ジムカーナをベースにした新しいスタイルのイベントとして注目されていた「MOTO GYMKHANA 2018」が、ついに4月8日、快晴の中で大磯ロングビーチで開催され、JAGE・A級のトップライダー・作田隆義選手が初代ウイナーの座を手にした。
このイベントは、通常のジムカーナのような2ヒート制のタイムアタック形式ではなく、シンプルなレイアウトの2台が同時に走るツインコースで、まず76台の参加者が予選ヒートを走行。その走行タイム順に32台がトーナメントに進出し、タイム順に区切られたS・A・B・Cの4クラスごとに勝ち抜き戦を行って勝者を決めるという形式を採用。多数のブース出展や試乗会などのイベントも併催、さらに天候に恵まれたこともあり、この日会場には4000人あまりのライダーが来場。通常のジムカーナ大会ではありえないほどのギャラリーが、2台が同時に走る勝敗がわかりやすく、そして豪快な走りを間近に見られることで大いに盛り上がった。
【モチュール】クラス
予選ヒートトップ8によって競われる、最上級クラスがモチュールクラス=Sクラス。進出した全員がオートバイ杯ジムカーナなどの最高峰クラスであるJAGE・A級という、まさにトップライダー同士の戦いとなった。マシンも4ストスーパースポーツ、2ストレーサーレプリカ、モタードが入り乱れるジムカーナらしいもの。そんな中で「キング・オブ・ジムカーナ」と呼ばれる大ベテランの作田選手はGSX-S1000を駆り、大瀧選手&ハスクバーナFE450、中嶋選手&TZR250Rを撃破。一方、2017年のオートバイ杯チャンピオンで、現在最強のジムカーナライダーである富永選手はNSR250を駆って、辻家選手&GSX-R1000、朝野選手&ZX-10Rとスーパースポーツ使いを打ち破って決勝に進出。ジムカーナ界を代表するトップライダー2人の対決となった決勝、「今日のコースがオレのマシンに合ってたね」という作田選手が、狭いコースの中で1000ccのパワーを使いきって完璧なアタックを決めた一方、富永選手は小さなミスによって僅かに遅れてしまう。そしてフィニッシュラインを先に越えたのは作田選手! 記念すべきモトジムカーナの初代ウイナーの栄冠を手にし、さらにこの日の最高タイムをマークしてファステストラップ賞も贈られた。2位の冨永選手に続く3位は、朝野選手との3位決定戦を制した中嶋選手だ。
【ヤマルーブ】クラス
予選ヒート9〜16位のライダーが競うのがヤマルーブクラス=Aクラス。一発勝負の予選をクリアしたJAGE・A級は4人のみで、下克上を果たしたB級、C1級のライダーが2人ずつ進出してきた。しかしそこはA級の意地、決勝には同じA級のベテラン・吉野選手&CRF450Xを下してきたZX-10Rを駆る小崎選手と、唯一ベスト4に進出したB級の中川選手&VTR250に勝った市村選手&YZF-R6という4ストスーパースポーツ同士の対戦。やはり僅差の争いになったが、暴れまわるスーパーバイクを最後まで抑えこんだ小崎選手がAクラス優勝を決めた。吉野選手vs中川選手の3位決定戦は吉野選手が勝利している。
【アールエスタイチ】クラス
予選ヒート17〜24位のライダーによって戦われたのがアールエスタイチクラス=Bクラス。チャンピオン経験者の池田選手を含む、A級が6人、そこにB級、C1級が各1人が揃い、ハイレベルな争いとなった。決勝に進出したのは、A級の竹村選手を倒して上がってきたB級・江間選手&KSR110を破った清野選手&CBR600RRと、木村選手&GSX-R750、古場選手&WR450Fと2人のA級を倒した池田選手&NSR250R。この2人の争いは清野選手の勝利に終わりBクラス優勝。江間選手vs古場選手の3位決定戦は古場選手がA級の意地を見せた。
【ナップス】クラス
予選ヒート25〜32位のライダーのクラスであるナップスクラス=Cクラス。A級は2人のみ、女性ライダーが3人、マシンも1000ccから125cc、スーパースポーツやネイキッド、モタードとバラエティに富んだクラスとなった。決勝は、中嶋選手との女性C1級NSR250使い同士の争いを勝ち抜いた小崎選手と、A級・中村選手&Z1000を破って上がってきた、これも女性C1級ライダーの本間選手&VTR250。注目の女性ライダー対決は小崎選手に軍配が上がった。3位決定戦の中嶋選手vs中村選手のバトルで、中村選手が3位を手にした。
写真/井上 演
イベント公式サイト