フィーリングの面でも大きく進化している!

CB1300といえば、以前限定車の赤フレームのCB1300スーパーボルドール〈ABS〉・スペシャル(06年モデル)に乗っていたことがあります。今回試乗したCB1300SFは、その頃のモデルと比べると全然違うバイクだな、と思うくらいに変わっています。

自分がかつて所有していたその限定車は、トルクもドーンと出る印象で、スロットル操作に対するツキも良すぎる感じでした。またエンジンフィーリングも、高回転まで回して気持ちいい、という感じではなかったことを覚えています。車体も重心の高さが常に意識させられ、大きいバイクに乗っているな、ということを常に乗り手に意識させる乗り味でしたね。

その辺のことは乗る人の好みがありますから、どちらが良い悪いということではないと思います。ただ、バイクの完成度ということであれば、今のCB1300SFが一番良いのは確かだと思います。ひと言で言えば新型1300は、とにかく「バランス」が良いです。

操縦安定性はパーフェクトエンジンのパワーデリバリーもイイ感じ! (伊藤)

このバイクの操縦安定性について、文句を言う人は誰もいないんじゃないかな? と思うくらい新型1300のハンドリングは良くまとまっていますね。自分が所有していたころの1300からだいぶ熟成されたというか、どこかが突出しているという感じがなくなって、バイクとしてのバランスが良くなっています。

画像: HONDA CB1300SUPER FOUR 最高出力:110PS/7250rpm 最大トルク:12.0kg-m/5500rpm 税込価格:144万7200円

HONDA CB1300SUPER FOUR
最高出力:110PS/7250rpm
最大トルク:12.0kg-m/5500rpm
税込価格:144万7200円

普段この連載では、サスペンションをいろいろ調整することもあるのですが、今回は前後ともにいじる必要性を感じませんでしたね。前後のサスペンションが、一緒に動く感じです。以前のモデルは前側だけ動くとか、後ろ側だけが動くような挙動を感じることもありましたが、新型ではあまりピッチングも感じないし、上手く沈む感じがします。本当にバランスが良くて、走っていて転ぶ気がしませんでした。ブリヂストンのOEMタイヤも合っていますね。走安関係はパーフェクトで、ライディングポジションも非常に良いです。

最初に新しい1300を見たとき、デザインが良いなと思いました。シートカウルとか造形が変わったのかと思いましたが、特に小さくなっているわけではないんですよね。前のモデルは車高が高くて、エンジンの全高も高くて、でっかいバイクだなという印象を受けたのですが、新しいシルバーメタリックのカラーリングのせいもあってか、でっかいバイクと感じないで、むしろコンパクトに見えました。赤白のカラーリングですと、実車を見たときにまた違った印象になるのかもしれませんけど。きっと扱いやすい操縦感覚もあって、新型はコンパクトに見えてくるのもあるかもしれないですね。スタイリングの特徴としては、タイヤが前後17インチなので、車格に対して小さく見えますね。

エンジンのパワーデリバリーも、新型はすごく良くなっていますね。回転数のボトム近辺の燃え方……燃焼の仕方が変わって、低速域で乗りやすくなっている。最近のホンダのスポーツバイクに共通して言えることですが、このボトム近辺の味付けと、高回転域まで吹け上がるときの後半で盛り上がるような感じは、統一されてきたような感じがありますね。レブリミットは大して変わってないでしょうけど、そこに行くまでの特性が良いですね。

インジェクションの設定によるものか個人的にエンブレは少し弱めな印象

バイクのエンジンの味付けについてはみんな好き嫌いがあると思いますが、自分としてはこの新型1300のようなパワーの出方が良いと思っているので、より自分の好みのベストに近づいているように感じました。こういうエンジン特性にしたことで、逆にパワーなく感じることもあるかもしれません。かつての1300は、パワーデリバリーがドンと出る感じだったので。でも、速く走らせられるのは、新型1300の方ですね。

スポーツライディングしたときの速さに関しては、新型のエンジン特性は乗りやすいので、ライダー次第で如何様にもなる感じですね。あと、新しい2室構造になったマフラーは音量も上がっていて、音質もいいです。自分好みの音です。エンジンブレーキ時にはバックファイアの音がバババババッと出て、やる気にさせてくれます(笑)。エキパイの形状はCB650系みたいなデザインのほうが好みですけど、等長にするとこういう形になるんでしょうね。

画像: インジェクションの設定によるものか個人的にエンブレは少し弱めな印象

あと新型1300はアシストスリッパークラッチを採用しましたけど、2速、1速へ落とすときに非常に操作が楽になっていますね。従来はクラッチワークで逃がさないといけなかったですけど……。とてもいい感じで、採用したことによるネガはないです。

これは好みにもよるでしょうけど、インジェクションのマッピングの設定か、エンブレの効き方が弱いですね。個人的にはエンブレは少し弱めかな、くらいが好みなので、もうちょっと効いている方が良いですね。スロットル戻したときの一発目のエンブレが、もうちょっと効いて欲しいという感じです。エンブレは効かない方が好みという方もいるので、設定としては難しいところでしょうけどね。

