全日本ロードレースも第4戦・菅生大会も終わって、いよいよ鈴鹿8耐への本格準備スタート。8耐が終わった瞬間、次の年の8耐が始まる――なんてこと、よく言いますが、それはメンタル、スピリット、精神的なこと。トップチームの8耐担当ともなれば、1年じゅうずっと鈴鹿8耐のこと考えている、っていいますが、実際に8耐仕様のマシンを作って走り始める、となると、やっぱ1~2か月前になりますね。つまり、それがこの時期です。
6月19~22日には各メーカー占有、または数メーカーが合同での鈴鹿テストが行われました。全日本組は菅生大会が終わってすぐ、しかもこの時期はGP組もカタルニアGPが終わってすぐのタイミングだったので、ライダー人選も、8耐ライダーによるマシンテストにもいい時期。少しずつ、8耐へのラインアップも見え始めました。いまのところライダーラインアップを明らかにしているトップチームはカワサキTeamグリーンとヤマハファクトリーレーシングだけですからね。
22日はホンダとカワサキが合同テストでした。しかも取材もOK! このテストには、久しぶりに中上貴晶も耐久用マシンを走行。昨年はMoto2ライダーとしてハルクプロホンダから出場した中上ですが、MotoGPライダーとしてTeamHRCから鈴鹿8耐に出場するのは初めてですね。もちろん、正式発表はまだですが、中上の鈴鹿8耐参戦はほぼ確定とみていいでしょう。
「スケジュールがタイトな中、こういうマシンテストのチャンスをもらえて、MotoGPにもプラスになると思います。いままではMoto2マシンから鈴鹿8耐マシンに乗り換えて、パワーとか大きさ、重さを感じましたが、MotoGPマシンから8耐マシンへの乗り換えは真逆ですね」と中上。午前・午後の3時間で、50周近くを周回していました。
ちなみに中上、去年はハルクプロに供給されたワークスマシンに乗っていましたが、今回はTeamHRCからワークスマシンCBR1000RRWでの出場。もちろん、べースマシンも昨年とは違います。
「去年のマシンよりフロントの荷重が増えた印象ですね。チームからは、燃費がいいって褒められました(笑)。ワークスチームからの参加は、スタッフも多いし、走行後すぐに自分の走りも解析してもらえて、仕事がスムーズに進んでいます。チームからは『MotoGPライダー呼んでるんだから6秒台出してから帰ってね』って(笑) ワークスチームならではのプレッシャーも感じています」「
中上、この日は2分8秒655がベストタイムで、全体の3番手。トップタイムは清成龍一(モリワキホンダ)、2番手は渡辺一馬(カワサキTeamグリーン)でした。もちろん、まだタイムはまったく問題ない段階ですね。
「正式発表はまだですが、8耐に出場することになったら、チーム一丸になって優勝したいです。去年は僕の転倒で優勝を逃していますから、今年は絶対! ホンダとしても優勝が絶対条件でしょう、それは自覚しています。まずはトップ10トライアルで5秒台出したい。日本のファンの皆さんの前でレースできるのが楽しみです」
おそらくTeamHRC体制は、中上貴晶/高橋巧に、WSBKチームのレオン・キャミアになりそうです。期待されたMotoGPからのライダー参戦はなし……かな。
■ホンダ系チーム出場予定
TeamHRC 中上貴晶/高橋巧/レオン・キャミア
TSRホンダ ジョシュ・フック/アラン・ティシェ/フレディ・フォレ
モリワキ 清成龍一/高橋裕紀/ダン・リンフット
鈴鹿レーシング 日浦大治朗/亀井雄大/安田毅史
桜井ホンダ 伊藤真一/濱原颯道
SuPドリーム 山口辰也/T.B.A.
テルルMotoUP 秋吉耕佑/長島哲太/イサック・ビニャーレス
ハルクプロホンダ 水野涼/T.B.A.
※T.B.A.は後日発表です
写真・取材/後藤 純