないので、高速道路をメインにしたツーリングにはVFR800Xはとても良いと思いますよ。

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これはVFR800Xに限った話ではないですが、ホンダのグリップヒーターはよくできてますね。ヒーター付きのグリップであることを意識しないくらい、ヒーターの効き方が自然で絶妙です。今回の試乗は3月でまだ寒い時期でしたが、もし取材のあとこのまま、VFR800Xで夜の高速道路を走って、東京から仙台市の自宅まで帰れと言われても、躊躇なく乗って帰りますね(笑)。それくらい、VFR800Xのウインドプロテクション性能と純正グリップヒーターの組み合わせは素晴らしいです。

ライディングポジションはアップライトなので、街乗り走行も非常に楽ですね。タンデムについてはリアシートが高い位置にあるので、乗る人によっては後ろに乗った人の重さでふらつきを感じることもあるかもしれません。その点では車高が低く、重心の低い800Fのほうがタンデムしやすいと感じる人もいるでしょうけど、タンデム走行のしやすさ自体は、800Fも800Xも同じくらいやりやすいと言えますね。

旧型の800Xで北海道をツーリングしたときは、一般道を長い距離走るならアフリカツインが一番良いかな、と思いましたが、今回新型800Xに乗ってみて、直列2気筒のアフリカツインよりもV4を搭載する800Xのほうが個人的なエンジンへの好みもあって、その条件ではベストかなと考えが変わりました。800Xもアフリカツインもワインディングを「攻められる」バイクですが、やはりフロントタイヤが21インチのアフリカツインと17インチの800Xでは、アスファルトの上を走る分には、800Xのほうが多くの人はとっつきやすいと思いました。

後で資料を見て気付いたのですが、800Xも800Fも、別売りのオプション設定でクイックシフターが用意されているのですね。今回の試乗で2台とも、クイックシフターがあると、ツーリングがより楽になるだろうな、と思っていました。自分がオーナーになったら、クイックシフターはぜひ付けたいです。

800Xと800Fでは、ウインドプロテクションをはじめ様々な要素を考慮すると、ツーリングに使うには800Xのほうが向いていると思いました。高速道路だけじゃなくワインディング走行も楽しむツーリングで、ハイペースで走りたい人には800Fも良いと思いますが……。このあたりはツーリングに何を求めるかで、800Xと800F、どちらを選ぶかは変わってきますけどね。

画像: 「クロスオーバーデザイン」のVFR800Xは、新たに5段階調整式のアジャスタブルスクリーンを採用。800Fとともに、ETC車載器とグリップヒーターを標準装備しており、「旅バイク」としての性能を向上させている。

「クロスオーバーデザイン」のVFR800Xは、新たに5段階調整式のアジャスタブルスクリーンを採用。800Fとともに、ETC車載器とグリップヒーターを標準装備しており、「旅バイク」としての性能を向上させている。

HONDA VFR800X SPECIFICATION
全長×全幅×全高:2190×870×1385㎜
ホイールベース:1475㎜
最低地上高:165㎜
シート高:835/815㎜
車両重量:246㎏
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブV型4気筒
総排気量:781㏄
ボア×ストローク:72.0 × 48.0㎜
圧縮比:11.8
最高出力:107PS/10250rpm
最大トルク:7.9㎏-m/8500rpm
燃料タンク容量:20ℓ
変速機形式:6速リターン
キャスター角:26°30′
トレール量:103㎜
タイヤサイズ(前・後):120/70ZR17・180/55ZR17
ブレーキ形式(前・後):ダブルディスク・ディスク
価格:143万6400円

共通エンジン、共通マフラーだが味付けは違う! 個人的には800Xのエンジンフィーリングが好き!(伊藤)

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