これは自分の公道用モデルのエンブレの効き方の好みの話で、空走状態でちょっと走りすぎるな、というくらいの設定もCBR1000RRのJSB仕様のセットにはありますよ。自分の場合は効くのと効かないの真ん中くらいからセッティング始めて、段々エンブレ減らして行く方向になるんですけどね。

僕たちは普段レーシングマシンにも乗っているので、一般のライダーの方のエンブレの使い方や走り方の違いから、この辺の感覚が違うかもしれませんね。新型1300のフロントブレーキも、ABSの効き方と制御の仕方は素晴らしいです。制動力も十分だし、コントロールもしやすいです。ただちょっとレースのように酷使して追い込んだ使い方をするとパッドの離れが悪くなり、ちょっとABSの介入も早くなってしまいます。でも公道では、酷使して追い込んだ使い方をするケースは多くないでしょう。

画像: 操縦安定性については特に厳しい視線をもつ伊藤さんだが、「操安性についてはなんの問題もないですね。サスペンションは今回のテストでは前後ともいじることもなかったし、このままでOKという感じです。本当バランスが良くて、転ぶ気がしないです」と太鼓判!

操縦安定性については特に厳しい視線をもつ伊藤さんだが、「操安性についてはなんの問題もないですね。サスペンションは今回のテストでは前後ともいじることもなかったし、このままでOKという感じです。本当バランスが良くて、転ぶ気がしないです」と太鼓判!

余談ですが、レーシングマシンの場合は、握りこんでからが勝負なんです。タッチがどうでも良いわけではないのですが、握りこんでそこからどれだけ制動できるかが大事です。新型1300のフロントブレーキも、自分の好みとしてはもう少し握りこんで、効くようなブレーキが良いのですが、自分の普段のレバー入力の強さがあまり一般的ではないというか、全然違うので、そういう感覚で操作しているから、もっと握りこんで……と感じてしまうのでしょうね。

一般公道に最適化!10年乗っても満足できる仕上がり

一般のライダーの公道での使い方では、指一本で握るとか、街中でちょっと触るような感じの入力とか、そういうやり方が普通だと思うんです。レースではとにかく短く止まることが大事だから、自分のようにレーサーの人が好むパッドとか付けちゃうと、効かないと思っちゃう人も多いと思いますよ。

画像: 左:大関沙織(おおぜき さおり) モデル、女優、レースクイーン、そしてプロボクサーという異色のキャリアを誇り、ただいま多方面で活躍中。最新の活動情報は 公式ブログ「Active girl♡Bike」 ( https://ameblo.jp/h2-08-02/ ) にて。 右:伊藤真一(いとうしんいち) 1966年、宮城県生まれ。88年ジュニアから国際A級に昇格と同時にHRCワークスチームに抜擢される。以降、WGP500クラスの参戦や、全日本ロードレース選手権、鈴鹿8耐で長年活躍。昨年は若手育成に携わりながらも、鈴鹿8耐や全日本ロードに参戦。

左:大関沙織(おおぜき さおり)
モデル、女優、レースクイーン、そしてプロボクサーという異色のキャリアを誇り、ただいま多方面で活躍中。最新の活動情報は
公式ブログ「Active girl♡Bike」
https://ameblo.jp/h2-08-02/
にて。
右:伊藤真一(いとうしんいち)
1966年、宮城県生まれ。88年ジュニアから国際A級に昇格と同時にHRCワークスチームに抜擢される。以降、WGP500クラスの参戦や、全日本ロードレース選手権、鈴鹿8耐で長年活躍。昨年は若手育成に携わりながらも、鈴鹿8耐や全日本ロードに参戦。

ただレース用ならばなんでも素晴らしいというわけではないんですよね。ラジアルマウントのブレーキキャリパーもセンター出しの精度とか、最初のタッチの感覚とか、すごくシビアです。その点では一般的な止め方のキャリパーの方が、キャリパーのわずかな動きとか傾きとかで、逆にフィーリングが良くなることがあったりします。帳尻が合いやすいんですね。レースに使われている構造のパーツを使うことで商品性を高める方法もありますけど、新型の1300とかは一般公道での使い勝手や感性に合うように、あえてそういうことはやっていないのでしょう。

レーサーレプリカ的なスーパースポーツですと、4〜5年経つと性能などで最新型に比べ見劣る気になってしまいがちですけど、新型1300くらい完成度の高いネイキッドでしたら、10年乗りつづけても常に満足感は高いと思いますよ。各部の作りが良くて質感が高くて所有欲を満たしてくれますし、タイヤを交換して走りの変化を楽しめるスポーツ性もあります。10年乗りつづけても良いと思えるバイクって、なかなか簡単には作れないものだと思います。

でもこれだけ乗りやすくて完成度の高い1300が、税込144万7200円でしたら、122万0400〜137万8080円のCB1100系とどちらを選ぶか、ホンダの大型ネイキッドを買おうと思っている人は悩むでしょうね。E PackageがなくなってETC車載器とグリップヒーターがスタンダードで標準装備になっているのも、新型1300の魅力です。

乗りやすくて、扱いやすい。質感もいいから、ずっと自宅のガレージに置いてあっても満足できる。先ほど言ったように新型1300は10年乗っても満足できる仕上がりなので、お買い得なモデルと言えるのかもしれませんね。

もし自分が選ぶとしたらですか? う?ん、それは今回テストできなかったCB1300SBに乗るまで、答えを保留したいですね(笑)。自分が1300にまた乗るとしたら、ツーリングメインになるでしょうから、SBは気になりますね。でもSBの出来を確認するのが楽しみになるほど、CB1300SFは良いモデルでした。

SPECIFICATION
●全長×全幅×全高:2200×795×1125㎜
●ホイールベース:1520㎜
●シート高:780㎜
●車両重量:268kg
●エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
●総排気量:1284cc
●ボア×ストローク:78.0×67.2㎜
●圧縮比:9.6
●最高出力:110PS/7250rpm
●最大トルク:12.0kg-m/5500rpm
●燃料タンク容量:21L
●キャスター角:25゜0 ′
●トレール量:99㎜
●タイヤサイズ(前・後):120/70ZR17・180/55ZR17
●ブレーキ形式(前・後):φ310㎜ダブルディスク・φ256㎜ディスク
■価格:144万7200円

DETAILS

画像: 身長のある2人は、CB1300SFの足着き性には不満はなし。「足が着くからこの重量でも乗ってみようという気になりますね」とは大関さんのコメント。伊藤さんは自然でリラックスしたライディングポジションとシートの座り心地を高く評価。大関さんによると、リアシートも快適だが「前シートとの段差のせいか、目線が高いのでスピードが出るとちょっと怖いかも」とのこと。伊藤さんはライダーとの一体感足りないから! と言ってましたが(笑)。ライダー身長:179㎝、パッセンジャー身長:172cm

身長のある2人は、CB1300SFの足着き性には不満はなし。「足が着くからこの重量でも乗ってみようという気になりますね」とは大関さんのコメント。伊藤さんは自然でリラックスしたライディングポジションとシートの座り心地を高く評価。大関さんによると、リアシートも快適だが「前シートとの段差のせいか、目線が高いのでスピードが出るとちょっと怖いかも」とのこと。伊藤さんはライダーとの一体感足りないから! と言ってましたが(笑)。ライダー身長:179㎝、パッセンジャー身長:172cm

画像: HONDA CB1300 SUPER FOUR 2014年以来のモデルチェンジを受けた2018年モデルのCB1300SF。基本デザインは従来型を踏襲しつつ、マフラーとウィンカーを変更。ヘッドライトにはLED式を新採用。E Package車の設定はなくなり、ETC車載器とグリップヒーターが標準装備となった。エンジンの最高出力は、旧型比で9psアップの110psになっている。

HONDA CB1300 SUPER FOUR
2014年以来のモデルチェンジを受けた2018年モデルのCB1300SF。基本デザインは従来型を踏襲しつつ、マフラーとウィンカーを変更。ヘッドライトにはLED式を新採用。E Package車の設定はなくなり、ETC車載器とグリップヒーターが標準装備となった。エンジンの最高出力は、旧型比で9psアップの110psになっている。

画像: パニアケース装着を想定して、小型化され取り付け角度が緩くなった新型マフラー。「新しいマフラーはとても音がいいですね。やる気にさせる音です」と伊藤さんもお気に入り。

パニアケース装着を想定して、小型化され取り付け角度が緩くなった新型マフラー。「新しいマフラーはとても音がいいですね。やる気にさせる音です」と伊藤さんもお気に入り。

画像: 燃料タンク上面には、PROJECT BIGー1誕生25周年記念専用マークが貼られている。「ソードシルバーメタリックのカラーリングが良いですね」

燃料タンク上面には、PROJECT BIGー1誕生25周年記念専用マークが貼られている。「ソードシルバーメタリックのカラーリングが良いですね」

画像: バックトルクリミッターを新採用した水冷4気筒1284㏄エンジン。「インジェクションのマッピングの設定変更で、燃え方……エンジン特性がとてもよくなりましたね」

バックトルクリミッターを新採用した水冷4気筒1284㏄エンジン。「インジェクションのマッピングの設定変更で、燃え方……エンジン特性がとてもよくなりましたね」

画像: 「過去のCB1300SFは、常にデカイバイクに乗っていると感じましたが、今のモデルは扱いやすくなった分、乗っていて車格の大きさをあまり意識しなくなりましたね」

「過去のCB1300SFは、常にデカイバイクに乗っていると感じましたが、今のモデルは扱いやすくなった分、乗っていて車格の大きさをあまり意識しなくなりましたね」

PHOTO:松川 忍、まとめ:宮崎健太郎

公式サイト

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